恋愛下手な男性の皆さーん。恋愛女将のお宿へどうぞ!
僕の名前は 『トオル』 彼女いない歴22年。
どうしても彼女が欲しい僕はこのバスツアーに参加した。
殺し文句のように、このバスツアーのチラシには......。
『恋愛が奥手な男性が物凄くモテる男に変身させてあ.げ.る!』
...と書かれていて、迷わずツアーに参加したのだ。
僕が言うのもオカシイ話なのだけど......。
僕以外の男性も多くいて見るからにモテなさそうな男ばかりだ。
そしてそんな僕たちを乗せたバスは、5時間かけて山奥にある
お宿についた。
そしてなんと!? 僕たちを迎えてくれたのは、なんて綺麗な女性なのだろう。
聞けば...? ここの女将と言うではないか!?
歳は20代後半ぐらいに見える、長くてサラサラとした黒髪を靡かせて可憐で
上品な振る舞いに話し方、全てが綺麗な女性に見えた。
僕はうっとりしていた。
そして女将から僕たちに最初に言った言葉は......?
『いらっしゃいませ~『ようこそ恋愛旅館へ』 ゆっくり時間をかけてイイ男に
なって帰ってくださいねぇ~』
もうみんな女将にメロメロなのだが、そこで働いている仲居さんも綺麗な女性
が多く働いていた。
ここはなんていいところなのだろう。
着いたその日から、僕たちのこのツアーが始まっていた。
女将は前もって渡されていた僕たちのプロフィールを1人、1人覚えていて
僕たちを下の名前で呼んできた。
僕の事も、『トオル』 といきなり呼び捨てで物凄く嬉しい。
お母さん以外の女性に下の名前で呼ばれたことがなかったから少し興奮した。
あんなに綺麗な女性に 『トオル』って呼ばれるだけでデレデレするでしょ?
だけど、他の奴らもみんな一緒みたいだった。
そりゃ~そうだと思っているけど...? 綺麗な女性に特別扱いされることは
最高に嬉しいことであり夢でもある!
それから、僕と同じ相部屋になった 『和人』と仲良くなった。
凄く歳も近くて、僕と気が合った。
夜は大広間でみんなでご飯を食べた。
流石、旅館の料理は豪勢な料理ばかりでどれも美味しかった。
それに、女将や仲居さんたちが僕たちにお酒を注いでくれて
女将の少し開けた着物姿や仲居さんの生足が色っぽくて目が
ついつい、そこばかり見てしまう。
お酒も入っているからみんな上機嫌になっていたが、中には
嫌がる仲居さんに抱き着いたりするモノがいて、【マナー違反】と
いう事で、黒服の大男が出て来て連れ出されていた......。
そんなような薄っすら曖昧な記憶だけが残っている。
僕も和人も朝、起きると......?
自分たちの部屋で寝ていた。
朝、集合時間になって集まると......?
なんだか? 人数が減っているような気がする。
そうすると...? 女将が出て来て僕たちに昨日の夜の事を説明し始めた。
『皆さーん! おはようございます! 少し人数が減っていますが
【マナー違反】を犯したので、その方々は昨日のうちにお家に帰って頂きました。
イイ男になるのも大変なものなのですよ~さあさあ! 今日も頑張りましょう』
僕と和人はお互いの顔を見て、『そうか!』『そうなんだって~』
...と軽く受け止めていた。
◆▽◆
でも、その夜もまた大広間でみんなでご飯を食べていると......?
お酒を女将や仲居さんたちが僕たちに注いでくれて、僕たちはべろんべろんに
お酒に飲まれながら、かなり酔っていた。
既に二日酔いにもなっていたけど...? それでも今日も楽しくお酒を飲んだ。
どうしても、男は酔うと......? 可愛い女の子に抱き着きたくなるのか?
何人かは、また【マナー違反】を犯している。
その中に、薄っすらと和人もいたのが見えたけど......?
僕は相当お酒が入っていてそこからの記憶が全く憶えていない!
◇▼◇
そして次の日の朝起きると......? 僕だけが部屋で寝ていた。
『あれ? 和人がいない!?』
朝、集合時間で集まると......? もうほとんど残っていない。
そこに女将が現れて、また僕たちに話した。
『昨日もまた、【マナー違反】を犯した方々がいたので、お家に
帰って頂きました。さあさあ! 今日でバスツアーは終わりです。
最後まで楽しんでいきましょう!』
...と言われても? 僕は和人が昨日のうちに家に帰ったと思えなかった。
何故なら? 僕たちは【二人で約束】したからだ!
絶対にどんな事があっても、バスツアーが終わるまでは帰らないと......?
それなのに......勝手に家に帰るなんて! 有り得ない!!!
僕は旅館の近くを探す事にした。
捕まっていると考えたくなかったが、あきらかにおかしい。
何処かにいないかと...? 探していたら? まさか!? 女将と1人の仲居さん
が話しているところを僕は聞いてしまった。
『あのモノ達をどうしますか? 女将。』
『そうねぇ~ 明日にでもブタにしてしまいましょう!』
『はい、そうですね~』
『みんな食べられるといいわ~ おほほほほっ~~~~』
『女将! かしこまりました。』
...なんて怖い話なんだ。
でも、まだブタにされていないのかな?
何処かに必ずいるはずだと思い、数時間探すと......?
やっと見つけた! 地下にある小さな部屋にみんな捕まっていました。
みんなぐったりとしていましたが、僕が話しかけると......?
和人が僕に答えました。
『トオル、助けてくれ~ 殺される!』
『わかってる、直ぐに助けるよ~! だから待ってろ!』
...と言った後、僕は女将に見つかり僕も捕まりました。
そして、僕たちはみんなブタに替えられていろんな場所へ家畜や養豚場に
振り分けられて、僕たちはみんなのお腹の中に料理と言う形で食べられて
しまいました。
これが、このバスツアー 『恋愛旅館』の目的でした。
恐ろしや~ おしまい。
最後までお読みいただきありがとうございました。