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百合豚どもに捧げる  作者: タパコ
一学期
7/153

3話 愛してるもんを愛してるって言ったら豚って括りにされました

 



 例えばだが。僕は思うわけだ。僕はアイドルが好きだがアイドルと結婚したいとかアイドルとこうなりたいとか全く思わない。そんなことよりも最早、アイドル同士できゃっきゃうふふして欲しいと思うわけだ。

 よくあるだろう?アイドルの深夜番組で楽しそうにアイドルたちがお話ししたり肩に絡み合ったり、ほっぺ突いたりしてるだろう?尊くないか?尊いんだよ。僕はそれを見てると心が洗われるんだ。


「いや。もうやばいだろそれ。心洗うどころか漂白しないとダメなレベルだろ」

「え、シマチャン今の聞こえてたの?」


 最近僕は女の子に近づきすぎて禁断症状が出はじめている。

 それはこの僕が推奨する百合論を気づけば永遠と(シマチャン限定)語ってしまっているのだ。


「つまり、こういうこと・・?倉敷くんは女の子同士がイチャイチャしてることが好きなの?」

「うん」

「自分は?」

「見てる」

「見てるだけでいいの?俺だったら混ざりたい」

「はぁ?!キモいんですけど」

「なんでっ?!?!」


 なんでって言われても、僕は彼女たちが織りなす見ちゃいけない、って思うそういうちょっと後ろめたい気持ちで見ちゃうやりとりにすごくドキドキするんだ。


「じゃあ、倉敷くんは誰にも恋しないってこと?」


 ん・・・・?

 え?そういうことになるの?僕・・・・違うんだよ。愛でたいんだ。彼女たちを僕の<スミユリ>をぉぉぉ!!


「君には理解できない世界なんだよ。ファッ○!」

「いきなり?!」


 午後の日差しが差し込み暖かさに制服のブレザーを脱ぐ。ちなみにうちはブレザーな高校。僕の服装なんて読者様方は興味ないだろうから割愛させていただくが彼女たちのことは事細かく教えておこう。僕はスコープこと眼鏡を取り出す。そして彼女たちを凝視。まずは菫様。


 エントリーナンバー1


 香澄カスミ スミレ愛称菫様(僕限定)

 血液型B型Rh +

 身長160センチ体重44キロ(スコープ能力判定)

 誕生日8月21日

 スリーサイズ*B=80 W=58 H=83(スコープ能力判定)

 好きなもの*熊のぬいぐるみらしいっぽい(ずっと監視していたら熊のぬいぐるみをいくつも所持していた為)

 好きな食べ物*どうやらチョコらしい(昼休みに必ず麦チョコを食べている為(因みに一粒ずつ)

 好きな男性*今はまだいいらしい(素晴らしい)

 好きな女性*きっと美琴たん


 *菫様の制服の着こなし方


 制服の着方は至ってノーマル、着崩したりせずきちんと着用。白シャツはスカートの中に入れベージュのカーディガン着用。その上から紺色のブレザーをきちんと着こなす。ボタンもきちんと、もちろん中の襟シャツもきちんと上まで詰めるタイプです。リボンもきちんとつけます。色は暗い緑と紺色の斜めストライプ。ブレザーはオーダー制なのでかなり身体のラインが出る作りになっています。菫様はきちんと着るので特にラインが出ます。胸も慎ましくウエストも細いのでかなり華奢な体躯をされています。スカートは深緑×灰色×紺色×クリーム色×朱色が3:2:2:1:1の割合でグラデーションっぽい色合いのチェック模様です。スカートは膝上13センチ(スコープ推奨)。ハイソックス黒着用きちんと清純派仕様となっております。


 ふぅ・・・すごい情報量だ・・あ、菫様に見てるのバレた。



 さ、次だ。


 エントリーナンバー2


 槍先ユリサキ 美琴ミコト愛称美琴たん(僕限定)

 血液型A

 身長157センチ体重41キロ(スコープ能力判定)

 誕生日1月22日

 スリーサイズ*B82-W58-H82(以下略)

 好きなこと*昼寝っぽい(基本寝てる為)

 好きな飲み物*チョコミント(毎日ソレ系を食べてる為)

 好きな人*猫みたいな人(つまり菫様)

