表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/30

試験

試験は言うほど書くところなかったし見どころもあんま作れない気がしたのでぱっぱと終わらせます。

十分もせずに人は集まりきったようで黒い軍服のような服を着た先生達が数人入ってきた。


「それではコレより試験を始めます。呼ばれた番号の人達は私が入ってきたドアを抜けて先にいる案内員に従ってく会場へと向かってください。まずZTZ-99番の方達から」


「お、じゃぁまず私からか。行ってくる」


「がんばって」


レインには軽く手を振って返す。


ドアを入れば案内員の男性がプラカードを持って立っていた。

そこにはZTZ-99は左に行くように書かれてあった。


案内に従っていくと少し開けた空間に出た。

そこには一個のテーブルがあり、その上に無色透明の水晶が置かれていた。


魔力は無い、ならここで魔眼の出番だ。


魔眼は私が手足のように操れる魔力を微量放つ事で色々なものを分析する用の補助魔法の一つ。

魔法とは言っても常に使える魔法具の側面もある。


魔眼でその水晶を見ればほんの少し水晶の様子が変わった。

ほんの小さな差だが、色が変わったのだ。


『0』


おっと、水晶が反応してしまったか。

頭の中で声が響いた。

つまりコレはいわゆる魔力を計れる機器なのだろう。


嫌な予感しかしない……。

母さんが今まで何回か似たようなものを作ってたのを見ていたが毎回私が触れると粉砕というか消失というか、魔力に耐え切れずに粉々になってしまう。

粉が残れば良い方ぐらいに。


人が集まったのかドアが閉まる。


「コレで全員か。それではまずこの部屋ではお前達の魔力を計らせてもらう。この水晶に触れたら色が変わる。大きく色が変われば変わるほど頭の中に響く数値も大きくなる。自分にしか聞こえないからってサバを読んだりしたらダメだからな。じゃぁ前の人からやってくれ」


私が一番最初に来たから私からか。


水晶の方へ向かって歩き出した途端。


カタカタカタ


水晶が震えた。

そして色が急激に変わり青色へと変色した。


「んなっ!?」


試験官がありえないものを見たかのように絶句する。


「は?いきなり青色……?まだ触れてもないのにか?」


「いやいや青色なんて見たことないぞ……」


周りの受験者達も各々騒ぎ出す。


『16万8000』


頭の中に数字が響く。

平均とか聞いたこともないから高いのかわからん……が変色した時の周りの反応を見るに高すぎるのかな。


「す、すみません!どうやら水晶の不具合のようで……お取り返しますので!」


そう言って試験官は代わりの水晶を取りに不具合のあると言う水晶を持って部屋から出て行った。


「どうぞ、こちらを使っ、げぇ」


新しい水晶を持ってきたのだろう。無色透明の形の違う水晶を持ってきた。


しかしそれも持ってくる最中に色が変色してしまう。

それも先ほどよりも真っ黒に染まってしまった。


「えぇ……」


「すみません、ちょっとどうも私魔力が多すぎるのか色々反応しちゃうようで……コレって試験どうなります?」


「……………………はい…………はい、わかりました。えと……次の試験に行ってください……一応協議されると思いますし、詳しくは言えませんが満点以上の結果になると思います……」


「あ、そうですか。じゃぁ次行ってきます」


なんか良い点は取れたっぽいしよしとしよう。


試験官の案内に従い次の部屋へと行く。


そこはまるで闘技場のようで、舞台の真ん中で剣をくるくる回す無精髭のおっさんが立っていた。

彼もまた黒い服を着ていた。


体の軸の置き方はレインとは比べ物にならないがやはり教官ゆえか、普通に見れば隙は無い。


逆にレインは何故あんなにも隙が無いのか。

まぁ殿下って事は王子だか王太子っぽいし暗殺の危険もあったんだろうか、だからアレだけの立ち振る舞いになった……ならありうるか?


