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エピローグ:それから

ついに完結です。

「・・・・・・日本左衛門さん。起きて下さい。朝ですよ」


「んんんー、後、十分だけ〜」枕に顔を埋めながら沙耶に願う日本左衛門。


「いけません!早く起きて下さい!?」


夏の制服にピンクのエプロンを付けた沙耶は日本左衛門を枕から引き離した。


「おはよう〜。姫〜」日本左衛門は枕を引き離されると沙耶の胸に顔を埋めてきた。


「ちょ、日本左衛門さん!いい加減にしないと本気で怒りますよ!?」


日本左衛門の態度に切れたのか大声で怒鳴る沙耶。


「うわぁー、姫が怒った〜」


怖がる振りをして日本左衛門は素早くベッドから抜け出し部屋から逃げた。


「待ちなさい!日本左衛門さん!?」


沙耶も日本左衛門の後を追うように部屋を出て行った。


日本左衛門が沙耶の居候になってから一年の月日が経った。


それまで色々な事があった。


沙耶の担任の男が公園で半殺し状態で発見され新しく担任になった時に同級生が学校に虐めがあったと報告し担任の男が首になった事。


それから虐めがなくなった事。


そして虐めが無くなってから三ヶ月後の夜に日本左衛門から結婚を前提に付き合ってくれと言われたのだ。


最初は戸惑いを隠せなかった沙耶だが、日本左衛門の真剣な顔にOKを出した。


問題は近所と自分の両親を以下に納得させるかだった。


しかし、近所の人達はある程度は気付いていたようだ。


両親が戻った時には近所の人達が日本左衛門の良さをこれでもかと言う位に両親に教えた。


それが功を呼んだのか、両親は二人の仲を認めた。


しかし条件付きだった。


沙耶が高校を卒業し大学を卒業する事。


日本左衛門が就職し沙耶を養える事。


この二つの内、日本左衛門は警備会社に就職し部長という肩書きを持っている為クリア。


沙耶の方は元から頭が良い為、こちらの条件も今年の受験で無事に大学に合格したので一段落が着いた。


「ほら、顔を洗ったらご飯を早く食べて下さい」


食器を洗いながら沙耶はタオルで顔を拭く日本左衛門を急かした。


「はいはい。奥さんの言う事は聞きますよ」


苦笑しながら日本左衛門はテーブルに座り箸を取った。


「お、奥さんってまだ結婚してないでしょ?」


奥さんと呼ばれ恥ずかしくて赤面する沙耶。


「もう結婚したようなものじゃないか?」


「こうして一つ屋根の下で暮らしてるんだし」


白米を口に入れながら味噌汁を飲む日本左衛門。


「そ、それはそうですけど・・・・・・・・・・」


「まぁ、何れは新居を構えたいとは思うけど、それは姫が大学を卒業してからかな」


「もうっ、日本左衛門さんったら」


エプロンを解き日本左衛門に投げる沙耶。


「はははははっ。可愛いね。姫はっ」愉快そうに笑いながらエプロンを受け止めて椅子に置き食事に集中した。







「それじゃ行って来ますね」靴を履き鞄を持った沙耶を玄関口で日本左衛門は見送っていた。


「あぁ。頑張りなよ」


「日本左衛門さんも仕事がんばって下さいね」


「あぁ」


「行ってきます」


日本左衛門の頬にキスをして沙耶は玄関を出て行った。


「さぁ、俺も仕事をやるかな」


沙耶を見送ると日本左衛門は仕事をやりに書斎に向かった。


江戸時代に名を馳せた日本左衛門は現代の京都で沙耶という女子高生と幸せに暮らしていると誰も知らない。


ここまで付き合ってくれた。読者の皆様には先ずは感謝します。


短編になってすいません。


次回はまだ何を書くか決めていませんが、また和風物語でお会いしましょう。

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