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点Pは、きっと「何か」を知っている。

夜明け前の街路は、薄い霧に包まれていた。

瓦礫も、血も、過去の戦争も、疫病も、地震も、すべての影は過去のものとして静まり返る。しかし、世界は静かに息をしている。

幼い少年―、点Pは、まだ理解していない。

なぜ歩くのか。なぜ痛みに耐え、飢えに耐え、恐怖に耐えるのか。

答えはない。答えは最初から、誰も教えてくれない。どうして自分だけ?どうして苦しいの?どうしてお腹が空いてるの?当てのない問い。答える者は、誰もいない。

それでも、点Pは進む。

瓦礫の間を、凍てつく街路を、暗い森を、ただ進む。転び、泣き、叫び、また立ち上がる。

周囲の誰も気にしない。褒める者も、見守る者もいない。

それでも、点Pは進む。止まらない。歩きながら学ぶ。痛みとは、生きることそのものだと。絶望とは、生きることの一部だと。希望とは、歩くことの先にしか生まれないと。

何かに突き動かされながら、点Pは、その「何か」を見出そうとする。

誰も知らない物語が、ここに始まる。点Pは、きっと何かを知る。

誰も知らない痛みが、ここに刻まれる。点Pは、きっと何かに絶望する。

誰も知らない小さな奇跡が、ここに生まれる点Pは、きっと何かに笑みを向ける。

例えば、凍土の少年。例えば、伝染病の少女。例えば、戦場の女戦士。例えば、地震で子を失った父親。例えば、孤独な老人。

彼らは確かに消えていった。しかし、点Pは動くのを止めない。点Pは決して、永遠に静止することはない。

そして、点Pは、何も知らずに、その道をなぞりながら進む。

点Pは、進む。

霧の向こう、朝日が少しずつ顔を出す。灰色だった世界に、淡い光が差し込む。

それは、希望でも絶望でもない。ただ、世界が続くという事実。淡々とした朝日に、何を見るかは人それぞれだ。絶望の夜明けか、はたまた希望の夜明けか。もしかしたら、またどこかで戦いの狼煙が上がるかもしれない。どこかの老人が、孤独にその生涯を終えるかもしれない。

点Pは、立ち止まらず、ただ足を動かす。理由も意味も必要ない。

存在することそのものが、進むことそのものが、生きることなのだ。

生きる意味なんて、後からついて来るのだ。


点Pは、また x cm 進んだ。


私は問いたい。

「あなたたちの点Pは、今どこを動いていますか?」

止まるも進むも、あなた次第です...

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