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新たな転生者、その名は…

皆の者、お初にお目にかかる。我は魔族を統治する魔王だ‼

此度は我が精鋭の一人、八咫鋼にぜひあらすじを言ってほしいと言われたため、あらすじを説明することになった。

前回は壱刀の狼牙、肆刀の刀睡、伍刀の八咫鋼と共に新たな武器の試し斬りを行っていた。狼牙も刀睡も自分の新たな武器の出来にとても満足しておった。そして我は試し斬りの相手として、伍刀の八咫鋼に手合わせを申し込んだ、武器の出来はとても良かったし、八咫鋼の成長もうれしかったのぉ、我の半分の力に耐え抜き、我の左手に穴を空けた、じゃが八咫鋼自身も我の大技を受け、危うく死ぬほどの重症を受けた、すこしやりすぎたと反省はしておる…そして現在は我と八咫鋼の大技の衝突によってできたと思われる空の亀裂から落ちてきておる転生者を救出しようとしているところじゃ。


「八咫‼大至急落下の衝撃を和らげる物を造れ‼」

「御意‼武具錬成‼」

「刀睡‼水で緩やかな落下の道を造れ‼白狼はその道を凍らせろ‼」

「御意‼行くわよ白狼ちゃん‼」「御意‼」

「狼牙‼修練場全体に影を出せ‼もし仮に間に合わなかったときの影の中に入れ落下の衝撃を無くせ‼」

「御意‼”影海”‼」

「佐助‼空中で転生者を捉え、刀睡と白狼が造った道に誘導しろ‼」

「御意‼」ビュン‼

(形状はグレネードランチャー・単発式、弾は炸裂弾だが殺傷能力はない、炸裂した時に炸裂地点の半径30メートルに微弱な上向きの重力と人が軽く受けるほどの風を上向きに、あと質量のある雲を出す魔術を付与‼)

(了解です、錬成開始します。完了しました。)

