表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
は?コイツ何言ってんの?〜自己中戦隊ジブンガーの実態〜  作者: NAO
第2章 誰にでも心には冬が棲んでいる
4/28

3.あの人たちは良いわね

 お弁当作りは「台所は狭いから」と取り上げられ、洗い物は「自分がゆっくり食べられないから」と取り上げられた。

 「台所は女の聖地」と聞いたことがあるから台所に女は二人もいらないんだな。と、当時はそれくらいにしか思ってなかったが、私以外の他人には「うちの嫁がやらないから」って言っているらしい。


 これは義姉から聞いた話だが、義母は義父との結婚を親戚中に反対されたが、それを押し切って結婚した経緯がある。

 だから、親戚中から差別を受けてきて生活して来たらしい。

 「こんな人たちに負けない」と、必死になっていたそうだ。

 そんな経緯があり、自分は優れていると、他人に認めさせたいのだ。

 義母の「承認欲求」は目に見える人全員、多方向に向いている。

 例えるなら「無指向性」のマイク。

 「マウントを取りたい」「私はあなたより上」「誰よりも私は優れている」を証明したのだ。

 逆に自分が見て、少しでも他人が羨ましいと思うと、「マウント取られた」って思うらしいのだ。

 

 一方、私は「うちはうち、他所は他所」がモットーだ。

 私の知らない人に私が悪く言われても、私には正直どうでも良いし、痛くも痒くもない。

 誰に何言われても良い。

 自分が優しくしたい人に優しくして、仲良くしたい人と仲良くなりたいだけだ。

 私の「承認欲求」は「単一指向性」のマイクだ。

 

 だから、根本から義母とは合わない。

 育ってきた環境も意見も合わないなら、私がそこを認めて勝手にさせる方が摩擦はない。

 義母が言いたいなら言わせておけば良い。

 私に反論はない。

 まぁ、それも義母には気に入らなかったんだろう。

 散々親戚から反論されまくってきたから、私のように反論しない、批判しない、素直に話を聞いて従う…と言うのは気に入らないんだろう。

 義母にはない考え方だから。


 まぁ、私もね。

 めんどくせぇから従っただけだし、怒ると疲れるし、疲れるのは嫌だし、どうせ言っても無駄だし、無駄な時間は生産性に欠けるから。

 だから、マウントも好きに取れば良いと思っていた。


 そんなある日。

 義母が買い物に行きたいと言い出した。

 家には夫しか車を持っていないので、仕方なく夫が車を出す事にした。

 その日、義母は朝から機嫌が悪く、ずっと黙って部屋に引きこもっていた。

 それでも買い物はしたかったらしく、車を出せと言い出したのだ。

 これ以上機嫌を損ねるのはもっとめんどくせぇ事になるから、と夫は渋々出かける準備をする。

 「もっとめんどくせぇ事」と言うのは、のちに知る事となるのだが、今は割愛する。

 支度を終えて、義母と義父、私と夫で玄関を出ると、目の前を車椅子に乗った40代位の息子と散歩する70代位の母親が通り過ぎた。

 その親子はご近所さんだが、私は話をした事がないので、親子の事情など知る由もない。

 義母はその親子が通り過ぎ、見えなくなった時、何を言い出すかと思えば

 「あの人たちは良いわねぇ。国から補助金貰ってバリアフリーの立派な家に住んでるんだから。」

 私は開いた口が塞がらない。

 発想が斜め上すぎる。

 「いやいや、あの人たちにはあの人たちの苦労があるんですよ?それは言い過ぎですよ、お義母さん。」

 と、私が言うと、義母は不機嫌そうにこう言う。

 「何言ってるの?生きてるだけで国からお金貰えるんだからラッキーじゃない。」

 は?コイツ何言ってるの?

 私にはこれ以上何も言えなかった。

 高齢の母親が、車椅子の息子の面倒を見ている。

 それがどれだけ大変な事なのか、想像すらしていないんだろう。

 義母の頭には「楽してお金貰えて羨ましい」しかないのだ。

 意味が分からない。

 ああ、だからか。

 そんな事を言う人だから友達いないんだ。

 私は納得してしまった。


 でも、良いんだ。

 うちはうち、他所は他所。

 我は我、他人(ひと)他人(ひと)なり。

 義母が他人にどう思われようが、知ったことじゃない。

 私には関係ない。

 私は私の人間関係を築いて、今の生活を円満に過ごせればそれで良い。

 勝手にすれば良いわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