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おもいあい。  作者: 瑠璃ヶ崎由芽
第4章『きょうすず』
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5話「腹の探り合い」

 なんとかうまく切り抜けて、気づけばもうお昼休みになっていた。

 もちろんお昼は4人で食べるのが日常になっている。でも今日は幸か不幸か私に図書委員の仕事の日であった。本来はお昼を食べ終わってから図書室で仕事をするのだけれど、今日ばかりは例の件もあって逃げたかった。あの気まずい空気が4人での食事の時にでも流れるなんて、常葉ときわさんたちに申し訳ない。

 それに傍から見れば、どうみても私がすずに何かして悲しませていると思うだろう。だから私が悪者扱い、まあ実際悪者なんだけど、そうなってしまうのだ。

 だからチャイムが鳴ってすぐに3人に一言も告げずに、お弁当を持って図書室へと逃げって行った。そしてまさかカウンターで食べるわけにもいかないので、先生が使う事務所みたいな部屋で昼食を済ませる。それからいつものようにカウンターに座って、本を借りる人を待った。

 この時間帯はまだみんな昼食タイムだからか、人は少なく暇を持て余していた。なので頬杖をついて、窓の外をぼんやりと眺める。


「はぁー……」


 すると自然と溜まっていたフラストレーションがため息になってこぼれだす。

 正直な話、覚悟していたけれど、これほどまでにすずとあくまでもクラスメイトの関係であり続けることが辛く、大変だとは思いはしなかった。すずは私と目を合わせる度に悲しい目をして見てくるし、常葉ときわさんたちの無言の圧力とでも言うのか、何かあったのかと心配するような視線、それが私の精神をゴリゴリと削っていく。だからものすごく疲れがたまっていた。今すぐにでも関係を戻して、平穏な生活に戻りたいと思ってしまう。

 でもこれは私が決めたこと、それを途中で投げ出すなんてことは絶対にしてはいけない。自分が始めたことなのだから、最後まできちんと責任は取らないと。


「はああー……」


 さっきよりも大きな溜め息をつき、もう私はカウンターに突っ伏していた。

 なにか他のことを考えないと、すぐにあの悲しそうな表情が頭の中に浮かんでくる。そしてその度に罪悪感が押し寄せてきて、それに飲み込まれそうになってしまう。もういっそのことこのまま眠ってしまって、嫌なことを考えないようにしようか。

 そんなふうに思った矢先、それをさまたげるかのように誰かが私の肩を叩く。大方、本を借りるのだろうと思い、顔をあげると、


「あれっ、荒川さん。どうしたの?」


 そこには荒川さんがいた。彼女が図書室に来るなんて滅多にないことなので、かなり意外だった。でも、同時に私を呼ぶあたり、私個人に用事があって来たのだろうと、すぐに察しがついた。


「あのさ、今時間ある? ちょっとお話したいなぁーって思って」


「うん、いいけど……ここじゃ出来ない話?」


「うん、まあそうかな? それに、ここでお話するのはちょっと迷惑でしょ?」


「ハハ、まあそれもそうだね。じゃあ屋上にでもいこっか」


 そう言って私は他の図書委員に事情を話し変わってもらい、図書室を後にして屋上へと向かうことにした。 もうここまで言われると、なんとなく荒川さんの『話したい事』まで見えてくる。それはたぶん今日の朝のこと――つまり私とすずのことだろう。ついにしびれを切らして私に事情を聞きに来たのだ。私が荒川さんだったら、きっと同じことをしているはずだから。

