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は?コイツ何言ってんの?〜自己中戦隊ジブンガーの実態〜  作者: NAO
第2章 誰にでも心には冬が棲んでいる
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5.やったね☆

 それから、義母は私から掃除も取り上げた。

 私には「きれいにしてくれてるのは有り難いけど、あんまり物を動かして欲しくない」からだと言っていたが、もちろん義姉には「サボってやらなくなった」と言っていたそうで。

 まぁ、どうでも良かった。

 させて貰えないなら貰えないで、ご自分でやって頂けるって事。

 私には義両親の事よりも優先したい事があったから。


 あの頃の私が、同居してても空気の様な存在でも、全然へっちゃらだったのは、どこか他人事だったからだ。

 義母を職場の「お局様」くらいにしか思ってなかったし、何より実家でやる事が多かったからだ。

 昼間、家には誰もいない。

 義両親も夫も仕事でいない。

 私の家での家事はすでに何もない。

 させて貰えない。

 何もする事がないなら、私はこの家にいてもいなくても良い。

 ありがたい事だ。

 その頃から二人で暮らしている祖父母に認知症の症状が現れ始めていて、実母1人では大変だったから、毎日車で20分の実家に帰って実母と祖父母の介助をしていた。

 だから昼間はずっと実家と祖父母の家の行ったり来たり。

 そして、実家で夕飯を済ませ、お風呂に入り、夫を迎えに行く。

 夕飯の時も義両親と顔を合わせる事もない。

 そちらはそちらでご勝手に。

 私は私で勝手にするから。

 私が使うのはトイレだけ。

 それ以外部屋から出る事はない。

 そんな生活だった。

 ありがたい事だった。

 うちはうち、他所は他所。

 私は私が優しくしたい人に優しくしたい。

 それができる。

 実母の負担を減らす事、祖父母のお世話をする事が、私にとっては最優先なのだ。


 そんなある日。

 祖父母のリフォームの話が持ち上がった。

 バリアフリーにする話だ。

 そうなると、しばらく祖父母には施設にいてもらうしかない。

 とんとん拍子に話は進み、祖父母は施設への入居が決まった。

 リフォームが終わるまでのつもりだったが、その後、祖父母が家に帰る事はなかった。

 祖母が肺炎で入院したり、次は祖父が肺炎で入院。

 認知症も進み、祖父母が家に帰るのは難しい、と判断された。

 祖母が洗剤を誤飲して入院したからだ。

 常に目を離せない状況である祖父母。

 常に誰かの目がある施設でも、こんな状態なのだ。

 自宅での介助は難しいだろう。

 そして、リフォームが終わってから、もう2年も経っていた事に驚いた。

 その間も私は毎日実家へ帰っていた。

 「空き家」になっているリフォーム済みの祖父母の家の管理があったから。

 あの義両親の家は、私にとってただのホテルと化していた。


 そんな祖母がまた肺炎で入院した時。

 夫を迎えに行き家に帰ると、夜なのに家の中は真っ暗。

 そう、義母の天の岩戸が発動していた。

 あー、またか。

 そうなると夫と義父の夕飯はない。

 「夕飯買いに行ってこうか?」

 私は夫に言うと

 「はぁ(溜め息)。そうだな。お父さんの分も買ってこなきゃな。」

 まぁ、いつもの事だからどうでも良いや。

 同居を始めて4年。

 何もさせて貰えなくなって2年。

 天の岩戸は定期的に閉まり、義母との会話などほぼないに等しい毎日だったから、私には日常と変わらないのである。

 最近では私と夫の部屋のドアに叩きつけられるのはお皿ではなくクッションになっていたから、平然としていた1週間後。

 それは起こった。


 いつもの様に夫を仕事に迎えに行き、家に戻ると、天の岩戸が開いていた。

 不機嫌そうな義母が、夫に言った。

 「何もしない嫁なんていらない。アンタたち出ていって。」

 夫は

 「は?お前何言ってんの?」

 と、言い返す。

 「嫁は何もしないんじゃねぇだろ。お前がやるなって言ったんだろうが。嫁はこの家の家事を色々やろうとして、お前にどうやってるかいつも聞いてたのに、答えなかったのはお前だろ?嫁は歩み寄ろうとしてくれてたのに、それを気に入らないって言ったのはお前だ。」

 夫はいつも味方だ。

 どうしてこんな義母から、夫の様な人間が生まれてきたのか、今でも不思議でならない。

 「でも!何もしないじゃない!嫁はすぐ出ていって!アンタも1週間以内に荷物まとめて出ていって!」

 ヒステリーを起こした義母に何を言っても無駄だ。

 それは私もこの4年で学んだ。

 私は

 「分かりました。」

 と、だけ義母に言って、夫には

 「実家に行くから、車使うね。」

 と、伝えると、夫は

 「お前の実家には俺から連絡しておくよ。ごめんね。」

 と、溜め息交じりに言ったが、私の心の声は


 キタキタキタキターーー!!!

 やっと解放された!!!

 追い出されたって事は、今後あの人達面倒を見ることもないわ!!!

 やったね☆


 だったのだが、夫に言う事はなかった。

 実家に向かう車の中で私は、鼻歌歌いながら上機嫌だった。

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