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は?コイツ何言ってんの?〜自己中戦隊ジブンガーの実態〜  作者: NAO
第2章 誰にでも心には冬が棲んでいる
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25.我が家の全員を敵に回したな?

 基本、義母は私の言うことなんて聞かないし、私のやること全部が気に入らない。

 デイサービスのある朝、玄関まで見送りをしても「鬱陶しい」と言われ、家で掃除機をかけたり家事をしていても「掃除機の音がうるさい」と言われ、洗濯物を干すのを手伝っている時でも「干し方なんて何でもいいじゃない、鬱陶しい」と言われ、友人と電話をしていても「声が大きくてうるさい」と言われる毎日。

 見送りは義母の為ではなく、迎えに来たヘルパーさんへの配慮。

 掃除は家を任されてる以上やるべきこと。

 洗濯物の干し方なんて注意したこともない。

 友人との電話は、部屋が別れているし部屋は閉め切っているので、声が聞こえるわけないが。私には友人がいる事実が気に入らないだけ。

 そう言う小さなストレスが少しずつ溜まっていく毎日。

 同居を始めてまだたったの2ヶ月なのにこの有り様だ。


 私は基本「モグラ」なので、家に引きこもってゲームしたりアニメを見たり本を読んでいるのが至高。

 音楽を流して歌を歌いながら家事をやるのが至高。

 しかし義母にチクチク文句を言われたくないので、歌を歌うことを辞め、今までインターネットに繋いでボイスチャットしながらゲームをする事を辞め、アニメを見るのもヘッドホンで音が漏れないようにしたり、義母に邪魔されて集中力が途絶えるから本を読むのをしなくなったのも、ストレスを貯める要因ではあった。


 そんな中近付いた年末。

 うちでは大晦日と元旦に私の実家に集まりご飯を食べるのが恒例。

 この年の大晦日も元旦もその予定で、義母も私の実家にお呼ばれしていた。


 実家にはてっ君の母猫「キャリー」と兄弟猫「虎次郎(こじろう)」がいる。

 キャリーはもともと野良猫生活を送っていたお猫様なので、家の中で野良猫をしている。

 要するに、人間の前にはなかなか姿を現さないお猫様。

 しかし、虎次郎はてっ君と同じく人間大好き。

 初めましての人にも近付いて行って「触って〜w」と言うお猫様だ。

 てっ君と虎次郎は兄弟なだけあって性格も良く似ているが、唯一の違いは「人間の食べ物に興味がある」と言う事だ。 

 てっ君は人間の食べ物には全く興味を示さないが、虎次郎はマグロや蒸し海老、ホタテが大好き。

 「寿司ネタ」が大好きなお猫様なのだ。


 大晦日の晩、予定通り私の実家で食卓を囲んでいた。

 うちの向かいに住む次女一家と、今は離れて暮らしている三女(末妹)一家も一緒だ。

 寿司とオードブルをテーブルに目一杯広げて夕飯を食べている時、虎次郎も椅子に座って寿司ネタを狙っている。

 これが私の実家の通常運行。

 母が虎次郎に蒸し海老とマグロを少し分ける。

 虎次郎は、寿司ネタをたくさん食べすぎるとすぐ吐き戻してしまうから、ホント少ししか与えない。

 しかし虎次郎はそれだけでは満足できずに、誰かのネタを狙っている。

 それでも与えないのは虎次郎の為だ。

 これも私の実家の通常運行なのだが、物欲しそうにしている虎次郎を見て、義母が言う。

 「そんなに欲しがってるのに、貰えないのは可哀想ね。うちなら欲しがってたらあげるのに。」

 そう言う義母に私は

 「虎次郎は海老やマグロを食べ過ぎるとすぐ吐き戻しちゃうんで、虎次郎のためなんですよ。」

 と、言うと義母はまた余計な口を開く。

 「それでも貰えないのは可哀想じゃない。こんなにたくさんあるのに。」

 は?コイツ何言ってるの?

 だから、それは吐き戻さない様にしてるの。

 好きなだけ食べちゃうって吐き戻しちゃうなら、後ろ髪引かれようが人間が制御してあげないといけないの。

 ひいては虎次郎の為なんだよ。

 と、顔を曇らせると、母と二人の妹の顔が険しくなっているが無言を貫いていた。


 その後、夫が義母を早々に家に送って行った時。

 妹二人が怒りをぶちまけた。

 「可哀想って何?私たちが虎次郎をかわいがってないって聞こえるわ!」

 と、次女が言うと、普段そんなに怒らない末妹が

 「義兄には申し訳ないけど、「可哀想」は流石にイラッとしたわ!お姉ちゃんが「虎次郎が吐き戻ししないため」って説明したのに、それでも可哀想?何処がよ!虎次郎が気持ち悪くて吐き戻しするのが分かってるから制御してんのに!ひいては虎次郎の為じゃん!」

 父と母は、それを静観するだけで何も言わなかったが心中穏やかではなかったようで、黙々とお酒を呑んでいる。

 そして、妹二人は口を揃えて

 「「は?コイツ何言ってるの?って思ったわ!!」」

 と言った。

 私は虎次郎を撫でながら

 「あの人、それが通常運行なんだよね。自分が飼ってた猫たちが欲しがったら、欲しがるだけ上げてたから。自分が全部正しいと思ってるんだよ。」

 と、言うと、次女と末妹がまた口を揃えて言う。

 「「そんな人関わりたくないわ!!!」」

 普段なら、他人の悪口をやんわりと静止する母だが、この時は何も言わなかった。


 義母が我が家の全員を敵に回した瞬間だった。

 

 

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