魔王復活…?
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人間、獣人、エルフ、ドワーフ、魔族。妖精、精霊、魔物。様々な生き物が生きている世界フォーリジー。
昔は戦争ばかりで隣人が死ぬのが日常そんな混沌とした世界だったフォーリジー。そこに突如現れた強大な生物に人類は対抗できず滅びた国もあった。
そんな時救世主が現れた、その者が言うには強大な生物は魔物と言い魔王と呼ばれるものが背後におりこのままでは世界が滅びると国々に伝えた。人類はその者の言葉に応え手を取り合い魔物に、魔王に反撃を始めた。
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「―――そして魔王を封印し人類の滅亡を防いでくれた者は勇者と呼ばれています」
「…そう」
「これが私たち人間だけでなく全人類が一度は聞くであろう御伽噺ですベレ様」
ベレ、というのは私のこと、そして目の前の優しくこの世界のことを教えてくれているのは空のような青色の長い髪の女の子で人間のミーナ
さっきまで聞いてたのは私が転生した世界フォーリジーの昔話…なんだけどやっぱり転生する前に聞いてた話と違う
「その話レヴィ達に聞いた話と違うけどみんな忘れちゃっただけなのかな」
「…御伽話がどういう経緯で変わったのかは分かりませんが実際にその時代を経験した魔王の話ならそちらの方が信憑性は高いです」
「まぁその方が都合良かったんでしょうねぇ」
「…ベレ様、本当はどうだったのか教えてくれませんか」
「んー面倒だからやだ」
「…」
そんなに睨まなくてもいいのに…面倒だからこのまま放置するけどね
それにしてもなんでこの子はベルを鳴らしてないのにいるんだろ
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【転生することを決め色々な説明を聞いた後】
「これで君のそのポーカーフェイスともお別れか」
「…私とのお別れはどうでもいいの」
「いやぁそういうわけじゃないんだけどね。君は一応転生だから新しい肉体が手に入る、だからきっと表情も動くようになるんだなぁと思うと」
「私としてもお別れになるのね」
「そういうこと」
2人はお互いに見つめ合う、すでに転生の準備は終わり新しくベレ・ルサ・マベアとして作り替えられていってる今いつフォーリジーに送られてもおかしくない。
レヴィがこの時間をどう使えばいいのかと思っていたその時ベレの身体が光輝く
「…もう時間だ、最後に確認。君には俺たち7人の能力が吸収される、その能力はあの世界の魔王としての存在証明。どう足掻こうが魔王として生きることになる」
「気にしない」
「それと説明するときに言ったけど君の性格、というより人格かな?そういう精神的な部分がフォーリジーという世界に生きる魂に合わせられるのと同時に俺たちの能力も入るから確実に変化する」
「それも大丈夫。私に一番影響があるのは怠惰だから」
「そうか、後は君が転生したら部屋の中に小さいベルがあると思うから鳴らすと君の侍女をしてくれる女の子がくるから挨拶しといてね」
「分かった」
光が収まりだし今度はベレの身体が消えていく
「とうとう時間が来たね。とりあえず侍女って言ってもただ真似してるだけだから失敗しても許してあげて。」
「うん」
「それじゃ、最後くらい笑顔を見せてよ」
「…また会ったら」
「そっ…か、まぁ俺だけ笑顔見たら殺されそうだ。みんな消えるんだけどね」
「絶対会おう」
「……大丈夫、俺たちは見てるよずっと」
「絶対」
「あぁ」
そこでベレの意識は途切れた。
次に目が覚めたとききれいな部屋のベッドで起きた
さっきまで目の前で喋っていた男のことを思い出すが彼らが消滅してしまうのは彼らが望んでいたと説明されていたので気にしすぎることではなかった。ただ―――
「―――絶対忘れないから」
ベレは彼らのことを忘れることはないだろう
そしてベッドの近くに机がありその上に小さなベルが置いてある
「…面倒」
レヴィに鳴らしてと言われていたが面倒なのでベレは無視し再び寝入る
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そして私が次に目を開けるとミーナが起こしに来ていた
私はレヴィに言われた通りミーナに今この世界がどういうところなのか聞いているのだけれど少しミーナに対して思う感情に違和感がある