「よし‼できた‼」

「こっちもできました‼」

「準備完了しました‼」

「頼んだ‼佐助‼」

「任せろ‼らぁ‼」

佐助は落ちてきた転生者を難なくキャッチした。

「ここだな‼らぁ‼」

そして、刀睡と白狼が造った滑り台に滑らせた。

「よしうまくいった‼」

「あとお願いね‼八咫‼」

滑り終えるとそのまま落下していくが八咫と保険の狼牙がいる。

「そこ‼」ポンッ

八咫が放った炸裂弾は、落下地点で見事に炸裂し、上向きの重力と風、そして質量をもったふかふかの雲が出てきた。

ポヨン…ポヨン…ポヨン…

空から落ちてきた転生者は、無傷で地上に降り立った。

「ふぅ…無事救出完了じゃな…」

「いやぁ…よかったぁ…」

「やったね‼刀睡さん‼」

「えぇ‼よく頑張ったわね‼白狼ちゃん‼」

「あの~誰か助けてもらっていいかな…」

「随分なところに引っかかってるな、佐助、ほらつかまれ、下まで送る。」

「ん…んぅ…」

転生者は女性のようだ、制服を着ているところから八咫と佐助と同じくらいの歳だろう…

「この服…八咫と佐助が着ていた服と同じだ…」

「本当だ、うちの学校の制服だ…」

「この人…うちの生徒会長だ…」

「セイトカイチョウ?何それ?」

「学び舎に通う子供の中の代表みたいな人の事だよ。」

「それがこの人?」

「あぁ、名前が…ええと、なんだっけ?」

「琥珀咲 殺芽、ちなみにハーフで帰国子女らしい、殺芽は片方の親が忍者好きだったかららしいよ。」

「なんでそんなに知ってるんだ?あんま関わりなかったろ、ってあぁ神眼使ってたのか。」

「うん、それにあの時はいやでも耳に入ってきたから。」

「ん…んぅ?」

「お、目が覚めそうね。」

「天守閣まで運ぶとするかの…」パチン

魔王様が指を鳴らし、天守閣まで瞬間移動した。

「んぅ?あれ?ここは?」

「気が付いたかの?人の子よ。」

「ひっ‼だ、誰!?」

「安心して、琥珀咲さん。」

「誰…ってあなたは‼影裏くん!?なんであなたがここに!?」

「なんでって言うことは、わかってるでしょ?僕がどうなってここにどうしているのか…」

「え?じゃあここは…」

「そう、あんたは転生したんだよ琥珀咲さん。」

「その声、空亡くん!?」

「その名前は捨てました、今は佐助って名乗ってます。」

「佐助?え、じゃあ影裏くんも…」

「はい、今は八咫鋼と名乗っています。」

「何なの一体…」

「もう良いかのぉ…」

「ヒッ‼」

「人の子、魔王様の御前だ、口を慎め。」

「ま、魔王…?」

「いかにも、我は魔族を率いる者、魔王だ…」

(魔王ってどういうこと?何でこんな異世界転生系の漫画みたいな展開なのよ‼)

琥珀咲は心の中でなぜこんな状況になっているのか嘆いていた、それが八咫と佐助、そして目の前にいる魔王様に聞かれているとも知らずに…

(とりあえず私が何でここにいるのか考えよう…確かさっきまで私は峰崎さんと屋上で…)

「「「!?」」」

その名前を聞いた瞬間、心の声が聞こえる3人に衝撃が走った。

「お主、なぜここにいるか知りたいか?」

「え…はい。」

「お主は…殺されたんじゃ…」

「え…殺された?」

「峰崎闇花…僕と佐助を殺した女だ…」

「え?峰崎さんが?」

「あいつは八咫を押して、俺はそれを止めようとして、トラックにひかれて死んだ…」

「そんな…確かに彼女は空…佐助君をストーカーしていたけど…」

「それが原因じゃ…おそらくお主もその類じゃろう…」

「そんな…私は佐助君と少し話した程度なのに…」

「あの女にとってはそれだけで殺す動機になったんだろう、それか俺が死んで錯乱状態になってるか…」

「その女の動機などどうでも良い…さて、殺芽と言ったかの?」

「え、は、はい…」

「お主、我らと共に歩む気はないか?」

「無論、すぐに答えを出せとは言わん、この国をじっくりと見てから答えを出してくれ、それまではそうじゃな…」

「魔王様、この者の答えが決まるまでは私の家で住まわせてもよろしいでしょうか?」

口を開いたのは刀睡さんだった。

「うむ、良かろう。」

「そういうわけだ、これからよろしくね、琥珀。」

「は、はい…」

「では以上だ、案内は…刀睡と佐助に任せよう。」

「「はっ‼」」

「では解散‼」

「「「「「「はっ‼」」」」」」

こうして琥珀咲さんは、刀睡さんと佐助に連れられ、ヨモツを回る事になった。

それ以外のみんなは、各々の仕事に戻った、ちなみに魔王様はあちこち壊れた修練場を直している。

「また新しい子が来たねぇ八咫。」

「そうだねぇ、でも僕や佐助と違って彼女はこっちに直接転生させられた。」

「二人は向こうに召喚されたんだっけ?」

「そう、向こうの王様が内面がきれいな人だったらそっちについてただろうね、まぁ召喚されたのがこっちだったら間違いなくこっちについてるだろうけど。」

「ふーん、そういえばあの琥珀って子はどんな子なの?」

「どんなって言われてもなぁ…あんまり関わりないけど、冷静で文武両道、顔立ちが良く人を気遣う、夢は見ない現実主義者って感じだったかな。」

「ほぉそのような人間であったのか…」

「魔王様、聞かれていたのですか。」

「途中からではあったがの、して、あの女はどのような武道を習っておったんじゃ?」

「そうですね…薙刀や弓道を習っていましたね。」

「なるほどの…薙刀と弓か…」

「まさか漆刀に任命しようとしてます?」

「琥珀がもしここに残るのであればの、まだこの国では人に対する恐怖や恨みを持っている者が少なからずおる、その者たちから守るために魔刀衆に勧誘しておるんじゃ、まぁ主はその心配はなかったようじゃがの。」