 好きな女性*きっと菫様


 *美琴たんの制服の着こなし方


 着崩すタイプ。白シャツはボタン一つ空いておりスカートには入れません。カーディガンはグレーで大きめを着ています。もちろん常に萌え袖。ブレザーは本当に寒い時以外羽織ら無いようです。ボタンは閉めません。リボンも緩めにつけます。スカートは膝丈15センチでハイソックスの黒。軽いビッチ臭がしますが至って本人は純粋です。男性が話しかけてくるときにすっと距離を取ることに長けている模様。因みに倉敷は男と見られてないらしく距離は取りません。。因みにシマチャンは生理的に無理だという話をこの前していた模様。


「誰と話してんの?倉敷?」

「・・あ、いや」

「早くしないと体育始まるよ?」


 ・・・体育だ・・・と・・?

 頼む合同来てくれ女子と合同・合同・ごうどう・ゴウドウ・GOUDOU★



 ーーーーーーーーーーーーー


「よーし、今日は合同でドッチボールだー!みんなで仲良くなろう!


 いよっしゃーーーー!!!!

 仲良くしてください女の子たちーーーー!!!!


「「えーーーー」」


 ファッふあっふあっふぁっ!!!そのブーイングさえ今の俺には清々しいZE!!!


「すみちゃん。準備運動、ペアになってもいい?」

「当たり前じゃん」


 いいよぉうっすごっくいいよぉうっふ。


「倉敷くん組もうっ!」

「あーうん」

「冷たくない?!」


 とここで、僕は誰かにぶつかったードンー。


「わっ!ごめん!」

「きゃっ!」


 そこで尻餅をついていた女の子にびっくりして僕は彼女に膝を折る。


「ご、ご、ごめんなさい!!!」


 ・・・・・これは・・・・。

 眼鏡隠れ美女in巨乳?!?!?!


 俯いててもわかる整った顔立ち、少しタレ目がちなくっきりした二重目、さらにラッキーアイテム涙ぼくろ!! こんな原石がまだ僕の近くにいたなんて!僕は思いっきり地面を殴った。


「畜生ぅぅぅぅ!!!」


 ドン!!!!


「えぇぇっ?!?!」


 シマチャンが驚く。はっ!!!我に返る僕。


「ごめんっ!身体痛くない???」


 眼鏡っ娘巨乳はウルウルした瞳ですみましぇーんとうわずっている。


「何してんのー?またなんかやらかしたんじゃないでしょうねー??」


 そこに菫様が来る。最近の菫様は僕を見下しすぎて白目になるという特異体質になってしまったらしい。


「菫ちゃんっ」


「あれ、唯じゃん。この人ちょっとやばいから離れたほうがいいよ?あ、そっか今日一人女の子休んでるから余っちゃうんだね。一緒に準備体操しよ?」

「いいの・・・?」

「当たり前でしょ?ね。美琴」

「もちろんだよ!」


 おォォ!!!なんという助け合い!!!尊い!!!


「あ、あの」

「何?」


 菫様白目・・・。


「本当にごめんね?」

「・・・うん」


 唯と呼ばれた眼鏡バインは百合の園へ行ってしまった。また僕は幸せになった。


「三人ってのも・・いいな!」

「何が?!?!」



 て、ちょっとー!!!!!!何これすごい!!!!

 準備体操すごいんですけどぉ!!!!!!!

 最早競技なんですけど!オリンピック公式にした方がいいんですけどォォ!!!


 3人は交互に背中を押し愛腕を絡め愛ときに照れたり微笑んでるんですけどー!!!


「唯ちゃん身体やわらかーい!」

「え、恥ずかしいよぉ」

「もーかわいいなぁ」


 きゃっきゃうふふやーん。


「倉崎くん押すよー!」

「ハイドウゾー」


 フニッーーー


「おいこらー!お前のジュニア押し付けんじゃねぇぇぇ!!!」

「ヒィィィぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」



 ーーーーーーーー


 そして始まる球当球技デスゲームが。


「いいかぁー男は利き手と反対だからなー!!」


「「えーーーー」」


 必ず守る!!!あの3人を!!!!あと墨田ゴリミも女だから助ける!!!!

