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白眼の槍使い  作者: 陰月
幼少期編
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白眼の能力

あれから家に帰る間違和感は全くと言っていいほどなかった。そのため、トウコクはさっきあった事が嘘なんじゃないかと思っていた。そんなことを考えていると家に着いた。


「ただいま」


トウコクはそう言って家に入った。


「随分と遅かったね。どこいって...たって何だその目は!?」

「目?」

「気づいてないのかよ。これ見ろよ」


ファナはそう言って手鏡をトウコクに渡した。


「どれどれ、な、何だこれ〜」


トウコクはそれを見た瞬間そう叫んだ。何故なら、トウコクの目は真っ黒から真っ白に変化していたのだ。しかもその目の色は自分の髪の色と全く同じだった。


「その様子を見るに見えないって訳じゃなさそうだな。」

「うん、普通に見える」


そう言いながらトウコクは確信した。あのリーパーとの出会いを。契約の代償に目を差し出し、その結果真っ白になった目を。全てが真実だったことを。


「あれは夢じゃなかったのか。」


トウコクは無意識にそう呟いていた。だが、その呟きはファナの耳まで届いていたらしく、問い詰められた。


「夢?何の話かな?私に話してみようか。」

「何のことでしょう?」


トウコクは無意識に呟いていたのでその言葉の意味が分からなかった。が、ファナが追撃した。


「その目のことだよ。さっき「あれは夢じゃなかったのか。」って声に出てたよ。」

「マジですか。」

「マジよ」


そう言われて覚悟を決めてファナに今日あったことを話し始めた。


「昼間、家を出てから森に入って槍を召喚した。その後、槍に魔力を流せないか試していて数時間が立っていた。」

「ちょっと待って武器に魔力流そうとしたの?」

「はい」

「それで出来たの?」

「出来ましたけど。」

「そんな訳ない。武器に魔力を流すことはその武器の魔力を感じなければならないのよ。それはどんなすごい魔術師でも出来なかったことなのよ。」

「流そうとした時に反発されたような感じがあったのはそれなんですね。」

「そんなことも分かったの。もういいわ。それは今度見せてもらいましょう。で、話の続きは?」

「はい。流すのに成功した時には魔力が枯渇しかけてまして、倒れそうになったんです。その後、光る物体が見えて気絶しました。そして、目がされると真っ暗な世界でして、そこに自称精霊より上位の存在の精霊みたいな生き物にあったんです。」

「精霊より上位の存在ですって!?そんなのどの文献にも載ってなかったわ。もしかしたら、悪魔かしら?」

「それは分かりませんが代償を求められたので目を差し出しました。」

「分かったわ。それは完全に悪魔よ。悪魔の代償で目を差し出して失明しなかったのは奇跡ね。そう言えば、その悪魔はなんていう名前だったの?」

「確か、リーパーって言ってました。」

「リーパーって悪魔トップの名前じゃない!?」

「へぇー、そうなんですか。」

「トウコクは全く動じてないわね。」

「それは、まあ、向こうから契約したいって言ってきたので怖いイメージは全くなかったですね。」

「向こうから言ってきたですって。もう、よく分からないわ。」

「ですよね」

「だから、この話はここでおしまい。ご飯にしましょ。」


ファナはそう言ってテーブルの方に移動した。トウコクもその後ろを付いていきながら能力を意識した。すると、ファナの中に流れる魔力がはっきりと見えた。それは全身を満遍なく包むものだった。


(この状態を維持するなんて制御が難しすぎる。)


トウコクは内心そんなことを思いながら席についた。その後、夜ご飯を食べて部屋に戻った。


「よし、実験してみよ。魔力が見えたのは分かったから次は時間停止かな。」


トウコクはそう言って近くにあった枕を上に投げて、時間停止の能力を使った。すると、世界全体か止まった。が、この能力を使うと異様に目が乾く。そして、トウコクはほんの1秒程度で瞬きをしてしまい、世界が動き出した。


「なるほど、世界は止まるがその分目が乾くと。あんまり使い所ないんじゃないか?」


トウコクはこの時その能力をそんなふうに評価していた。


「じゃあ、最後の未来予知的な能力だな。」


トウコクは弾力性のあるボールを魔力で作り出し投げた。その後、能力を意識した。すると、そのボールが次にどんな感じて跳ね返るのかが見えた。そして、そのボールは跳ね返って自分の顔面に帰ってくるのがわかった。その瞬間、トウコクは体をずらしてそのボールの軌道から外れて、能力の発動をやめた。すると、さっきまで自分の顔があったところをボールが通り過ぎていった。


「本当に通り過ぎていったな。この能力は使えるな。」


トウコクはそう言ってベットに横になった。そして、目に疲れを感じながらゆっくりと眠りについたのだった。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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