「なるほど、なら僕の仕事のためにも、早く二つ名を決めてください。」

「八咫の仕事?何でそのために二つ名を?」

「その二つ名にあった武器を造るために決まってるでしょうが。」

「ふふふ、では一緒に考えてくれるか?二つ名を考えるのは難しくてのぉ。」

「じゃあ私も考えます‼」

(私も参加いたします。)

「わぁ‼なんか聞こえた!?」

(初めまして、白狼様、私は八咫鋼様の中に眠る武具錬成に宿る精霊・鍛冶師と申します。)

「は、初めまして…」

「では四人で考えるかのぉ。」


一方佐助サイドでは…

「そんなに緊張しなくてもいいからね?琥珀ちゃん?」

「そ、そうは言われましても…」

「それにしても…何で俺が付き添いに選ばれたんでしょう?」

「そりゃああんた決まってんだろ?あんたがこの子の知り合いだからだよ。」

「いや、じゃあ何で八咫じゃないですか?」

「八咫は工房があるからね、しかもあの工房一人で回してんだろ?いなくなられちゃ困るってことだろ?あんたのとこは白狼ちゃんがいるし…」

「まぁ…そうなんですけど…」

「うん?何だ…」

「あ‼陸刀様よ‼」

「「「陸刀様ぁぁぁ‼」」」

「そういえば…あんた朝これで遅れてたとか言ってたわね…」

「そういうことです…」

「あ、あわわ…あわわわ…」

「まずいね…琥珀ちゃんがあわあわしてる…ここは任せたよ佐助‼」

「まぁ…俺のせいだし、責任持って対応しときます、琥珀咲さんは任せましたよ‼」

「「「「陸刀様ぁぁぁ‼」」」」

「ふぅ…凄まじい人気だねぇ…まるで蟻地獄だ…」

「人気はこっちでも健在なんですね…」

「それ八咫も言ってたよ、さて案内を再開しようか、琥珀ちゃん。」

「はい…えっと…」

「刀睡だ、気軽に刀睡さんでいいよ。」

「は、はい‼わかりました刀睡さん‼」

「ふふふ、そんなに緊張しなくてもいいのに、それじゃあはぐれないように手を繋いでいこうかねぇ。」

「は、はい…失礼します…」

「ん?」

「ヒッ‼な、なんですか?」

「いや?なんでもないよ、それじゃあ行こうか。」

(この子…あたしと同じ長物を使った経験がある…恐らく弓の経験も…手を握った感覚じゃあ、この子は薙刀使いかねぇ…八咫はこのことを知っているのかねぇ…ともかく明日聞いてみようか…)


