1 転生
お風呂場は案外危険だ。石鹸で床が滑ってあぶない。そのことに気が付いたとき僕はもう頭を打つ寸前だった。目が覚めると、知らない人に囲まれていた。そこで気づいたね。人生変わったんだって。
僕の名前はトルド・グラーネ。アルカナ・テラ大陸の北方にある小さな領地の領主の息子だ。
気が付くと僕はそこでの生活が始まって三年が経っていた。案外人はなれるものらしい。ただ、残念なのは魔法がなくてスキルもないことだった。神様にも会わずに転生するなんてついてないよ。
ただ、一つ違うことがあった。それは世界はモンスターと共存する世界だったことだ。簡単にいえば全員がテイマーの世界だった。
コンコン。
「トルドさまー。起きてるー?」
僕は起き上がってドアを開けた。空色の髪をした僕と同じくらい小さな女の子がいた。ミアだ。ミアの父親は料理長をしていて、ミアは僕の専属の使用人としてがんばってくれている。
「おはよーミア」
「おはよ!朝ごはんできてる」
そう言って走って行った。毎朝あの元気をもらえるから助かっている。
席に行くともう座っていた。使用人だけどまだ子供だからいっしょに食べることになってる。
ちょっとして、父と母がやってきた。父は、体を鍛えていてとても大きい。母は、優しそうな雰囲気をしていて手に赤ちゃんを抱いていた。
「トルド、妹のエラよ」
母が、僕に紹介してくれる。
「エラ?妹?」
僕は前世では一人っ子だったからちょっと緊張する。エラに手を差し出すと、手を小さな手でつかむ。
「……かわいい」
自然と声が出ていた。妹ってこんなにかわいいんだ。
「かわいい!」
ミアも横に来て言う。
みんな、席に着くと父が言う。
「いただきます」
「「いただきます」」
その合図で食べ始めた。
今日の朝食はうちに領地でとれた野菜にパン、お肉だ。
窓のそとでは領地、といっても村一つ分だけど、でもここで住んでいる人を守らないといけないんだ。
前世とは違う責任が僕にはある。やばいよーこれー。プリーズ、チート!