 まずはでかいやつだな。危ない奴はみんな消す!



 ここで簡単に説明。1チーム10人で行うことに、チームはこんな感じ。

 外野は男、内野は女、外野が当てても生き返りなしルール適用。ドッチボールのルール知らない人はお母さんに聞きに行こう。<追加ルール>女子の人数が同じ数を合わせられないため僕が内野に入りハンデとしてスカート着用ゴリミノ


 Aチーム(先生に泣いて懇願した)

 男:ブタ嶋崎キン志田モヤシ寺師ニンジン高木シイタケ古賀ナメコ

 女:墨田ゴリミ、菫様、ユリンヌ、美琴たん


 Bチーム

 男:古井ゴリラ菅田ゴリラ岩川ゴリラ浦出ゴリラ加藤ゴリラ

 女:神田ビッチ高見ギャル倉西ヤマンバ、志々デコミ公賀アゴミ



 なんで相手チームゴリラばっかなんだよォォォォォォォォぉ!!!!!!

 なんで僕のチーム野菜かキノコなんだよォォォォォォォォォ!!!!!!

 守りきれるか?!僕に?!


「始めるぞー!!!!」


 ピィぃぃぃぃー!!!開始のホイッスルが鳴る。


 内野の主力はゴリミ一択!!!!

 僕は女のこにボールは当てれない!!盾になることしかできない!!!(報復が怖いため)


 シマ「倉敷くん!」


 ボールがこちらに渡る。


 倉西ヤマンバ「倉敷〜あんたわかってんでしょうね〜」

 僕「ナンデヤマンバメイクナンデスカ」


 ゴリミにボールを渡す。


 墨田ゴリミ「くらいなっ!!!」


 墨田ゴリミから放たれるボールが刹那、消える。


 倉西ヤマンバ「なんだって!!!こりゃ”ジャイロボール”じゃないか!!」


 パァッンっ!!!!!!倉西ヤマンバ6メートル吹っ飛び気絶。


 先生「倉西ーーーー!!!!!担架だ!!担架をもってこい!!!!」


 パァぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!

 僕と墨田ゴリミは力強いハイタッチをした。


 僕×ゴリミ『『『最強かよっ!!』』』


 二人の声が重なり合う。


 先生「おいお前ら待つんだ!」

 神田ビッチ「テメェよくもやりやがったな!!!古井ゴリラ

 古井ゴリラにボールが回る。

 僕「しまった!!!!」


 ちなみに古井は野球部ピッチャー、だけど、男だから左手投球、僕でも防げるかもしれない!!!!


 古井ゴリラ「よくも俺の女を!!!」


 え”っ”ーーー。。ヤマンバさんとデキてたんですかーーー?!

 これはまずいっ!僕は逃げるっ!!!!!


 メスを失った(死んでない)ゴリラは怒り狂い大きく振りかぶってーーー(利き手で)想いを(球を)投げ飛ばした。


 シマ「逃げて!!!!倉敷くん!!!!」


 豪速球という名の銃弾はゴリミ目がけてぶっ飛んでくる。


 なっ!!!!! 標的は墨田ゴリミ?!


 スミレ「墨田さん!!!」

 ゆり「逃げて墨田さん!!!」

 美琴「逃げてぇ!!!」


 僕は気がつけば走っていたーーーー墨田の元へ!!!!!

 ーーーーー『ここで、守んなきゃ男じゃないだろう!!!』


 シマ「倉敷くん!ダメだーーーーー!!!!!!」


 ドュぷパァ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”あ”ーーーーーーーーーーーーーっ”ん”っ!!!!!


 球爆破、倉敷8メートル吹っ飛ぶ⇦<新記録更新WIN!>


 先生「倉敷”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃぃぃぃぃっ”」




 そこで僕は気を失った。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「はっ”!!!!」

「わっびっくりしたー!!!」


 そこは保健室だった。ベットの隣には菫様。


「あれ?デジャブ・・・?」

「ふふっ。確かに」


 菫様は僕の隣で笑っていた。特異体質は治ったのだろうか?


