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白眼の槍使い  作者: 陰月
学校編
16/94

入学試験

入学試験当日。トウコクはいつも通りの時間に起きていた。そして、部屋を出ると隣の部屋のドアも開いた。


「おはよう、エリシア」

「おはよう、トウコク」


エリシアはまだ起きてすぐ見たいで頭が回っていないらしい。


「トウコクも緊張して早く起きたんですか?それとも、楽しみで?」

「いや、僕はいつもこの時間だよ。」

「トウコクは起きるの早いね」


エリシアは手で目を擦りながらフラフラしながら廊下を歩いていく。


(エリシア、あんなにフラフラで階段から落ちたりしないだろうな?)


トウコクがそんなことを思っていると、案の定、階段の1段目を踏み外した。だが、トウコクはそれを予期していたのか階段から落ちる前に手で助けた。


「危ねぇな。ちゃんと目を開けて歩けよ」

「ごめん。ありがとう」


そんな事があったが、2人は無事、階段を降りた。


「おはよう」

「おはようございます」

「ああ、おはよう」


トウコク達は挨拶だけして洗面所に顔を洗いに行った。そして、洗ってから帰ってきた。


「今日は朝稽古いいぞ。大事な試験だからな」

「そうですか。分かりました」

「はい」


トウコクとエリシアはそう言いながらも魔力循環はしていた。それから、トウコクは1時間ほど精神統一をしてから朝ご飯を食べた。

トウコクとエリシアは8時頃に家を出た。


「どんな試験なんだろな?」

「簡単だといいですね」

「そうだな」

「入れたら一緒のクラスがいいですね」

「確かにな」


トウコクとエリシアはそんな他愛もない話をしながら10分ほど歩くと学校に着いた。


「試験会場はどこだ?」

「何処でしょう」


トウコクとエリシアは試験の会場が書いてある紙を見ながら自分たちの会場を探していた。


「あ、ありましたよ」

「お、どこだ?」


エリシアの指さす場所は目の前にある本校舎の4階の端っこの部屋だった。


「よし、場所も分かったし移動するか」

「そうだね」


トウコクとエリシアは校舎に入り試験会場に移動した。


「ここだな」


2人は教室に入っていき試験を受ける席に着いた。そのまま、30分程待つと学校の教員が教室に入ってきた。


「じゃあ、テストの説明をするぞ。君たち魔術科の受験生は午前中に筆記テストと魔力量の測定。午後からは魔法を見せてもらう。」


教員は周りを見渡して受験生が理解したのを確認してからまた話し始めた。


「それじゃあ、これからテストを始める。用紙を配るから静かに後ろに回すように。」


教員はそれだけ言うと用紙を配り始めた。


「よし、全員に回ったな。それじゃあ、試験開始!」


教員のその言葉と共に試験が始り、受験者たちは一斉に問題を解き始めた。


(めちゃくちゃ簡単じゃないか)


トウコクは問題を解き終わってからそう思っていた。そして、前を向くとどうやらエリシアも終わったようで見直しをしていた。ちなみに問題は“火属性の初級魔法の詠唱と魔法陣を答えよ”この程度の問題とこの国の王様の名前やドラゴンを倒した英雄の名前などの問題から出来ていた。そして、トウコクも見直しをしていると試験時間が終わったみたいだった。


「そこまで!筆記用具を置いて、教員が回収するまで大人しくしていろ」


どうやらテスト時間は1時間ほどだった。と、そんなことを考えていると回収し終えていた。


「よし、全員分あるな。それじゃあ、このまま、魔力量の想定に入る。」


そう言って、教員が出したのはファナが持っていた水晶に似ていた。


「そうだな。右の列から順番にこの水晶に触れてくれ。」


教員に指名された列から順番に水晶に触っていった。触った受験生たちは、「俺、8500だったぜ」とか、「私、9000だった」とな口々に言っていた。


(聞いている限りじゃ、低くて5000、高くて10000ってとこか)


