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白眼の槍使い  作者: 陰月
学校編
36/94

奇跡

トウコクは真っ暗な空間でリーパーと対峙していた。


「なあ、リーパー。エリシアを救う方法は無いのか?」

「あるにはあるんですが、あまりオススメしませんよ?」

「それでもだ。エリシアを助けられるなら僕は死んだっていい。」

「いや、あなた様が死んでしまったらエリシア様は後を追うでしょうに...」

「ん?なんか言ったか?」


トウコクはリーパーが小声で言った言葉は聞こえなかったようでリーパーに聞き返した。


「いえ、何でありません」


リーパーはそれを受け流した。


「それで、どうしたら助けられんだ?」

「私とトウコク様が行った完全契約の下位互換をトウコク様とエリシア様で行えばいいのです。しかし、それをしますと、エリシア様も戦いに一度でも負けると死んでしまいます。魔法はそのまま使えますけど。あと、離れれば離れるほどダメージを喰らいますので気おつけてください。」

「分かった。それに、それは俺だけじゃ決められないな。でも、エリシアは今も昏睡状態だし。」

「いえ、エリシア様ならさっき、意識が戻りましたよ。ですけど、そのうち出血多量で死にますけど」

「じゃあ、戻って意思を確認してから、契約する」

「分かりました。私は直接、詠唱を脳に教えますね。」

「頼む」


トウコクは足早にその空間から姿を消した。



「エリシア、大丈夫か!?」

「もう無理そうです」

「もしかしたら、助かるかもしれないぞ!」

「本当ですか?」

「本当だ。だけど、それをすると、戦いに負けると死ぬし、僕から離れると激痛が走るらしいけど、それでもいいのか?」

「はい」


エリシアは全く元気の無い声で肯定した。


「分かった。でも、辛かったら言えよ」

「分かりました」

「じゃあ、始めるぞ」


トウコクはそれだけ言って、詠唱を始めた。


「『汝、我と契約をなし、我にすべてを捧げ、人生を共に行くことを誓え。』」

「『誓う』」

「『汝、エリシア・オーラルは我の契約者なり』」


トウコクが詠唱を終えると、エリシアの身体を白い光が包み込んだ。そして、その光が収まると、そこには傷一つないエリシアの姿があった。


「大丈夫そうか?」

「はい!」


トウコクの質問にエリシアは笑顔で答えた。


「エリシア、ステータスを見てくれ」

「分かりました」


エリシアは少し疑問に思いながら、自分のステータスを確認した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エリシア・オーラル

年齢 10 性別 女

契約者 トウコク・シロガネ


能力

風魔法

雷魔法

空間魔法

契約の呪い

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エリシアのステータスには契約者の文字と、契約の呪いが増えていた。そして、エリシアのステータスにはLv.の概念が無かった。


「俺のステータスとだいぶ違うけど大丈夫だろ。」

「え?私のステータスいつも通りだけど?」

「まあ、俺が特殊なだけだろうな」


トウコクとエリシアはそんな会話をしてから、気絶しているファナの元に近づいていく。


「ファナ、大丈夫かな?」

「目立った外傷は無いですから大丈夫じゃないでしょか?」

「それは良かった。でも、まあ、起きるまでは僕が運んでいくから、戻ろうか。」

「はい!」


そうして、トウコクはファナを背負って王都に向かって歩き出した。トウコクとエリシアは来た時の数倍の時間をかけて、王都に向かって、歩いていた。結局、ファナは王都に着くまで起きなかった。


「ギルドへの報告は明日にするか」

「そうですね。今日はもう疲れました」

「でも、明日って、学校だよな」

「そういえばそうでした。でしたら、帰ってきてから行きましょう」

「そうだな」


トウコクとエリシアはそんな会話をしてから、家の中に入った。そして、ファナを部屋につれて行き、別途に寝かした。そのあと、トウコクとエリシアも部屋に戻って、眠りについた。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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