「あ、そうか。古井くんのボールが当たって・・・」

「うん」


「菫様は・・・」

「「保険委員だから」」


 二人の声が重なった。なんだか変な気分だ。あんなに嫌悪されてたのに、律儀なんだな・・。


「デジャヴだね」

「確かに」


 そこで二人は笑った。


 ーーーーがらがらがらーーーー。


 保健室のドアが開く音がする。日も暮れかかりきっともう放課後なんだろう。

 ぼーっとする頭で僕が外を眺めていると可愛い小動物がカーテンから顔をのぞかせた。


「起きたー?」


 ーーーほんとデジャブだ。


 美琴たんは心配そうに僕を見てから飲み物をくれた。今日もポカリスワット。今日は蓋を開けてくれないらしい。


「僕ならもう大丈夫だよ。わざわざありがとう二人とも」


 僕はなんだか申し訳なくなってきて二人に帰るよう促した。


「今日さ。見直したんだよね。倉敷のこと」


 え”。菫様から呼び捨てしてもらった・・感激。


「うんっ!私も!あんな球を止めに向かうなんて最高だったよ!!」


 おお”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”!?え、ナニコレ?!


「だからさ・・・・」


 ゴクっ・・・・思わず喉が鳴る。


「「なんか、言うこと一つ聞いてあげよっか?」」


 え、ちょっと待って、これ最終回とかじゃないよね?!?!?!?!

 僕の百合は続くよね・・?!?!フラグじゃないよねぇぇ”???!!!


 放心してた僕は考えた。考えて考えて、本当は飛び越えたかったけどあえてギリギリを選択しようとした。

 いや、ギリギリだからこそやばいものってのがあるんだよ・・いや、ほんとに。


「なんでもいいの?」

「・・うん」

「いいよ」


 そして一呼吸置いて僕は二人を真っ直ぐに見た。


「美琴たん、菫様の上に向かい合って座ってほしい!!!」


 次の瞬間にはスミレ様は白目を剥いていた。あら、やっぱり特異体質はご健在でしたか・・・。

 美琴たんはポンっと音を鳴らして顔を真っ赤にした。


「すみちゃん・・・いいの?」

「いいよ」


 やばい!ちょー緊張してきた!お○ワクワクすっぞ!


 そして、ゆっくりと美琴ミコトたんはスミレ様に近づいた。

 美琴たんは小さい身体と手を菫様の目の前にまで持っていく。その小さい小動物のような手を菫の肩に置くと少しだけ二人の呼吸が浅くなった気がした。そこで、少しだけどうやって座るんだろうっと考え込んでいる彼女に、菫様は小首をかしげてみせて、早くおいでよと笑った。悩んだ美琴たんはゆっくりと彼女の上に乗る。三人しかいない保健室。ギィっとパイプイスの音が鳴り響く。その、鳴らないように、でも鳴ってしまった音が、なんだか悪いことをしているみたいだった。美琴は覆いかぶさるように菫の上にまたがる。身体が重なって視線が重なると自然と二人は笑った。

 絡み合う太ももが、もたれ掛かる身体が、形を変える双丘が、触れそうな唇が、もう堪らん。


「ねーちょっと、大丈夫?重くない・・?」

「え、わかんない。」

「ねぇーっ!」


 くぅぅぅぅぅぅっ!!!!生きててよかったっ!

 素晴らしいっ!素晴らしいっ!!!素晴らしいっ!!!イッツグレイトォォ!!!

 あーほんとあぁ、尊い・・・・・尊みが深い・・・神様ほんとにありがとう。僕死にかけてよかったですっ!!


「こんな近かったら赤くもなるよ!!」

「確かにっ」


 二人は笑っていた。僕も笑った。それはやっぱり尊かった。僕を幸せにするのには充分な大きさだった。

 女の子は素晴らしい。僕は今日も捧げようこの想いを百合豚たちに。



「倉敷くーん起きたー?帰ろー」


 シマチャンだ。


 二人の天使はじゃあ私たちも帰るねっと手を振る最後に一言。

 「かっこよかったぞ」と僕は称賛の言葉をいただいた。あと白目も。

 今日はいい1日だった。君の瞳に乾杯♪


「倉敷くん墨田ゴリミちゃんが話があるって」

「え”っ”」


 なんだろう。僕何かしたかな・・・・。

 そして墨田ゴリミは言った。


「スカート返して」
























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