 ならばどうしたものかと考えつつも、屋上へと足を運んでいくのであった。





◇◆◇◆◇





 屋上のフェンスに背を向けて私たちは立っていた。外からは楽しそうにスポーツをしている声が聞こえてくる。そんな音に耳を傾けながら、静かに空を見つめていた。

 一方で荒川さんは用件を話し出そうとはせず、私と同じ感じで黙っていた。言い出しにくいのか、どう言おうか迷っているのか、そこまでは定かではないけれど、


「……で? 話って?」


 いつまでも沈黙が続くのも嫌だったので、話やすいように私から用件を聞く。


「うん、涼香すずかちゃんとのこと。どうしたの、ケンカでもした?」


 そしてやってきた言葉は、やはり私の予想した通りのものだった。


「ううん、ケンカなんてしてないよ。ていうか、すずにケンカなんてできるはずがないでしょ」


 すずの性格上、『ケンカ』というものが起こりようがない。できたとしても、すぐにすずが折れてしまいそうだし。だからケンカというケンカは今の今まで一度もしたことがない。


「まあ、だよねー。でも、朝からなんか2人妙によそよそしかったよね? 原因はなんなの?」


 そう言われ、私は一瞬考える。

 言ってしまえば常葉ときわさん側である彼女に対して、今回のことを言ってしまっていいのだろうか。それが常葉さんに伝わると、色々とマズい。それで私の予定した通りのシナリオ通りにならなければ、計画が丸つぶれになってしまう。

 でも、荒川さんはそこまで空気の読めない人ではないし、融通も利く。ならば事情を説明すれば大丈夫かもしれない。そう思い、私はこれまでの経緯を簡潔に説明した。


「ふーん、それでめぐみは涼香ちゃんと友達じゃなくなったと……ねえ、それって辛くない?」


 その説明に荒川さんは怪訝けげんそうな顔をして、私に核心をついた質問をしてきた。


「……うん、ものすごく辛い」


「じゃあ――」


「でも、これは私が決めたことだから、責任はとらないと」


 私は荒川さんの言葉をさえぎり、そうハッキリと答える。

 これは私がいた種。ちゃんと自分で刈り取らないとね。


「…………ねぇ、めぐみって涼香ちゃんのこと好きでしょ?」


 そんなやり取りで何かに思い至ったのか、少し考えるような素振りをした後、イタズラっぽい笑みを浮かべて唐突にそんなことを聞いてくる。


「……どうしてそう思ったの?」


 あくまでもクールに、同じような笑みを浮かべてわざとらしくそう聞き返す。


「んー? いくらなんでも強引すぎるし、なんか涼香ちゃんのためってよりかは、自分のためって感じがする。大方、自分が諦めるために涼香ちゃんに告白を強要したってとこかな?」


「ご名答」


 まさかこうもあっさりと荒川さんに見抜かれるとは思わなかった。

 もちろんこの計画は第一にすずが告白することが一番。そしてそれと同時に、私の想いを強制的に終わらせて、なかったことにする。これがこの計画の第二の目的であった。すずと常葉さんが付き合えば、私は絶対に恋を諦めなければならなくなるから。それでこの想いを消し去ることができるから。


