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白眼の槍使い  作者: 陰月
幼少期編
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同年代の知り合い

「ねぇ、ファナ。あれって結構やばくない?」

「ああ、やばいだろうな。」


ファナはそんなことを言ったがなかなか動かない。動くのを待っていると、ファナが口を開いた。


「あの馬車の紋章見たことあると思ったらこの国の公爵の馬車じゃねーか」

「え?公爵!?それ、後々めんどくさくなりそうじゃん。」

「まあ、助けるしかないよな」

「ですよねー。 ギアアップ」

「風よこの身に。ウインドアーマー」


トウコクはギアアップをファナは風魔法を使い馬車に近づいていく。トウコク達が行動に移してから数秒後トウコク達は既に馬車の前に立っていた。


「大丈夫ですか?」


馬車の前についたトウコクは外からそう尋ねた。


「大丈夫じゃないですよ。盗賊に囲まれてるんだから。このままじゃ死んじゃうじゃない。まだ死にたくないよ。」


最後の方は掠れてよく聞き取れなかったがトウコクは最初だけ聞けたら十分だった。


「ファナ、ここは俺にやらせてくれ。」

「まあ、いいわ。今日教えたことでどこまで出来るかしら。殺られそうになったら助けに入るからね。」

「分かりました。」


トウコクは頷いてから盗賊の方を見た。


「さあ、やろう。」


トウコクはやる気を入れた。


「使えるかどうかわからないけどやってみよ。『我が召喚に応じし伝説の槍よ今ここに顕現せよ。ロンギヌス』」


トウコクは頭に浮かんだ詠唱を口にした。すると、トウコクの腕の中に長さ1m50cm程の真っ赤な槍が存在していた。


「トウコク、後でゆっくり聞かしてもらうからね」


後ろからそんな声が聞こえて、トウコクは「ファナの前で見せなければよかった。」と、後悔した。


「まあ、なるようになるか」


トウコクはそう呟いてロンギヌスを下段に構えた。その槍は見とれるほど綺麗な赤だった、


「て、見とれてる場合じゃないな。」


トウコクは気持ちを切り替えて盗賊の方を向いた。


「じゃあ、行くか。 加速」


トウコクが言った加速とは、魔法ではなく、自分の魔力循環を早くしただけである。が、そのおかげで風魔法にも勝るとも劣らないスピードが出る。


「ウインドアーマー」


すると、盗賊も魔法で身体能力を高めた。が、魔力量が桁違いなのか全く相手にならない。トウコクはロンギヌスの刃のついてない部分で盗賊を殴って気絶させていく。


「流石に殺せるほど大人じゃない」


トウコクはこんな動きをしているが一応5歳児である。トウコクが動き出してから数分で盗賊は片付いた。トウコクは片付けたあとファナが出した縄で盗賊を縛り上げた。


「終わりましたよ」

「本当ですか!」


そう言うと中から10歳前後の女の子が顔を出した。


「わぁ、本当に終わってる」


女の子はそう言うと中から出てきた。その後に続いて背の高い男の人とその人より少し背の低い女の人とトウコクと同じくらいの背の女の子が出てきた。


「助けていただきありがとうございます。私はこの国の公爵のリーグ・ログ・キリングだ。」

「妻のティア・ログ・キリングです。」

「長女のリア・ログ・キリングです。」

「次女のフィア・ログ・キリングです。」

「丁寧にありがとうございます。僕はトウコクです。」

「どうも、ファナです。」


トウコクは公爵に対してのファナのこの態度はどうなのかと思ったが大丈夫のようだった。


「もしかして、あのファナさんですか?」

「どのファナがいるのか知らんが。一応王国最強と言われている。」

「お会い出来て光栄です。」


ファナが公爵と握手している。しかも、公爵が頭を下げて。


「ちなみにこちらのお子さんはどうしたのですか?」

「捨て子みたいでな、拾ったので育てている。」

「お幾つですか?」

「先日、5歳になったばかりだな。」

「それはそれは、フィアと同じ年でしたか。」

「そうなのか。良かったな、トウコク。同年代の知り合いが出来たじゃないか。」

「恐れ多いですよ。」


トウコクはファナにそう言われて、体の前で両手を振ってそう言った。


「それと、この盗賊はファナさんが対処してくれたんですか?」

「いや、私は何もしてない。全部、トウコクが1人でやってのけた。しかも、盗賊は1人も死んでいない。」

「それはすごいですね。5歳でそこまでお強いとは。」

「まあ、そういうことだ。私達は先を急ぐので失礼する。」


ファナがそう言って街の方へ歩いていく。トウコクは公爵達に頭を下げてからファナを追いかけた。

「良かったんですか?」

「何が?」

「公爵との会話を切り上げて。」

「よかったも何も、あのまま、話してたらあの次女と婚約ぐらいは結ばされてたかもな。」

「それは嫌ですね。確かに可愛いですが、僕は彼女のことを何も知らないので。」

「だろ。しかも、私の弟子を私と繋がることだけに使われたくないからな。」

「そうですか。まあ、ありがとうございます。」


トウコクはそのことを聞かされてお礼を言った。


「それとな、これから街に行く予定な、無くなった。」

「へ?どういう事ですか?」

「いや、魔法が使えないから、武器で補ってやろうと思って街に来たんだがな。さっき、自分で槍出してたじゃん。だが、予定が無くなった。それと、家に帰ったらさっきの事話せよ。」

「分かりました。」


トウコクは説明は避けられないと高を括っていた。


「まあ、一応武器屋には行ってみるか。」

「はい」


トウコクとファナがそんなことを話していると街に着いた。この街は検問などは無くすんなりと入れた。そして、トウコク達は武器屋に行った。


「いらっしゃいませ」


店に入るとカウンターに1人の男性がいた。


「今日はなんの御用ですか?」

「見に来ただけだから気にするな。」

「そうですか。」


ファナは店員にそう言って、中の武器を物色し始めた。


「トウコク、これとか使いやすそうじゃない?」

「どれですか?」


ファナがトウコクに見せたのは少し長めの短剣だった。だが、トウコクはそれを勧めてくる意味がわからなかった。


「その短剣がどうしたんですか?」

「いや、投げるとか、解体とかに使えるだろ?」

「解体ですか。確かに解体用の短剣は持っててもいいかもしれませんね。」


トウコクはそう言ってその短剣をファナが受け取った。


「確かにいい短剣ですね。これは解体用には十分ですね。」

「そうか、それならこれを買おう。」


トウコクとファナの会話に店員は驚いていた。何故なら会話からして小さな子供が短剣を使うということと、店に置いてある短剣の中で1番出来のいいものを解体用に買うということに驚いていた。


「店員さん、これください」

「...はい、分かりました。」


店員は少し間が相手から返事した。


「えっと、金貨一枚になります。」

「これ、そんなに高かったのか。」


ファナは心にもないことをその場でいいながら懐から金貨を出した。


「ありがとうございました。」


店員にそう言われながら店を出た。


「じゃあ、帰るか。」

「うん」


トウコクとファナは短剣を買って、直ぐに帰路に付いたのだった。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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