プロローグ
むかしむかしあるところに、とても平和な世界がありました。
その世界では、神族、魔族、獣族、霊族、龍族の五つの種族と、それを治める双子の女神様が、互いに助け合って楽しく暮らしていました。
しかしある時、双子の女神の妹、終末の女神が配下のモンスターという生物を使い、神族を滅ぼしてしまったのです。
それに怒った双子の女神の姉、原初の女神が配下の天使という生物や、残った四つの部族とともに終末の女神と戦いました。
激戦の末、原初の女神は終末の女神を封印することに成功します。しかし、そのせいでほとんどの力を失ってしまい、最後に神族の代わりとなる人族という種族を残して永き眠りに着きました。
その内、四つの種族と人族たちは昔のように仲良く暮らすことが出来なくなっていきます。五つの種族は他種族とあまり関わらないようになり、龍族は時の流れとともに竜族へと退化してしまいました。
原初の女神の眷属である天使は一部が堕天し、悪魔となり果ててしまっています。
しかし、散らばってしまった五つの部族と天使と悪魔でも、終末の女神の眷属のモンスターは共通の敵として共に戦っていました。モンスターは終末の女神がいなければそこまで強くはないので、危機が訪れることは無く、他の種族と仲が悪くとも平和でした。
ですが、そう簡単に永遠の平和は手に入らないのです。終末の女神は復活し、再び戦いの時は訪れます。
今度は原初の女神はいません。今度こそ世界が崩壊してしまうかと思われた時、彼女は現れます。
第三の、運命の女神です。運命の女神は十二の家臣を従えて、その戦いに決着を付けます。
こうして『世界』は再び一つに纏まり、真の平和が訪れたのでした。
著 ――