「でも、それでいいの? それってめぐみにとってすごい辛いことだよね?」


「すずの幸せは私の幸せだから。すずが嬉しそうな顔してたら、私も嬉しいし。逆に今日みたいに悲しそうな顔してたら、私も悲しい」


 私は本心からそう言う。すずには絶対に幸せになってほしい。そんな幸せそうな顔見れば、自然と私も幸せになってくる。だからこそ、


「そんなこといったら、今の状況は本末転倒なんじゃ? しかも、めぐみ自身も辛い思いしているんだから、これって自分で自分の首を絞めるようなものでしょ?」


 荒川さんの言う通り、この今の状況は私にとっても辛いのだ。


「まあねー……こればっかしはしょうがないとしか。あの子がさっさと告白してくれれば、万々歳だったんだけどねー」


 好きな人に押されて告白するタイミングを逃して、逃げてくるなんて、まあ過ぎたことを後からグチグチ言うのはやめておこう。


「でも、いつまでもこのままってわけにはいかないでしょ? 杏奈あんなも心配してたし、2人もこのままじゃ辛いだろうし」


「まあ、さすがにすずもこの状況が続けば、勇気を出して告白してくれるだろうし、なんとかなるとは思うよ」


「ねえ、水をさすようで悪いけど、涼香ちゃんの性格を考慮すれば、そのまま告白もせず、現状維持を続けるんじゃないかな?」


「たしかにね。でもね、私の希望的観測かもしれないけど、ここまで追い詰められたら、いくらあのすずでも告白しようとすると思うんだよね。流石さすがに現状維持し続けるのにもムリがあるし。まあそれに、本当に告白しないんであれば、また別の作戦を考えるから」


 この状況はすずにとってもちろん辛いはず。その苦しみから逃れるために告白してくれる、私はそう考えている。

 もちろんこれは人の感情や思いが合わさった作戦。つまり私の考え通りに行かない可能性もある。だからこそ、色々と選択肢を増やしておくべきだ。

 プランAがダメなら、プランBに移行する的な。


「そこまでして涼香ちゃんと杏奈をくっつけたいの? もういっそのことめぐみが涼香ちゃんをもらえばいいんじゃない? そうしたら、めぐみは幸せになれるでしょ?」


「それはあくまでも最終手段。断られたり、最後の最後まで告白しないんであれば、もう私がもらう」


「でもこのままだと――」


「ねえ、ちょっと話変わるんだけど、1つ気になったことがあるから訊いていい?」


 今までの話をぶった切り、この会話の中で感じたことをちょっと聞いてみたくなった。


「何?」


「荒川さんってさ、常葉さんのこと好きでしょ?」


 さっきのお返しと言わんばかりに、ちょっと悪そうな顔をして荒川さんの秘密の暴露していく。


「ふぇっ!? べ、べべ、別にそんな――」


 それにわかりやすいほどに驚き、慌てふためく荒川さんだった。これは間違いなく図星みたいだ。


「ふふ、取り乱しちゃって。荒川さん、かわいい」


 そんな普段見ないような仕草にちょっとキュンとしてしまう私だった。


「いや、だからその……」


 その言葉に、あからさまに頬を赤らめてうつむいてしまう荒川さん。

 こんな荒川さんは初めてだ。とても新鮮で、そんな部分を見れたことをちょっと嬉しく思う気持ちもあった。


「たぶん、荒川さんの思惑はこう。明らかに今日様子が変な私とすず。事情を聞くついでに私を利用してすずと恋仲にさせて、自分は常葉さんと結ばれようって魂胆こんたんでしょ」


 そんな荒川さんにはちょっと可哀想だけれど、さらに推理をして思惑まで白日はくじつの下に晒していく。

 たぶん私たちのことを心配して、という気持ちもあっただろうけれど、そのついでに自分が利を得られるかもしれないと思ったのだろう。


「うっ……」


 どうやら私の推理通りのようで、どこかバツの悪そうな顔をしている荒川さん。


「その様子だと図星かな? 荒川さんはたぶんすずが常葉さんを好きだということはあらかじめ知っていただろうから、荒川さんにとってはすずの存在は邪魔だった。そして事情を聞くと、幸運にも私がすずのことが好きだった。だから私とくっつけて、常葉さんへの想いを私へ向けさせ、その隙に荒川さんは常葉さんと結ばれようとした」


「……全くもってその通りです」


「友達が悩んでいる状況を、私利私欲ために利用するなんて、ひどーい」


 なんて、私はわざとらしくイタズラっぽくいって、荒川さんをからかってみる。


「いや、その……ごめんなさい」


 荒川さんはいよいよ言い逃れ出来なくなって、申し訳なさそうに謝ってくる。


「ふふ、冗談。誰しも好きな人が他の人と結ばれるのは嫌だから」


 荒川さんがそう思っているように、私だってすずが他の誰かと結ばれるのは嫌だ。だからこそ、私は荒川さんの気持ちがよくわかる。我が物にできるチャンスがあるのならば、わらにでもすがる思いなのだろう。


