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おもいあい。  作者: 瑠璃ヶ崎由芽
第2章『あみまり』
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17話「決意を報告」

 私が帰ってくると、明らかに私のことを気にしている様子の亜弥あやちゃんたちだった。そのそわそわ具合に、面白いなと思いつつ、早速あのことを報告することに。


「私さ、謝るよ」


「おー! ようやく心を決めてくれたんだね!」


「まあ、誰よりも私たちを知っている人が教えてくれたからねー」


 そう言うと2人はわけの分からないような顔をして、互いを見つめ合っていた。

 まあ、それだけじゃわからないよね。でも、これは恥ずかしいから教えてあげない。私だけの秘密だ。


「はは、とにかく私は亜美あみに謝りますよ。放課後にする予定」


「そっか、とにかくよかった」


「ごめんね、色々と迷惑かけちゃって」


「いいよ。私もまりちゃんには色々便宜を図ってもらったから。おあいこってことで」


「うん、ありがと」


「ねえ、落ち着いたから言うけど、この間まりちゃんが言っていた『好き』って亜美ちゃんに全部当てはまらない?」


「え?」


 唐突な訳の分からない話に、ついていけず思わず聞き返してしまう。


「ほら、『最も心の許すことのできる人』って言ってたでしょ?それ、当てはまってるよね?心を許せるからあんな風に喧嘩できるんでしょ。それに気兼ねなくいられるでしょ?」


「いやいやいやいや、まさか」


 意外や意外。そう言われてみれば、驚くほどに私の言ったことに当てはまっている。もしかすると、私は亜美のことが好きだったのかもしれない。だから亜美のことを思ってそういう発言をしたのかもしれない。

 これか、襟香えりかちゃんが散々悩みに悩んでいたのは。確かに実感がわかない。そうは言われても、好きかどうかなんてわからない。


「まりりん、実は好きなんじゃないのー?」


 そう言ってニヤニヤしながら肘で私をついてくる亜弥ちゃん。


「ちょっ、亜弥ちゃん茶化さないでよー」


 まさか亜弥ちゃんに茶化される日がこようとは。案外、される側はこそばゆいものだと実感する。


「ふふーん、私たちを茶化した仕返しだよー」


「むぅー、ようやく謝る気になったのに、変に悩ませるようなことしないでよー」


 これに頭がいって、うまく謝れなそうだ。変に意識してしまいそう。


「ごめんごめん、でも純粋にそう思ってさ。一回まりちゃんも私みたく、改めて気持ちを考えてみるのもいいかもね?」


「そうだね」


 『改めて気持ちを考える』……けど、それもこれも仲直りしてから考えた方がいいような気がする。

 まずこのままそれも並行して考えると、絶対に襟香ちゃんみたく悩みまくることになるから。まさか同じてつを踏むまい。

 とにかくこの案件は一旦置いておいて、とりあえずは謝ろう。そう心で考えを改め、約束をとりつけるため、亜美が来るのを待った。

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