2 仕事もするよ
さらに三年たった。僕は六歳になったわけだが魔法に目覚めることもなく、特別なスキルもない。でも、剣を振っている。
「もっと肘をしめるんだ。トルド」
「はい」
父さんが僕の剣を指導してくれる。この世界で生きていくためにつよくならないといけない。
それからお昼までぶっとうしで素振りだ。木刀でも重い。僕は、一発一発全力で振る。最近、領主になることを真剣に考えてる。何度か村に行ってるが、みんな優しい人ばかりだ。
「よし、ここまで」
「はい、ありがとうございます」
家に戻るとミアが出迎えてくれる。ミアも成長して最近では立派な使用人だ。でも、僕にとっては幼馴染みたいなもんだ。
「トルド様、お疲れ様です」
タオルでふいて、水をもらう。
「ふー、生き返るよ。ありがとう、ミア」
「はい!」
「おにーちゃ」
テトテトと歩いてきたのはエラだ。エラも大きくなったわけだがなぜかなつかれてる。
「どうしたー?エラ」
「あそぼ」
「そうだな、お昼食べたら遊ぶか」
「わーい」
エラに手を引かれて食卓に着く。
今日も頑張れる気がした。
エラと遊んでいるうちに夕方になった。
僕は、父さんの執務室にいた。
「トルド様、こちらが今月のグラーネ領の作物のできと税で引いた分でございます」
執事のヴァルが見せてくれる。ヴァルは先代から引き継いでいる長く支えてくれてる人だ。
「うーん、作物のでき悪くなってるね」
「はい、残念ながら雨が少なくて、しかももともとの土壌の悪さが悪さして年々減っております」
正直、僕にはどうすればいいのか全くわからない。難しい話は、前世も踏まえてもわからない。
ガチャ。
「父さん」
「遅くなった」
入ってきたのは領主で僕の父のイーラン・グラーネ。執務室の奥の席に座った。
「トルド。これが今の我が領地の現状だ。まだ子供のお前だがわかっていた方がいいと思ってな」
「はい、領地のみんなが困るのは嫌です」
「そうだな。明日、お前に最初のモンスターを召喚してもらう。F級のモンスターだから安心してくれ」
「はい!」
とうとうきたか。初めての僕のモンスター。
「トルド。モンスターは世界のどこから来て、どこに行くのかまだわかっていない。でも、世界を変えるほどの力を持っている。彼らと共に生きていくことができればこの領地もよくなるはずだ」
「はい」
そんなに強いのか。それがこの世界の生き方なのか。
明日が楽しみだ。