「――でもさ、その作戦には1つだけ忘れてるところがあるよ」


「忘れてるところ?」


 荒川さんは私がそう言うと、キョトンとしたような顔をして、それが何なのかわからない様子でいた。どうやら本人は本当に気づいていないみたいだ。


「常葉さんの気持ち」


「あっ」


 きっと荒川さんは全く念頭ねんとうに置いておらず、完全に常葉さんが自分のことを好きだという前提で作っていたのだろう。そんな顔をしている。


「この作戦では荒川さんが当事者だから、常葉さんがもし荒川さん以外の人が好きだったら、最悪の場合、荒川さんだけが損することになるよ」


「……全く考えてなかった。そっか、私勝手に杏奈が私のこと好きだって思い込んでたんだ」


「ていうか、こういうこと言うのは失礼かもしれないけど、常葉さんの気持ちは荒川さんはわからないの?  小学校から一緒なんでしょ?」


 幼馴染なのだから、そういう部分も言葉にしなくてもわかりそうなものだ。そもそも私とすずだって、言わなくてもわかることなんて結構ある。それでなんとなく常葉さんの想いを察することはできなかったのだろうか。


「んー……」


 その問に、意外にも腕を組んで言い渋る荒川さん。


「気づいてるけど、認めたくない?」


「ううん、そういうわけじゃないの。あの子って普段はああやって明るくて、天真爛漫な子だけど、意外と本心を見せないところあって、掴みどころがないから」


「そうなの?」


「うん、だからずっと一緒にいる私でも、わからないことっていっぱいあるの」


「ふーん、意外」


 ホントにそれは意外だった。あういう性格だから、結構オープンな人だと思っていた。悩みとかすぐに荒川さんに相談して助けてもらってそうなそんなイメージだったのに。意外と本性はあくどい人なのだろうか。


「だからこそ厄介なのよねー……何考えてるかわからないから行動しにくいのよ」


「へー、それは大変だね」


「ねえ、話は戻すけど、だったらめぐみの作戦だって杏奈が好きという前提で考えられてるんじゃないの?」


「うん、そうだよ。そもそもこの作戦はそういう前提で作ってるよ。これはあくまでも勘でしかないんだけど、たぶん常葉さんはすずのことが好きだと思う」


 実は私は告白の約束をとりつけたあの日以前から、常葉さんはすずのことが好きなんじゃないかとにらんでいた。だからこそ、この作戦を実行する決心をしたのだ。というかそれ前提でないと、そもそも告白して成功する確率があまりにもギャンブルすぎて無謀むぼうすぎる。そんな勝ち目のないいくさなんてリスクが大きすぎて、私だってすずみたいに臆病おくびょうになってしまう。


「え? どうしてそう言えるの?」


「私たちの始まりって、常葉さんがすずが仲良くなってできたわけでしょ? その仲良くなった時に、私も荒川さんもいなかった。だから確実にあの2人は2人で何か仲良くなるきっかけがあったってわけ。でも、すずと常葉さんにはそれまで一切関わりがなかった。その時に何があったかは、どういうわけかすずは教えてくれないんだけど、推測だとおそらく常葉さんが話しかけてきたことで始まってると思うんだ」


「ああ、そっか。2人の性格から考えれば確かにそうだよね」


「うん、まさかすずから赤の他人だった常葉さんに話しかけるなんてありえないだろうし、仮に何かしらの仲良くなる共通の話題があったとしても、やっぱりそれを持ちかけるのは常葉さんだと思うの。じゃあここで疑問なのが、どうして常葉さんは見ず知らずのはずのすずに話しかけたのか。しかも仲良くなった時期のクラス分けだと、私たちと常葉さんたちは別クラスだったはずだし」


