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一話

おはよう、こんにちは、お晩です。

私はかつて高城錠一と呼ばれていた存在。

そう、元日本人である。

私は日本の三流大学に通っており、交通事故に巻き込まれてしまった結果、死んだ。

しかし、何故こうしてこのように自意識を持ち続けていられるかと言えば、いわゆる異世界転生なるものをしてしまったらしいのだ。


まあ、ちゃらんぽらんに、ざっくばらんに生きて来た私はそのことを悲観することはなかった。

寧ろ喜ばしいことではなかろうか?

学生の内に死んだということは社会の荒波に揉まれ、理不尽に憤慨する必要もないということだ。

私は自他共に認める後ろ向き的前向き思考の人間であり、得られなかった幸福よりも、味わう必要のなくなった不幸を喜ぶ、大変に平波なる人生を望む落伍者なのである。

と、そんな訳で私はこの二度目の生を速やかに受け入れることができ、また、愚鈍かつ不精な我が思考回路は早々にその働きを放棄し、安直にも少々早めの定年老人の余暇が如くのんびりすることだけを決定した。


さて、そんな悠々自適な若年性セカンドライフを楽しむに差し当たって問題とすべきことが一つ存在する。


私の肉体というべきそれはあまりに小さく、そしてあまりに動くということを拒んでしまっていた。

具体的に言えば、全長は恐らく2cm。

手足は無く、ゴツゴツとしながらも丸みを帯び、全体的に薄汚れており、茶色というべきか灰色というべきか、判断に困る色合いをしているのだ。


——ふむ、どうやら私の二度目の生は『小石』であるらしい。


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