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次男とサンタ・ルチア
夕飯の準備をしている時、リビングから歌声と笑い声が聴こえてきた。
一体何事かと覗いてみる。
ヴァ〜ニ〜テ〜 ラジレ〜 バルケッタ〜 ミ〜ア〜♪
サンタ〜 ル〜チ〜ア〜 サンタ〜〜〜 ル チ〜〜ア〜〜♪
歌っているのは長男だ。
音楽の授業で習ったのだろう。板についている。
最初こそ笑ったが、恥じらうことなく堂々と歌う姿は声の出し方よろしく舌を巻くレベルだ。
それを見ている次男はゲラゲラ笑っている。
よほど気に入ったのだろう。
歌い終わった後、アンコールしていた。
しばらくして再び歌声が聴こえてくる。
あれっ、歌っているのは次男のようだ。
ゔぁ〜に〜て〜 らじれ〜 ばるけった〜 みあ〜♪
いや、すごい。
意味を理解していないであろう歌詞をもう覚えている。
これが子どもの記憶力か。
さんだ〜 る〜ちあ〜 さんだ〜〜〜 る ちあ〜〜♪
ちょっと魔法みたいだけど。