「うん、疑問だね」


「で、ここからはもう私の推測の域でしかないんだけど、常葉さんの性格とすずの性格を考慮すると、その仲良くなった時に、常葉さんが赤の他人のすずでも話しかけてしまうイベントが起きたんじゃないかな。例えば何かをなくしたとか、物を落としたとか、道に迷ったとかね。いずれにせよ、それで2人の関係は始まった。実はこの瞬間か、またはこの時から徐々に恋の方も始まってたんじゃないかなーって。そう思うのには、ちゃんとした理由があるの」


「理由?」


「うん、私と荒川さんが合流して、仲良くなっていくうちに1つ気になることがあったの。どうして常葉さんはいっつも私たちといるんだろうって」


「どういうこと?」


「さっきも言ったけど、その時のクラスは2人は別々なのにも関わらず、暇さえあればこっちに来て一緒に行動してたでしょ? 常葉さんは結構友達が多いのに、それでも選ぶのは私たち。付き合いの長さで言えば、私たちはまだ新参者で、その友達たちの方が付き合いが長いし、同じクラスの子もいたのに不思議だったの。これってきっと常葉さんがすずに恋愛感情があるにしろないにしろ、気に入ってるってことでしょ? 成り立ちを考えれば、まさか常葉さんが私のことを気に入ってるはずはないわけだし」


「だから好きなんじゃないかと」


「うん。それにこれは荒川さんの作戦とは違って私は第三者だから、失敗しても私には好都合なの」


「ああそっか、今度は自分の恋を満たすことができるもんね」


「そう、もしすずが常葉さんに断られたとしても、その弱みに漬け込んでそのまま私のものにできるから。仮に漬け込めなかったり、告白が断られることですずと仲が悪くなっても、もうすずの恋自体は終わってるから、時間をかけてじっくりと私のものにできるし」


「……めぐみって意外と悪女?」


「まあやってることは友達としては最低だよね。友達の恋が破れることも考慮に入れてるぐらいだからねー」


「でも、羨ましいなぁー……そっちの場合だとどうなってもめぐみは思惑通りだもんね。私の場合じゃ、完全に杏奈の気持ち依存だもん」


「まあ、私としては常葉さんと結ばれるのが一番いいんだけどね。私のものにするのはあくまでも妥協案みたいなもの」


「で、これからどうするの?」


「とりあえずは現状維持かな? しばらく様子見て、それでも動かないようであれば、こちら側から動こうかなって感じ」


 このままでは私も辛い。だからしばらくしても動かないのであれば別の作戦を実行するしかない。


「ふうん、そっか、了解。とりあえず状況はわかったわ。ごめんね、呼び出しちゃって、仕事あったのに」


「いいって、どうせ暇だったし。じゃあ、私戻るから」


 案外、この状況確認は大変に有意義なものなのかもしれない。

 荒川さんが事情を知っていれば、常葉さんへのフォローがしやすくなって怪しまれる心配が減る。それによって私の作戦は格段に遂行しやすくなる。

 まあ、ただ後はすずをどうにかしなければならない。荒川さんが言っていたように、このまま告白しない可能性だってないとは言い切れないのだから。そしてその状況が続けば、私自身にも問題が降り掛かってくる。

 それは、私がこの状況に耐え続けられるかということだ。すずはまるで世界の終わったかのような表情をして、私が目が合う度に悲しい表情を見せる。それが私をこの上ないほどに苦しめ、心を罪悪感で満たしていく。現状維持とは荒川さんに言ったものの、この状態ではもっても2、3日が限界だろう。むしろそこまでもてば良いほうだ。それ以上は私が壊れてしまう。悪魔に魂を売り、自分の想いを爆発させてしまうだろう。

 だからどうも今すぐにでも何か状況を進展させるような策を練る必要がありそうだ。つまり、彼女に告白させる気をもたせるにはどうするかを考えよう。そう私は決意し、図書館へと帰還する。

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