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つまさき

作者: 羽崎さやり

いちばん最初に見たのは、去年の秋、だったかな。

ほら、残暑でいつまでも暑くて、なかなか涼しくならなかった年だったじゃない?だからかな、見たときにはあんまり不思議に思わなかったんだけど。

近所のスーパーが、19時になったら、惣菜を値引きするのは知ってる?おんの酒の肴に刺身を買うときは、その時間にスーパー行くのね。その帰りだから…夜の19時半すぎくらい、だったかな。

下の町内会の掲示板があるところ、わかる?

あそこね、帰り道だと、手前に掲示板があって、その向こうに電信柱、て並びでしょ。

買い物すませて車で帰ってきたときに、その電信柱の向こう側に、裸足のつまさきがちょろっと見えてたの。

時間もそんなに遅くはないから、ああ、近所の人が誰か、川べりの銭湯にでも行ってきたんだな、裸足なのは風呂上りだからで、暗くて見えないだけでサンダルかなにか履いてんだろう、と。秋だからその時間でもけっこう暗いし、わたしの車のライトを見て、後ろから車が来たのに気づいたから、邪魔にならないように、電信柱の影に入ってくれたんだろう……そのくらいの気持ちだったんだ、実は。そういうの、よくあることではあるし(お風呂のついてない借家が何軒かあるから)。

で、近所の人、じゃない?

こっちの車の邪魔にならないように、て、わざわざよけてまでくれたわけでしょ?

いちいち車をとめてまで、とは思わないけど、通りすぎるときに会釈くらいはしよう、と。

はみ出してるつまさき見ながら電信柱の真横に来たときに、顔をそっちに向けたのね。



だぁれも、いなかったんだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました(^ω^) とても面白かったです * これからも頑張ってください\(^o^)/
2012/10/13 17:07 退会済み
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