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テック・クエスト  作者: 岡山
6/8

道中

「ふっ」

掛け声とともにテックは短剣を振り下ろした。

切られた牛のような魔物が断末魔をあげながら、倒れ込んだ。

「うし、おいリュウ、今晩の飯取ったぞ。」

テックは、魔物をかかえ、リュウに歩み寄った。

「おー、ご苦労さん。じゃ、分解しといてくれ。」リュウはやる気のないような返事を返し、再び手元にある本に目をやった。

「はいよ、ところで何読んでんだ?」

「地図だよ。ウォールを出て三日たったからな、大分ネツキに近付いてきた。」

「まじか、あとどれくらい?」

「もう3日も歩けば着くな。」

「そうか。今更なんだが、ネツキにバスで行けないのか?」

テックがそう言った時、リュウは手の親指と人差し指で輪を作ってきた。

テックは旅装備、バス代、自分たちの財布を思い浮かべ、無言で魔物を解体し始めた。


その夜


2人は、小さな丘の上で火を炊き、野営をしていた。

「ふぅー、美味。さすがだ俺、こんな美味いのをとれるなんて。」テックは肉を頬張り満足気な笑みを浮かべた。

「あの臭みの強い肉を食えるようにした俺にもなんか言ってくれ。」リュウは肉を少しづつ口に運びながら少し不満そうな顔になった。

「わかってるわかってる、ありがとよ、リュウ。ふぅー、なぁ風呂入りたくない?。」

「飯の話題早いな終わるの。泉に一昨日入ったろ。」

「うん、一昨日な。俺が入りたいのは今なんだよ。お前獣人なのになんでそんな匂わないの?」

「考えた事ない、髪ふわふわして通気性いいとか?」

「あー、あるかもな」

「はぁ、風呂はないが湖だったら、そっちの奥にあったぞ。」

そう言いながらリュウは少し離れたところに広がる森を指さした。

「まじ?んじゃ、ちょっと入ってくるわ。」

「ほれタオル。俺も行くか?夜行性の魔物もいるだろうし。」

「うんにゃ、昼間であのレベルなら夜行性も大したことない、1人でいいよ。」

「はいよ、行ってこい。」

テックは森に向かって歩き出した。



「おー、まあまあでかい湖だな。」

森に入り、湖の前にきたテックは、思わず感嘆の声を漏らした。湖に月の光が写り、とても幻想的な光景だ。

「うし、入ろう。」

テックはある程度湖を見てから服を脱ぎ、足から湖に入った。

「おー、寒い。だがいい!!」

テックは湖に肩まで浸かり、再び感嘆の声を漏らした。

「いやー、悪くない。この冷たさも慣れればあったかい。何言ってんだ俺(笑)」

少しハイテンションになっていた。


テックはしばらく泳いだり、景色を眺めながら

鼻歌を歌ったりと、湖を満喫した。

「ふぅ、そろそろ上がるか。帰って寝よ。」

テックは湖から上がり、体を拭き、服を着た。

だがその時テックの視界に一瞬何かが写った。

「ん?なんだ?」

テックは自分の周りをぐるりと見てみた。

(何も無い)

次に湖を見てみた。

(ん?あれは?)

湖のちょうどテックと真逆の位置、誰かいる。

よく見ると、女の子だ。足だけ湖につけ、こちらを見ている。


「あの子も冒険者か?俺になんか用かな?」

テックは試しに手を振ってみたが反応はなかった。

「あり、用ない感じかな。大声はダメだよな。魔物うじゃうじゃ出てくるし。」

テックはとりあえず手を振り帰路に着いた。

(誰だあの子?)


















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