魔剣を従わせる
「グアァァァァァァァァァ」
魔剣を持ったトウコクは気が狂ったように叫んだ。
「大丈夫ですか?トウコク君」
エリシアはトウコクにそう問いかけるが返事は帰ってこなかった。
「クックック、次の持ち主は主か。だが、抵抗するな。そして、我に使われろ」
「嫌だね。僕は育ての親を助けるためにお前を僕が従わせる!!」
「我が従わせる」
「僕が従わせる!」
魔剣はその後一切喋ることはなかった。だが、魔剣は確実にトウコクの魔力を吸っていく。しかも、吸うたびに折れた魔剣が修復されていく。
「なんだ、この感覚は?」
トウコクは魔剣に魔力を吸われている感覚は初めてだった。だが、トウコクの魔力量が膨大なので吸われている感覚が少ないみたいだった。
「なんで、魔剣が修復してくんだ?」
トウコクがその感覚があった時から、魔剣がだんだん修復していく。
「そういえば、この感覚は魔法を使った時に似ている。」
トウコクは魔剣がほとんど修復した時になってようやく分かった。
「じゃあ、これでどうだ」
トウコクは自分の魔力制御を最大限利用して魔力に殆どの魔力を流した。
「辞めろ。まだ、死にたくない。」
魔剣は初めて、弱音を吐いた。だが、トウコクは魔力を流すことを止めなかった。
「本当にやめてくれ。死ぬ死ぬ死ぬ。従うから辞めてくれ!!」
トウコクはそう言われて、魔力を流すのを止めた。
「飲み込まれろ」
流すのをやめた瞬間魔剣はトウコクを乗っ取ろうと黒い魔力を出した。
「分かってたよ」
トウコクは優しいようで力強い声でそう言い切った。そして、黒い魔力に飲み込まれる前に魔力を、また、流し始めた。しかも、さっきよりも早い感覚で。
「もう無理」
魔剣は放出する魔力よりもトウコクによっては供給される魔力の方が多かったので、魔剣は魔力を放出することが出来なくなり大人しくなった。
「リーパー」
トウコクは魔剣が大人しくなってから、リーパーを呼んだ。
「何でしょう?」
「これはどういう状況だ?」
「はい、この状況は魔剣が過剰な魔力供給によって、人間でいう気絶の状態に陥ってますね。」
「起きたら、従うかな?」
「難しいでしょうね。私は、今ここで契約するのがいいかと思います。」
「分かった」
トウコクは魔剣を従わせるために契約することにした。
「で、どうやってするんだ?」
「はい。魔力は既に回っているので、あとは名前をつけたら完了ですね。」
「分かった。じゃあ、名前は『レーヴァ』だな」
トウコクが名前を付けると、魔剣が黒く輝き、持ち手の近くの刀身にレーヴァと名前が刻まれた。それから、直ぐにレーヴァが目を覚ました。
「あらあら、我は契約されてしまったか。」
レーヴァは諦めたようにそう言った。
「ああ、僕の名前はトウコク。これからお前の名前はレーヴァ。そして、僕の剣だ。ただ、僕は剣よりも槍の方が得意なんだ。」
「そうか、我の名前はレーヴァか。それで、契約者はトウコクですか。それと、我は魔力さえ頂ければ、我の能力で我の分身を自由自在に操ることが出来るから、その辺は大丈夫だ。」
「それは良かった。あと、これから1つ仕事があるんだ。」
「ほう。それはなんだ?」
「レーヴァが施した呪いを解いて欲しいんだ。」
「それぐらいならお安い御用だ」
「じゃあ、頼むよ」
「分かった」
「よし、エリシア帰ろうか」
「はい」
トウコクとエリシアは魔剣を従わせてから、帰路についた。
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