トウコクがそんなことを思っているとエリシアの番が来たみたいだった。そして、エリシアがその水晶に触れると水晶はピキッという音を立てたがどうにか測れたみたいだ。そして、その魔力量を見た教員が全員目を見開いていた。


「君が最後だよ」


教員にそう言われ、トウコクは水晶に触れた。


パリン


トウコクが水晶に触れた瞬間水晶が綺麗に割れて、破片が飛び散った。


「これはどういう事だ?今まで割れたことなんてなかったのに。古くなってたのかな?きみ、ちょっと待っててね。新しいの持ってくるから。」


教員は焦ったように教室から出ていき、すぐに戻ってきた。


「もう1回触ってくれる」


教員は水晶を机に置きながらそう言った。


「分かりました」


トウコクは教員が新しく持ってきた水晶に触れた。すると、一瞬だけ250000と表示され、また割れた。たが、その数字を目にした教員は「そんなわけない。」と、現実逃避をしていた。


「大丈夫ですか?」

「は!大丈夫です」


教員はすぐに正気を取り戻し、「もういいですよ」と、言ってきたので、トウコクは大人しく席に戻った。


「それじゃあ、ご飯を食べたらこの教室で待っていてください。試験が始まったら迎えに来ますから」


教員はそれだけ言うと教室を出ていった。


「エリシア、お昼どうする?」

「そう言うと思ったから、作ってきたよ。」

「マジで!ありがとう!」

「いいよ。朝助けてもらったし。それと、食べて欲しかったし」


エリシアの声はだんだん小さくなっていき最後の方は全く聞こえなかった。その後、周りの男子に少し睨まれながらエリシアの手作り弁当を食べた。


「ありがとう。美味しかった」

「お粗末様です」


トウコクとエリシアはご飯を食べ終わってから2人で1時間ほど話していると教員教室に入ってきた。


「午後の試験を始める。場所を移動するから付いてこい」


教員はそれだけ言って、教室を出ていった。受験生達もその教員に付いて行った。トウコクとエリシアも付いていくとそこは大きな訓練場だった。そこには鉄で出来た的があった。


「これから、一人づつあの的に魔法を打ってもらう。打つ順番はさっきの水晶の時と同じだ。じゃあ、打ってくれ」


教員がそう言うと水晶の時と同じ順番で魔法を放ち始めた。


「『火よ。この手に集え、ファイヤーボール』」


1人目が魔法を打った。だが、その威力は的の鉄すらも溶かすことが出来ないほどだった。同じような威力で次々に打っていく。


「『氷よ。全てを貫け、アイスランス』」

「『焔よ。全てを燃やせ、フレイム』」


受験生の中には基本魔法ではない魔法を使う奴もいたが、威力は他の受験生とあまり変わらなかった。


「次、エリシア」

「はい」


エリシアは返事をして前に出た。


「『全てを潰せ、空間制御・圧』」


エリシアが空間魔法を使うと周りからは声が上がった。そして、的は音をあげながら潰れた。


「次、トウコク」

「はい。」


その後、トウコクが呼ばれて、返事をして、前に出た。


「あの、これって魔法だったらどんなものでもいいんですか?」

「あ、別にいいが、魔法は絶対に1回は魔法を使えよ。」

「分かりました」


トウコクは気になっていることを聞いて思った通りの答えが返ってきたので顔がニヤけていた。


「『我が召喚に応じし伝説の槍よ今ここに顕現せよ。ゲイ・ボルグ』」


トウコクは久しぶりに省略なしの詠唱で槍を召喚した。


「的を貫け。ゲイ・ボルグ」


トウコクはそう言いながらゲイ・ボルグを投擲した。あと、ついでに『バレット』の要領でスピードも加速させた。そして、ゲイ・ボルグは的のど真ん中を貫いて突き刺さった。その光景には教員も口を開けて驚いていたがすぐに気を取り直した。


「それじゃあ、試験はこれで終わりだ。合否とクラスは追って連絡する。よって、今日は解散だ」


教員にそう言われて受験生は次々に帰っていく。


「俺達も帰るか」

「はい」


トウコクとエリシアは2人で訓練場を後にして、帰路についた。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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