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は?コイツ何言ってんの?〜自己中戦隊ジブンガーの実態〜  作者: NAO
第2章 誰にでも心には冬が棲んでいる
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1.最後の台詞

 「だってうるさかったから!」

 義母が私の夫、息子に言う。

 「いや、嫁は掃除してただけだし、いつもと同じ時間にやってただけだろ?」

 夫がそう答えると

 「私がトイレに入ってるの知ってて、掃除機のヘッドでトイレのドアをドンドン叩いたのよ!そうやって嫌がらせされたから「うるさい」って怒鳴ったのよ!」

 と、義母は不機嫌に不機嫌を重ねる。

 アンタがあの時トイレに入ってたかなんて知るわけないじゃない。

 朝だったからトイレの電気なんてついてないし、アンタの行動を、何でいちいち把握してなくちゃいけないんだよ。

 相変わらず義母の言い分は「私は悪くない」が前提。

 だけどね、お義母さん。

 今のあなたの立場分かってる?

 と、思いつつも私は無言を決め込んだ。

 「お前さ、嫁がトイレのドアを突然開けた訳でもないし、いつもの時間に掃除する事の何が気に入らないの?」

 夫はそうたしなめる様に義母に言うと、義母は

 「私は朝はゆっくりしたいの!朝ガタガタやってるのは落ち着かないから嫌!」

 と、半ギレだ。

 夫は

 「ここは嫁の祖父母の家なんだよ!嫁はここの管理を任されて、この家をいつもキレイに管理してんだよ。そこに行く宛のないお前を、嫁のご両親の温情でここに住まわせて貰ってるって自覚ある?」

 と、流石に少し怒り始めた。

 義母はしれっと返答する。


 「あの人たちはいい格好したかっただけよ。いい人のポーズしてるだけ!ポーズよポーズ!」


 それを聞いた私の中で何かが切れた。

 「おい、クソババァ。人が黙ってりゃいい気になってんじゃねぇよ。」

 と、私は口火を切った。

 「は?クソババァ?口悪いわね。」

 義母は私を睨む。

 「うちの両親は、金もない、住む家もない、孤独なアンタを見て、「明日はわが身だから」って言って、アンタがこの家に住む事を許したんだよ。それをポーズって何だよ。」

 私も義母に睨み返す。

 義母は負けじと言い返してくる。

 「何よ?ポーズをポーズって言って何が悪いの?ホントの事じゃない。誰かの施し受けなきゃ生きていけない私を見て安心してるだけでしょ?」

 は?コイツ何言ってんの?

 それを聞いた夫も流石に怒り出す。

 「誰かの施しを受けなきゃ生きていけないって分かってんなら、何で妥協も協力もしねぇんだよ?嫁はお前の健康で自立が出来る様に色々サポートしてんのに、当の本人がその態度は何だよ!」

 普段は「怒るのがめんどくさい」と言う夫が、ここまで声を荒げるのは珍しい。

 「私はここにいるしかないからいてあげてるの!」

 義母は悪びれるわけもなくまくし立てる。

 「私だってここにいたくていたいわけじゃないのよ!仕方なくいてあげてるの!」

 と言う義母を見て、ここまで来ると、話し合いも口論も無意味だ、と溜め息しか出ない。

 「アンタを追い出すのは簡単なんだよ、って話。まぁいいや。もうめんどくせぇから実家に帰らせて頂きます。」

 これ以上感情的に怒っても無意味で疲れるだけだ。

 ここは私の「実家の実家」なのに、その私が「実家に帰らせて頂きます」って台詞を言うとは思ってもいなかったわ。

 それを聞いて義母は勝ち誇った顔で

 「ああ、帰れ帰れ!清々するわ!」

 と、言った。

 同じ人間に2度も家を追い出されるとは思ってなかった。

 もはや怒りを通り越して呆れるわ。

 でもこの一言だけは言ってやるつもりだった。

 「私はアンタと同じ墓には入りたくないから、夫には実家の姓を名乗ってもらうので悪しからず。」

 それを聞いた義母は急に大激怒。

 「息子をアンタらなんかには渡さない!嫁のクセに生意気なんだよ!」

 と、言い出した義母に私は

 「私は夫のお嫁さんになりたくてなったんだよ!てめぇの家の嫁になったつもりはねぇ!」

 と、怒鳴りつける。

 どうせこれが最後の会話だと確信があった。

 だから私は心の底にあった本心を言った。

 義母はわなわなしながら

 「この…生意気なんだよ!お前は!!」

 と、立ち上がり、近くにあった鋏を握りしめた。

 鋏を振り上げながら私に近付いて来た義母を見た時


 ─あ、ここで私が刺されれば、このババァは殺人未遂で捕まるなぁ。

 それも面白いかも知れないわね。


 と、かなり冷静だったのを記憶している。


 しかし現実は夫が慌てて割って入り、義母を抑えつけていた。

 「このババァはもうダメだ。実家まで送ってくよ。」

 と、夫は優しく私に言い、私がまとめてあった荷物を持った時、夫は私の実家に電話で「申し訳ありません」を繰り返していた。


 それから、義母とは顔を合わせてもいないし、話もしていない。

 私はやっとこの「自己中戦隊ジブンガー」との決別を果たした。

 

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