「最初に受験者は君か。俺の名前はマーカス・グラン・アルフェリア。君のことは父から聞いている。収納魔法を使える現代の魔法技術を大きく超越した魔法を使えるとな」


「グラン……という事はグラン爺さんの息子ですかね」


「そうだ、さて、収納魔法が使える事は驚きだが……戦闘の方はいかほどかな」


「まぁそこそこ」


「ではそこにある剣を取り、上がってこい。試験は俺との模擬戦だ」


マーカスが剣で刺した先で立てかけてあった剣のうち一つを手に取り、壇上に上がる。


そこは既にマーカスの間合いのうち。

筋肉量、体重を見るに一飛びでこちらへ近づき薙ぎ払う事も出来るだろう。


「合否については基本俺に攻撃を浴びせれば良い。浴びせられなくとも戦い方次第では合格にすることもあろう。そして当然だが場外に落ちれば失格だ。よいな?」


私が無言で頷くとマーカスも頷き宣言した。


「ではコレより試験を開始する。攻撃は防御機構が守ってくれるから俺も遠慮なくするし、お前も遠慮なくしてくれ」


周りに魔力の流れを感じた。客席の方から幾つか魔力の流れが生まれそれが何かの魔法陣を形成する。

どうやら監視と万が一の際の防御機構を兼ね備えた設備のようだ。


私は右手で剣を持ち左手を腰の方へと持っていき、身体の右半身が前に出るように構える。


コレならば壇上の端にいる以上は相手も攻撃をしにくいだろう。


マーカスはジリジリと私の方へとやってくる。

それに応え私も少しずつ前へと進む。


そして先ほどよりも距離が半分ほどになった時動きがあった。

マーカスが一足飛びにこちらへ突っ込みながら横薙ぎに剣を振るった。


剣の向きをマーカスの剣に対してほぼ垂直に向け接した瞬間に私の剣の角度を変えマーカスが振るった横薙ぎの剣をいなす


いなした剣の向きを変え、そのままマーカスの脇腹目掛けて剣を振るう。

しかしマーカスもやはり手練れ、いなされた剣を即座に持ち変え私の剣を受け止める。


「素晴らしい……この時点でもう合格を付けてやりたいぐらいだ」


「だがまだ私はお前に一度も浴びせられてないからな」


「ならばまだ続けよう」


マーカスが剣を勢いよく弾き、私の剣を押し返す。


ガラ空きになった胴体目掛けてマーカスが再び剣を振るうもそれを私は左手で掴む。


「んげ」


掴んだまま私は剣を引っ張ればマーカスの体勢は崩れる。

その隙に私はマーカスの背中目掛けて剣を振り下ろす。


ピィィィィィィン!と剣が突然止まる。

防御機構が発動し物理的衝撃が全て吸収されたのだ。


「……合格だ」


「よし」


倒れたマーカスの手を引っ張り起こす。


「まさか剣を素手で掴んでくるとはな……」


「まぁ鍛えてるからな。剣ぐらいなら掴める」


「いや普通は掴めんのよ」


「ははは」


まぁ実際私もコレぐらい身体を鍛えるまでに何回腕を斬ったか……。

しかも相手は魔物だから容赦なく襲ってくるし死にかけた事は何度もある。


「すんなり終わっちまったが俺の試験は合格だ。次行ってこい」


「りょ〜」


マーカスから合格と言われ私は次の部屋へと入った。


そこは複数の魔法陣が展開されていた。


「ここでは知識テストを行います。魔法陣に入ると脳内で問題が流れますのでそれにお答えください」


どうやら念話魔法の応用のようだ。

成否判定はどうするのかは分からないが試験をこの形式で行うなら知識テストをこの形にするのは合理的か。


魔法陣の中に入ると周りが水色の膜で覆われる。


数分すれば終わった。


え?短すぎる?何を言えと。

知識テストにそんな捻った問題出るわけもなし、かと言って言うことがあるとすれば問題とその答えぐらい。

じゃぁもう知識テストは全部カットだカット。


「ぜ、全問正解……」


試験官がまたありえないものを見たかのように絶句していた。


そんなに難しい問題だったかな。


「こ、コレで貴女の試験は終わりです。あとは家に帰って合否結果をお待ちください」


どうやら試験は終わりらしい。

思ったより手応えはなかったな。

まぁ反応を見る限り合格は間違いないだろうが……分からんな。小説とかならここで謎のパワーで合格しても最下位のクラスになったりがある……穿って見過ぎか。


もう終わりだしレインとルナを待つとするか。







その日の夜。


王立学院本堂の職員会議室にて。


「さて……最後に彼女についてだが……、どう思いましたか?」


上座に座っている長い髪をした女性。

青い瞳に青い髪、そして濃い青のタキシードを着ている。


王立学院の学院長のメルディア・マケドナだ。


彼女は3大侯爵家の一つ、マケドナ侯爵家の長女であり、本来はマケドナ侯爵家を継ぐ立場にあったのだが、ある事がキッカケで彼女は相続権を放棄して今は彼女の弟が侯爵家の相続第一等であった。


「はっきり言って評価出来ませんな。ゼニスの娘と聞いていたから覚悟はしておったが……コレほどとは思わなんだ」


そうグランが言う。

ゼニスにグラン爺と言われる彼は本名、サラザード・グラン・アルフェリア。

アルフェリア公爵家の当主であり、マケドナ侯爵家の傍系の一族である。


「親父から見てもやっぱそう思うのか」


「あぁ、アレは間違いなく規格外じゃ」


「爺が“最後の枠”を開けとけっつぅから何事かと思ったが、確かにコレは開けておけって言うわな……」


他の教師陣も口々に彼女の成績について語り合う。

概ね最高得点をつけるべきという意見だ。


「魔力と実技に関しては何も言うまい……だが問題は知識テストだ。何故全問正解なのだ!」


そう、彼らが一番懸念しているのは知識テストの結果。


この学院には毎年、知識テストの最後の一問に古代語で書かれた古文書から一文を抜粋し問題としている。


本来解かすことを前提に作られていない問題。

だが彼女はそれすらも正解とした。


彼女が古代語であっても読めるという情報は“まだ”彼らに伝わっていない。


「コレが仮に不正であったとしてもワシはあそこに入れるに賛成じゃがのぉ」


「不正だとしても複数の監査官がいる中で発動されている魔法に一切の介入を悟らせない……不正じゃなければただ古代語が読める天才である……か」


「それじゃ貴方達。決まりですね」


メルディアが最後に教師陣全員を見て言う。


メルディアが彼女の書類の入学クラス欄にさっと一言を書いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
防御機構突破は流石にしないのか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