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白眼の槍使い  作者: 陰月
迷宮編
79/94

最古の迷宮 5層

迷宮編はこの話で最後です。

よろしくお願いします。

トウコクは神龍の甘噛みで目を覚ました。


「なんだ!?」


トウコクは目を覚ますと目の前が赤黒く視界がよくなかったので驚いて、体が少しはねた。


「ああ、すみません。今、離しますね」


トウコクの頭は頭の上から聞こえてきた声の通りすぐに解放された。


「トウコク、あなたは合格です。この階層の下の階層に行く権利を与えます。」


神龍がそういうとトウコクを真っ白な光が包み込み数秒すると消えた。


「トウコク、あなたはこれで下の階に行くことができますよ」

「分かりました。それでは、行かさせてもらいますね」

「はい。これからのこと頼みましたよ」

「はい」


トウコクは神龍に答えると、下の階に行くために階段を降り始めた。


「階段長いな」


トウコクは何段あるかわからない階段を下りながら、弱音を吐いた。それから、どれぐらいの時間の間、階段を下りただろうか。とうとう、トウコクは階段の終わりにたどり着いた。そして、たどり着いた先には横開きに開きそうな扉があったが、手で開けられるような扉ではなかった。


「どうしたら開くんだろうな?でも、神龍は通れるって言ってたしな」


トウコクがおもむろに扉に近づくとトウコクの体が白く光り、地響きを起こしながら扉が開いていく。


「なるほど、神龍に認められて、あの白い光をもらうことで扉の鍵になっているのか」


トウコクは開いた扉の中に足を踏み入れた。その部屋は、これまでの部屋の中で一番小さく、何もない部屋だった。


「あれはなんだ?」


トウコクは部屋の真ん中に置いてある、球体を見ていた。そして、トウコクはその球体に手を触れた。すると、球体は白い光が視界全体を覆うほどの光を放出した。


「なんだ!?」


トウコクは、自分の顔を押さえ、目を閉じた。そして、光が収まってからトウコクは手をどけて、目を開けた。すると、そこには、白い光でできているような真っ白に輝く女性が立っていた。


「私は女神イルナ。戦の女神にして、この世界の邪神と言われている者を殺す役目を持つ女神である」

「そうなんですか。でも、なんでこんな迷宮の中にいたんですか?」

「それは、この迷宮ができる前のこと、私はこの世界の邪神を殺すために送られてきました。そして、私は邪神を討伐することに成功したはずでした。ですが、邪神はこの世界の魔族領の中心に迷宮を作り、そこに身を隠したのです。私は、そのことに神界に変える前に気づきました。しかし、私はこの世界では異質の存在です。なので、私も邪神がこの世界で復活するまで迷宮を作り、その中で待ちました。」

「ならなんで、俺たちが勇者としてこの世界に召喚されるようなことになったんだ。」

「それなんですが、この迷宮は誰かの力によって周りの魔力を感じさせない結界に囲まれてしまいました。そこで、私は神界に連絡を取り、最高神様に事情を説明して、邪神が現れたら使いを送ってもらうことにしたのです。多分それが勇者だと思います」

「その話だと、なんで最高神様に結界を壊してもらわなかったんだ?」

「最高神様は全ての世界への干渉権を持っていますが直接的に世界に関わることが禁止されているんです」

「なるほどな。で、僕が、今回、神様の使いとして選ばれたわけですね」

「多分そうだと思います。でも、最高神様は高校生ぐらいの奴を寄越すとおっしゃっていたのですが、あなたは明らかに中学生ぐらいですよね?」

「前世は高校生でしたよ。転生しました」

「そういうことですか。分かりました。」

「それよりも、イルナ様はこれからどうするんですか?」

「え?聞いてないんですか?」

「はい」

「そうですか。それでは説明しますね。あなたには私と神格契約をしていただきたいと思います。まあ、簡単に言いますと私を体に取り込んで邪神に抵抗できる力を付けてもらうことが目的です」

「はぁ、その契約は悪魔との完全契約と何が違うんですか?」

「全然違いますけど、なんでそんなことを聞いてくるんですか?」

「リーパー」


トウコクは契約している悪魔の名前を呼ぶと、リーパーは何もないところから急に出てきた。


「イルナ様、こいつが俺が今契約している悪魔のリーパーです」

「な、な、な!?なんで、こんなところに私よりも上位に位置する神様がいるんですか!?」

「え、そうなの?リーパー」

「はい。私はこの世界の最高神様に作られたトウコク様の使い魔リーパーです。」

「まあ、リーパーならなんでもありだろ」


トウコクは諦めたようにそう呟き、女神イルナの方に向き直った。女神イルナは信じられないようなものを見たように口を開けたまま固まっていた。


「大丈夫ですか?イルナ様」

「は!大丈夫です。お恥ずかしいところを見せました」

「それで、話を戻しますけど契約の方はリーパー解いてても大丈夫なんですか?」

「はい、リーパー様と神格契約をしていないのでしたら問題なく出来ると思います」

「大丈夫ですよ。私とトウコク様は悪魔の契約に乗っ取り完全契約をしていますからあなたとの契約も問題ありません」

「ありがとうございます」

「じゃあ、早くしましょうか」

「分かりました。それでは、やりましょう」


女神イルナはトウコクの頭に手を当て、詠唱を始めた。


「『我は最高神アテナ様の眷属イルナ、我が身を汝に与えん。』」


女神イルナがそう言うと、女神イルナの体が白く光、トウコクの体の中に入っていく。


「私と神格契約したのですが、どうですかトウコク?」


女神イルナの声がトウコクの前に現れてそう聞いた。


「体の中から力が湧いてくるようだ。だけど、何か変な感じだな」

「その感覚は私があなたの体の中に入ったからでしょう。でも、すぐになれるでしょう。あと、中で暴れるようなこともしないので気にしないでください」

「分かったよ」


トウコクは女神イルナを体の中に入れ、身体能力が上がったことに喜びを感じ、ダンジョンをあとにした。



トウコクは来た時にかかった時間よりも早く家に帰った。そして、トウコクが家に着いたと同時刻に帝国にて勇者が召喚されていた。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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