初依頼
「あ、パーティ登録するの忘れてた。今からしてくるから、ギルドカード貸して。あと、門の前で待ってて」
トウコクとエリシアはファナにそう言われて、ギルドカードをファナに渡して門の方に歩き出した。そして、ファナはギルドの中に入っていった。
「門の前に着いたけど、ファナはまだかな?」
「まだ見たいですね。」
門に着いた、トウコクとエリシアは他愛も無い話をしてファナを待っていた。それから、数分待っているとファナがやって来た。
「はい、これギルドカード。」
帰ってきたギルドカードにはさっき見た時に書いてあった文字と新しく、ナッシングゼロと書いてあった。
「ファナ、このナッシングゼロってのはなんだ?」
「ああ、それはバーティ名だよ。意味は無って意味だ。」
「意味は別にいいんだが。まあ、これがパーティ名ってのは分かった。」
「カッコイイだろ?」
「ああ、そうだな」
「あんまりです」
トウコクは少し呆れながら、エリシアへ率直に思いを言った。すると、ファナは少し残念そうな顔をした。
「まあ、名前はいいとして。依頼をやりに行こうよ。」
「それもそうだな」
「はい」
トウコク達はそうして、門を出て目的の場所まで身体強化を使って移動した。
移動した場所は薄暗い森だった。そこまでは数十分で着いたが、トウコク達は森に入らずに森の外で止まっていた。
「この森から探すんですか?」
「そうだな」
「気味悪いですね」
トウコク達は全員で嫌そうな顔をしていた。
「なあ、トウコク。あの無属性魔法は使えないのか?」
「出来ないこともないですけど、ブラッドスパイダーの魔力が分からないので難しいですかね。」
「それは大丈夫だろ。この森で1番禍々しい魔力がそいつだろうから」
「そうですか。まあ、やってみますよ」
トウコクはそう言って薄く魔力を森の方に飛ばした。
「ソナー」
トウコクが使ったこの魔法は、魔力を薄く飛ばし、魔力に当たると戻ってくる。そして、相手の魔力量に比例して戻ってくる量が変わり、相手の力量が多少はわかる。
「いました。この森をまっすぐ行って、数百メートルです。」
「よし、行くか」
ブラッドスパイダーだと思われる、魔物を見つけたので、3人は身体強化をかけ直して、森を進んでいく。
「したよ。あいつで間違いない」
ファナはそう言いながら手でトウコクとエリシアを止めた。止まったトウコクは、白眼の能力で相手の魔力を見た。そのあと、鑑定を使った。
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ブラッドスパイダー rank C
表示できません
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「レベル上がった」
トウコクは鑑定を使った時に見える相手のステータスに討伐ランクが付いたことに気が付き、レベルが上がったと思い、そう呟いた。だが、エリシアとファナはその呟きに気づいていなかった。
「じゃあ、エリシア。あいつに魔法を打って。その後、トウコクが攻撃を。」
トウコクとエリシアは小さく頷いた。
「じゃあ、行くぞ」
「『雷よ。落ちろ、サンダー』」
エリシアが詠唱を終えるとブラッドスパイダーの頭上から雷が落ちてきた。不意に落ちてきた雷に反応できるはずもなく、ブラッドスパイダーに直撃した。そして、間髪入れずにトウコクがブラッドスパイダーに向かっていく。
「『来い。ゲイ・ボー』」
トウコクは槍を召喚して、突いたり、横薙ぎしたりする。そして、その傷は治ることはなく、深々とした傷がいくつも残っている。
シャアァァァァァァァァァァ
ブラッドスパイダーは鳴きながら、トウコクに向かって糸を吐いた。だが、身体強化を使っているトウコクに当たるわけもなく、トウコクは簡単に避けた。だが、避けた先にブラッドスパイダーの毒を纏った足が襲いかかってきた。
「魔力障壁・剛」
トウコクが展開した魔力障壁はエリシアの魔力障壁の倍以上の強度を持っていた。
ガキィン
ブラッドスパイダーの足はトウコクの魔力障壁によって弾かれた。
「もういいよ。じゃあね」
トウコクはそう言って、ブラッドスパイダーの首を落とした。
「お疲れ。こいつの討伐部位は足だな」
ファナがそう言うと、トウコクは短剣で足を落として、拾った。
「じゃあ、依頼完了だね」
「そうだな。帰ろうか」
3人は今回の依頼をあっさりと完了して、帰路についた。森の異変に全く気づかずに。
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