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エッセイ「ネズミーランド」

作者: 川越ふみ

小説ではなく、エッセイです。

 あれはまだ幼稚園児だった頃、とある遊園地に訪れる機会がやってきた。そこの遊園地は国内最大級の有名な遊園地で、自分は初めてだっただけにとても興奮していた。そこの遊園地にはマスコットキャラクターが沢山いて、時にゲリラ的に路上にやって来てはお客さんの心を掴んでいた。そこの遊園地の顔でもあるネズミをモチーフにしたキャラクターや、クマやイヌなどのキャラクターもいる。その時も、男女のネズミ2匹が突然現れ、お客さんの心をキャッチし、あっという間にネズミ男女2匹の周りには人集りが出来ていた。体を触られたり、時には頭を撫でられたり、更には鼻を触れらたりと。自分もその生のネズミ男女2匹相手にそんな営みを力士並にしまくりたいと近寄ろうとすると、突然、見た事もない着ぐるみが自分の上手から下手にフレームインしてきた。それは全身真っ白な、いや、白と言うよりも薄汚れていて、もしろ灰色に近い、一見、何のキャラクターなのか分からない物体だった。しかしよく見てみると、それはアヒルをモチーフにした、あの有名なキャラクターだとようやく気がついた。なぜ一目で何のキャラクターなのか分からなかったというと、彼の衣装であり、彼の特徴でもある、あのセーラーの服と帽子を身に付けていなかったからだ。その姿は、あの可愛らしい愛嬌たっぷりのキャラクターではなく、ただのこ汚い裸の哀れなアヒルだった。しかも物凄く急いでいる。そして物凄い焦っている。それを証拠に、彼が通り過ぎた後には必ず風が吹いていた。そんな彼にある子供が気づき、走って近寄ろうとした。しかし、なんと彼はそれを右手で振り切った。あのみんなに夢を売るマスコットがだ。自分はそれを見てとてもショックだった。そのあと自分はなんとも言えない感情になってしまい、何か見てはいけないものを見てしまった感覚さえした。

 今思うと、彼は並々ならぬ事情があって、夢を売る余裕がない程の何かしらの理由があったのだろう。その答えはいくら考えても出てはこないが、少なくとも、『中に入っている人も大変なんだな』そう、その時の自分は怖いくらい冷静だったのを憶えている。

 くだらないエッセイをお読みいただき、ありがとうございました。

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