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おもいあい。  作者: 瑠璃ヶ崎由芽
第4章『きょうすず』
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13話「自分でやる勇気」


 登校してすぐに教室で常葉さんを誘い、とりあえず呼び出すことには成功した。後は、約束を取り付けるだけ。

 この段階でもう既に緊張してしまっている私がいた。自分の頭に『めぐのため』を言い聞かせ、なんとか心を落ち着ける。


「仲直りできたんだね。おめでとう」


 そんなことをしている間に、常葉さんが話し始める。

 常葉さんは今日の私とめぐを見て気づいたのか、開口一番その話題を振る。その顔はとても嬉しそうにしていた。


「ええ、ありがとう」


 それにつられてか、私も自然と笑みが溢れていた。


「うん、やっぱすずは笑顔のがかわいいよ」


 常葉さんはその私の笑顔を見て、一度(うなず)き、そんなとんでもない発言をする。


「ふぇ!? か、かか、かわいい!?」


 それに対し、自分の想い人にそんなことを言われて、戸惑いを隠せない私。そもそも『可愛い』なんて言われたことがない私なのに、その上その相手が常葉さん。そんな状況のせいで、余計に私は恥ずかしくなってくる。


「うん、私は笑顔な凉香が好きだな」


 その『好き』が私のそれと同じだったらなぁ、なんて考えてしまう。

 でも、それもこれも告白してしまえば分かること。だけれど――


「あ、ありがと……」


 この間の告白に失敗したときみたいに、話が本筋から脱線し、タイミングを逃してしまう。

 でも、今日の私は一味違う。告白するという明確な強い意志を持っている。めぐのために頑張らないと。


「あ、あのね! 常葉さん!」


 会話が途切れた後、今度は私から話を始める。胸がドキドキし、唇も震えている。

 でも頑張ろう、常葉さんに告白するんだから!


「うん、何?」


 そのいつものキラキラとした目に一瞬怯むも、私はめげずに頑張る。


「きょ、今日の放課後、あ、あいてる?」


「うん、大丈夫だよ」


「じゃ、じゃあこの間のは、はは、話せなかったこと、話したいの! 屋上に来て?」


 声が震えながらも、私の言いたかったことを全て口にする。後は答えを待つのみ。


「うん、わかった。放課後に屋上ね――」


 そのお願いに、快くいつもの笑顔で承諾してくれる常葉さん。

 できた。できたよ、めぐ。私1人で常葉さんと約束できたよ!

 ああ、これをめぐにいち早く報告したい。その思いで、私は常葉さんと別れ、足早に教室へと向かった。





◇◆◇◆◇






「――大丈夫だった?」


 教室に戻ってくると、私に気づいためぐがすぐに駆け寄ってきて、不安そうにそう訊く。


「ええ、バッチリ!」


 私は右手で丸を作り、成果を報告する。


「おー! よかったね! じゃあこれでもう後は告白するだけだ」


 それに自分のことのように喜んでいるめぐ。


「え、ええそうね」


 それが一番の問題。

 いくらめぐのためとはいえ、あの常葉さんを前にして乗り越えることができるだろうか。

 ううん、乗り越えなければ。弱きに鳴ってちゃだめよね。

 私は再度決意を改めて、常葉さんへの告白する意志を固めた。

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