救われた女性
トウコクが神のレプリカと戦闘していた頃まで遡る。
ガバァ
冒険者ギルドの医務室で布団から勢いよく体を起こす女性がいた。
「やめて、まだ死にたくない!」
女性はまだ混乱しているのか襲われていると勘違いし、そんなことをくちにした。
「静かにしてくださいね」
女性は医務室に常駐しているとギルドの職員にそう咎められた。
「あれ?私生きてる?なんで??」
女性は助けられたことを覚えてなかったため不思議がっていた。
コンコンコン
女性が不思議がっていると医務室の扉がノックされた。
「どうぞ」
職員がそのノックに対して許可を出すと医務室の扉が開かれた。
「あのバカは起きた?」
入ってきた職員と同じ服を着た女性が不躾にもそう言いながら入ってきた。
「起きたよ。ほら」
医務室の職員は女性のことを指差しながらそう言った。すると、入ってきた職員が女性の近くまで行き抱きしめた。
「バカ、あなたが運ばれてきたって聞いてどれほど心配したか分かってるの!?」
「ごめんなさい。でも、運ばれてきたって?」
すごい勢いで怒られた女性はすぐにに謝ったが運ばれてきたと言われて不思議に思い聞き返したのだった。
「何も覚えてないの?」
そう聞かれた女性がコクンと首を縦に動かし頷いた。
「じゃあ、教えてあげる。あなたは私の忠告も聞かずに中級迷宮に挑んだ。そして、魔物の十数体に襲われて気絶した。ここまで大丈夫?」
「うん」
「そして、あなたはたまたまそこを通りかかったS rank冒険者に助けられてここまで運ばれてきたの」
「え?S rank冒険者なんてこの国にいたの?」
「いないわよ。多分、旅の人でしょう。あの人のギルドカード見た時は驚いたわ」
「まあ、それはいいわ。それで、その人は何処にいるの?」
「確か、上級迷宮に行くって言ってあなたを置いてすぐにギルドを出て行ったらしいわ」
「そう、じゃあ、そのうち会えるかしら?」
「多分ね。それに、もう大丈夫そうだから私も仕事に戻るわ。あと、今日はもう迷宮に言ったらダメだからね」
「分かってるわよ」
最後に女性に釘を指して医務室を出ていった職員を見送ってから女性もベッドから降りた。
「それじゃあ、私も行くわ。ありがとね」
女性は医務室にいた職員にそう言って医務室を後にした。そして、女性は家に帰った。
次の日の朝、女性はギルドに顔を出していた。
「私を助けてくれた人は来たかしら?」
「まだ来るわけありませんよ。昨日、あなたを助けてから上級迷宮に潜りに行ったんですよ。1日ぐらいじゃ返ってこないですよ」
「それもそうね」
女性が受付の女性と話しているとおもむろに扉が開いた。そして、少年と少女、そして、女性が入ってきた。3人は女性の隣の受付の男性に話しかけた。
「すみません。素材の売却がしたいのですが」
「すみません。冒険者様以外の素材は買取していません」
「ああ、先にこれを見せるべきだったか」
少年は小声でそう言って自分のギルドカードを男性に見せた。
「これは冒険者様でしたか。ご無礼をお許しください。それで、素材はどちらにございますか?」
「ここでは出せないものが多いからどこか出せる場所とギルドマスターかサブギルドマスターのどちらかを連れてきてくれ」
「わかりました。少々お待ちを」
職員の男性が奥に消えていくのを見送ってから少年は少し困った表情になった。そして、女性は話しかける決意をした。
「あの、すみません」
「はい、なんですか?」
少年は少し苛立ちを含んだ声で返してきた。
「私を助けた人を知りませんか?昨日の中級迷宮の中で助けてもらったんですけど。判断材料がS rankの冒険者ってことしかわからなくて」
「あなたがそうなんですね。助けたのは僕ですよ」
「え?あなたが助けてくださったんですか?」
「はい。あの状況では見過ごせなかったもので。迷惑でしたか?」
「滅相もございません。助けていただいて本当に感謝しています。ありがとうございます。」
「いえいえ。あまり気にせずに。それと、今度からは自分に合った迷宮に潜ってください今度は死にますよ」
「ご忠告感謝します」
そう言った時にさっきの男性が帰ってきて、少年たちはギルドの奥に消えていった。
「お礼は言えたから大丈夫かな」
女性は誰にも聞かれることなくギルドを後にしたのだった。
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