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AI、100%小説で空なんて飛べない  作者: 蜃気羊


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11/35

【11】



『独自のものをAIにディープラーニングすればいいんだよ。コールセンターとかの決まったやり取りとかルールをAIに勉強させるんだ。そうすることで、より精度の高い返答をすることが可能になる』

『へえ。精度が高くなるとどうなるん?』

 俺はそのとき、さほど、この話題になんて興味がなかった。だから、iPhoneで音を消したTikTokを流し見しながら、父親の話を聞いていた。


『単純労働をする人間はいらなくなる。今まではクリエイティブの仕事は生き残れると言われていたけど、たぶん、先に淘汰されるとも言われているんだ。脳のニューロンに近いAIが最近、作られて、思考が人間に似たようなものを作ることができたんだ。これは人類の進化だ。産業革命、インターネット革命の次がAI革命だ』

『ふーん。クリエイティブは人類が始まってからずっと続く文化だから、淘汰されるとは思わないな』

『いや、淘汰される。イラスト、音楽、文章の生成はAIの得意分野だ。〇〇風のイラスト描いてとか、〇〇みたいな小説書いてってプロンプトを入れたら、数秒で作ってくれる』

『プロンプト?』

『AIに指示する設計図のことだよ。今は、その話をしていない。そんなのはどうでもいい。単純作業はすべて消えてしまうんだよ。AIによって。クリエイティブなことも、しょせん単純作業だったということだよ』

『嫌な未来』

『仕方ない。人類は進化していくものだ。大事なことは、使いこなすことだ。仮にお前が好きな小説をAIに書かせるとする。今の生成AIでは面白い小説は書けない』

『じゃあ、小説家は安泰だね』

『いや、実は安泰ではない。自分の文章と作風をAIにディープラーニング。つまり機械学習させるんだ。そうすると、オリジナルの小説を書くことが可能になる』

『要は、無料で使える範囲は機械学習ができないから、自分の文章をAIに教え込めば、今、本出しているような作家は、AIにこんな小説書いてって言ったら、自分っぽい文章で小説をかいてくれるってこと?』

『そういうことだ。だから、時代に乗り遅れないように、わざわざ金を払って、お前にもAIに触れてもらっている。クリエイターだけじゃない。事務作業やプログラミングも、ホワイトカラーと呼ばれる仕事はほとんどなくなる。現にテック企業はもう、人員を減らし始めてる』

『そしたら、父さんもクビになるね』

『父さんはクビにならないよ』

『え、どうして?』

『管理する側は昔から仕事をとられることがない』





 

 iMacの画面には、『AIで長編小説を作るのが不可能な理由』という記事が表示されている。

 その記事の内容をざっと読むと、『いくらプロンプトを工夫しても、金太郎飴な小説しかできない』『現状、AIが出力できる文字数は短編小説程度の文字数で、長編小説を書くには、矛盾が生じやすく、結局、相当な推敲作業が必要だ』『そういった意味で、多くの人に感動を与える小説家という職業を置き換えるのはまだ不可能だと思われる』など、この程度のことしか書かれていなかった。


 父親が言っていたことと、この記事にギャップがあることに気がついた。

 この記事ではディープラーニングのことは一切、触れられていなかった。無料で公開されているAIの範囲でしか話が展開されていなかった。

 ――もしかして、大人たちはまだ、AIの本当の使い方を知らないんじゃないか。

 

 新しいタブを開き、生成AIのディープラーニングについて調べはじめた。


 





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