私んちのネコさんは
ネコさんはいつだって笑っている。
ネコさんはいつだって楽しそう。
ネコさんと一緒だと私もいつのまにか笑顔になってしまう。
だからお裾分け。
ネコさんの朝は早い。
私より早く起きていつの間にかお出かけしている。
朝の6時に帰ってくると、私を必ず起こしてくれる。
お土産のネズミや、虫なんかを捕まえて、私に持ってきてくれる。
私がありがとうの気持ちを込めて撫でてあげると、ネコさんは満足したのかいつもの寝床でまた横になる。
気持ちは嬉しいけれど、ネズミも虫も食べられない私は、ネコさんに気づかれない様に自然へと還す。
これが私とネコさんの朝の日課だ。
ネコさんは今日もご機嫌である。
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今日は雨が降っている。
退屈で見慣れた田舎の景色が、少し、変わって見える。
いつも明るく照らしてくれる陽射しが隠れたせいだ。
こんな日は、普段必死に隠している不安が暴かれて、空から責められている様な気持ちになる。
周りの草木や建物も雨で濡れ、雲に覆われ黒くなって、、、
通りすがりゆく人々の足も、何かから逃げる様に速くなって、、、
怖い、、、、私は雨が嫌いだ、、、、
ネコさんも濡れたくないのか雨の日は家にずっといる。
外に出られない分を発散したいのだろう。
私に付きまとい、遊んでくれ、もっと遊んでくれとせがんでくる。
ネコさんは、雨の日でもニコニコしててとても楽しそう。
ネコさんの楽しそうな姿を見て、私も釣られて楽しくなってしまう。
ボールを転がすと、ネコさんは身をひねってボールに喰らいつく。
繰り返す、何度も、その度にネコさんは必死になって追いかける。
私の方が先にくたびれてしまった。
テレビをつけ、椅子に座る。
するとネコさんは膝の上に乗ってきて、丸くなる。
もふもふの毛の感触の先から伝わってくる。ネコさんの体温。
ネコさんも満足したのか、ニコニコとした表情のまま眠ってしまった。
ああ、何て自由なんだろう。。
なんて強いんだろう。。
雨の日はネコさんが一緒だから、寂しくないよ。
雨が過ぎ去り、太陽が曇天の隙間から顔を覗かした。
眩い光が家に差し込んだ。
いつもの温もりと一緒に私を包み込む。
ネコさんは起き上がり、玄関に向かい歩き出した。
今からお出掛けかな?
ネコさんの体が
太陽の光に照らされて輝きを放つ。
ネコさんの歩みに合わせて
周りの風景がいつもの光を取り戻す。
『いってらっしゃい 私の太陽さん』
ネコさんは今日もご機嫌である。
お終い
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落ち着いて読みたいですね。