一方狼牙サイドでは…

「………暇だ………」

暇していた…

それもその筈、ヨモツの周りには特殊な結界が施されており、魔族に対し敵意を持つものはこの結界を超えることが出来ないようになっている、故に暇なのである。

「狼牙様…ご報告が…」

彼は狼牙が率いている諜報部隊・”空蝉”の一人、空蝉は主に人間の王国に潜伏しており、日々その動向を監視している。

「聞こう…」

「はっ…奴らがまた勇者を召喚いたしました…ですが…」

「なんだ?」

「この勇者があまりにも幼いのです。」

「幼い?どのくらいだ?」

「まだ正義という仮初の理想を易々と信じてしまうほどまだまだ青い子供です。」

「奴ら、八咫たちのような歳では不信感を抱くと考え、よもや愚策に走るとは…」

「それともう一つ報告が…」

「なんだ?」

「奴らはもう一回勇者を召喚するつもりです。」

「懲りないやつらだ…」

「ですが、その召喚が予定されている勇者の中に…」

「なんだ?」

「峰崎闇花の名がありました…」

「な!?」

「あくまで予定票の中にあったというだけですが…」

「このことは魔王様や八咫、佐助や新しく来た琥珀には話すな‼良いな‼」

「御意に…」

「良し、では仕事に戻れ…」

「はっ…」

「ふぅ…まずいな…このことがあの四人の耳に入ったら…」

「別に速攻仕掛けたりしませんよ?」

「うわぁぁぁぁぁ‼ややや八咫!?」

「我と佐助もおるぞ?」

「どぅも…」

「魔王様!?それに佐助も…佐助はなんでそんなにやつれてるんだ?」

「街中で人波に揉まれた…」

「そうだったのか、それより‼何でここに!?」

「白狼が言ってたんだけど…」

(そうだ八咫、たまに兄さんのとこに行ってあげて?絶対兄さん暇してると思うから…)

「てなわけで魔王様と来たら知ってる名前が聞こえたもんだから魔王様が佐助連れてきて今に至る。」

「狼牙…貴様も知っての通り、我と八咫、そして佐助はその女を憎んでおる、じゃが憎しみに身を任せて突っ込むほど我々もバカではない。」

「それに、まだ来てないのに、予定ってだけで戦争仕掛ければ犠牲になる必要のない人たちまで巻き込んじゃう、それは僕も望んでない。」

「まぁあの女なら向こうからくるだろうしな。」

「そう…ですね…無礼を働きました…申し訳ございません…」

「気にするでない、我らを思っての行動を咎めるつもりは毛頭ない。」

「ありがとうございます。」

「さて、そろそろ夜じゃ、皆自分の家に帰るがよい。」

「はっ‼帰ろう佐助。」

「あぁ、では失礼いたします。」

「さて…周りに誰も…おらんな、我らも帰るとするかの、鋼。」

「えぇ帰りましょうか、朧様。」

こうして彼らの業務は終了した、空から降ってきた元生徒会長・琥珀咲 殺芽…人間の王国に召喚された幼い勇者と召喚を予定されてる三人を死に追いやった女・峰崎闇花の名前…色々なことが起こりすぎた一日であった、明日に備え、皆は休息の準備を行った。


続く…

この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますを読んでくださいまして誠にありがとうございます。

作者の妖峰輪廻です。

何とユニーク数が100人を突破しました‼ここまで読んでくださいっている皆様‼本当にありがとうございます‼まだまだ物語の序章ですので最後までお付き合いいただければ幸いです‼

さぁ今回は、今回新たに登場した新しい転生者・琥珀咲殺芽さんについてご紹介します。

琥珀咲さんは、最初に予定していた人間の転生者4人のうちの一人です、八咫は軍師もこなせて戦闘もできるタイプ、佐助は速度に物言わせた暗殺で敵内部を混乱させる忍びタイプ、そしてあとの二人は、遠距離タイプとタンクタイプを予定していたので、文武両道で弓の扱いに長けているキャラを作ろうということで、琥珀咲さんの設定が出来ました。

生徒会長などの設定は、文武両道という設定上、学校などで目立つ存在であることから、生徒会長を思い浮かべ、生徒会長という設定を付け加えました。

ちなみに彼女は、生徒会長という立場上、他の生徒と関わる機会があまりないため、かなり常識はずれな発言をすることが多いらしい。

琥珀咲さんに関してお話できるのはここまで、そして皆さんご察しの通り、彼女も名前が変わりますので、どのような名前になるのかお楽しみに‼

そして最後に、キャラクターのみんなのプロフィールなどや、本編では語れない場面を描いた番外編も同時に書いていきますのでそちらもご覧ください、ただ内容が内容の場面もありますので、投稿は本編より遅れてしまいます。

それでは、また次のお話でお会いしましょう。

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