表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

番外編:奇跡の出会い

かなり遅いですが、日本左衛門のクリスマス番外編です。

「あっ、日本左衛門さんっ。見て見て!」


ダッフルコートに身を包み日本左衛門の腕を組んだ恋人の沙耶が指差す。


彼女と付き合い始めてから初めて過ごす冬。


始めは見る物すべてが奇怪な物でしかなかったが慣れると綺麗な物だ。


「何だい?姫」


恋人の指差す方向を見る。


そこには綺麗に飾られたクリスマスツリーがあった。


「綺麗ですね・・・・・・・」


「・・・そうだね」


二人は立ち止まってツリーの光を眺めていた。


12月24日、クリスマス。


先日、聖人であるイエス・キリストの誕生を祝う神聖な日だと沙耶から聞かされたのを思い出す。


『今の時代はキリスト教は認められているんですよ』


沙耶から言われた言葉を思い出す。


自分がいた時代はキリスト教を崇める者は全て女子供を問わずに磔、獄門、火あぶりの刑に処されていったがこの時代では罰せられない。


『平和な時代だな』


自分が住んでいた時代とはまったく違う時代。


そこで出会った麗しき天空の姫君とも言える位、慈悲深き娘であり自分の将来の伴侶。


少し怒りっぽい所も一人で背負い込む所も全てが愛おしい大切な娘。


『姫と出会えた事を今日、誕生したイエス・キリストという聖者に感謝する』


幼い頃から神仏など信じてはいなかった。


神仏など、ただの偶像に過ぎない。


・・・・・だが、今、ここで腕を組んでいる恋人との出会いは否定していた神仏にしか出来ない時空を越えた恋。


これは奇跡としか言えない出会い。


だから今日、誕生したであろう聖人、イエス・キリストに感謝せずには入られない。


「姫、そろそろ帰ろうか?」


暫らくツリーを見ていたが肌寒くなってきたのを感じ沙耶を促す。


「はい。日本左衛門さん」


恋人は直ぐに頷いてくれた。


「ねぇ。姫」


「何ですか?」


アスファルトの道を歩きながら日本左衛門は口を開いた。


「今日はイエス・キリストっていう聖人が生まれた日なんだよね?」


「うん。だから聖なる日だよ」


「・・・・俺は、これまで神仏なんて下らないと思っていたけど、今日、この場で姫と一緒に過ごせる事を心から神仏に感謝するよ」


空から降る雪を見ながら日本左衛門は言った。


「私も今日、日本左衛門さんと一緒に過ごせる事を感謝します」


沙耶も日本左衛門と一緒に空を見上げた。


それから真っ白い雪が降る中を二人は腕を組んで帰宅した。



作者が書いてる天魔、禁じられた遊びとは違う観点から見て下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