4話「問題解決……?」
部屋に戻ってきてとりあえず買ったものを冷蔵庫に入れ始める。襟香ちゃんはというと掃除を終わらせられたようで、キッチンでもう既に昼食の準備をしていた。
「ねえ、襟香ちゃん!」
入れ終わったところで、私はようやく本題に入る。
「な、なに?」
準備中の襟香ちゃんは、何食わぬ顔でこちらに向く。
「お願い! もうお世話しないと気が済まないの! 手伝わせて、ていうか手伝う!」
私は襟香ちゃんの手を掴み、必死に目を見開いてお願いする。これでいかに私が本気で、苦しんでいるのかわかってもらえばいいけれど。
「や、あの、まりちゃん……目が、目が怖いよぉ!」
そんな私に、だいぶ怯えている様子の襟香ちゃん。顔が引きつって、完全に引かれている。
「お願いします!」
今度は頭を下げて必死にお願いする。
なんとしでもここで聞き入れてもらえないと、私があの子に屈することになってしまう。
それだけは絶対に嫌だ! 絶対に嫌だ!
「んー協力してあげたいのは山々なんだけど、今も1人で十分に間に合ってるし、それに……」
「それに?」
「たぶん、今度は私がまりちゃんみたいになって、結局私もまりちゃんみたくなっちゃう可能性がー」
そっか、私が感じているように、襟香ちゃんだって同じように世話したい欲が満たせなくなる場合があるんだ。
それはまったく考えていなかった。たしかに襟香ちゃんもどちらかと言えばお世話する側なのだから、そうなることもありえるわけだ。
「そっかぁー……あっ、だったらさ、分担しようよ!」
でもだから「そうですか」と引くわけにもいかない。
あの子に負けたくないという堅い意志がある。
なのでここはお互いの納得のいく折衷案を提案してみる。
「分担?」
「そう! 分担しちゃえば、両方の欲求を満たしたまま生活できるでしょ?」
襟香ちゃんは襟香ちゃんで欲求不満になることもないし、私も私で世話を焼くことができる。
「そうだね。んー……じゃあまりちゃんにはお料理担当してもらおうかなぁー! まりちゃんの料理食べてみたいし」
「うん、わかった! ありがとーう! 助かったよぉー!」
私は再び襟香ちゃんの手を握り、心の底から感謝をする。
ホント、助かった。これでなんとかなる。
私はホッと安堵の溜息を心の中でついた。
「手伝ってもらう側にお礼されるって、何か変だね」
「ふふ、そうだね。よし、じゃあ早速作るから、襟香ちゃんは亜弥ちゃんとイチャついてて」
「い、イチャッ――!?」
「ふふ、面白い」
からかい甲斐があるホヤホヤのカップルで遊びつつ、私はいつものごとく料理を作り始める。
これでようやく私のお世話欲求は満たされた。これならばもう安心、私があの子に屈することはもうないといってもいいだろう。
後はもう、ただひたすらに待つだけ。そうすれば、私の勝利は確実となる。だってあの子にはアレがなければダメなのだから。いずれ自分の負けを認めざるを得なくなるはず。
ふふふ、これで勝利は我が手の中に――




