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好かれすぎ・暴れすぎにはご注意を‼

どうも、八咫鋼です、久しぶりにあらすじを担当させていただきます。

前回は、それぞれの家に帰ったあと就寝し、翌朝にこちらは大騒ぎになっていました。

その後、工房に着き、肆刀の刀睡さんと壱刀の狼牙、更におぼ…んっん‼魔王様に武器を造ってあげました。

そして今は到着の遅い白狼と佐助を待つついでに、3人と一緒に修練場に来て、試し斬りをしています。

ただ…魔王様の試し斬りで修練場が壊れないかとても不安です…


「それでは、あたしから先陣をきらせてもらおうか‼」

「いや、戦じゃないんですから…」

「そういえば、工房を開けてしまって大丈夫なのかの?」

「はい、試し斬りのため外出中、御用のある方はお待ちください…って看板立てておいたので。」

「仕事が早いね。」

「そんじゃあ、こいつで試してみようかしらねぇ…」

「あれは、"黒獣・妖狐"…あれを試し斬りの相手にするって…」

「強いの?あの狐?」

「あぁ、伸縮自在の尾から放たれる鞭打はとてつもない重さを誇る、それが強い個体だと九本相手にしなければいけない…」

「なるほど…」

「しかもその尾だけでも厄介なのに、分身を見せてきたり化けたりする幻術も扱ってくるからあまり好んで相手にはしたくないな…」

「ふーん、武器にしたら強そう…」

「確かにの、だが素人が使えば己を傷つけかねんぞ?」

「確かに…そこは要改善っと…」

(八咫鋼様…武器の構成を練るのはよろしいですが、あくまでも"八咫鋼様が問題なく運用できる"ということが前提ですのでお忘れなく…)

「えっ…今の声、鍛冶師さん?」

なぜか武具錬成を使っていないのに鍛冶師さんの声が聞こえた。

「鍛冶師さん?誰それ?」

「僕の武具錬成の中に眠ってる精霊さんです、構成は僕が考えて、造るのは鍛冶師さんにやってもらってるんです。」

(はじめまして、鍛冶師の精霊です。)

「うお!?頭の中に声が!?」

「わしにも聞こえた!?」

(八咫鋼様の武具錬成の練度向上により、私自身の意思で外界への干渉が可能となりましたので、八咫鋼様が親愛を置いているお二方にご挨拶をと思いまして。)

「それは、ご丁寧にありがとうございます。」

「なぁ始めていいかい?」

鍛冶師さんの突然の登場と魔物の説明によりすっかり刀睡さんの存在を忘れていた。

「おぉすまんの始めてくれ。」

「御意、それじゃあお披露目といきましょうかァ‼」

刀睡さんは勢いよく黒獣に飛びかかった、だがそれを読んでいた黒獣は伸縮自在の尾を叩きつける構えをとった。

「そう来ると思ったよ、“水蓮”‼」

刀睡さんは刃先から水を出し、修練場の床全てを水浸しにした。

「手甲に防御魔術つけといてよかった。」

「それはわしと手合わせした時に使った手甲か?あの時砕けたはずじゃが…」

(一度現像した物は私が全て記憶しています、八咫鋼様が命じてくださればその記憶から瞬時に現像出来ます、ですがこちらは過去に造ったものを現像していますので練度は向上しません。)

「何にせよ濡れなくてよかったです、乾かすの時間かかるし…」

「そうじゃの。」

「にしてもこの水綺麗ですね、水面が鏡面みたいに反射してます…」

「さて、見せてあげようか…鏡海の刀睡の戦いを‼」

そういうと刀睡さんは鏡面の水面に消えていった。

「消えた!?」

「刀睡は魔族としては珍しい鏡に干渉出来る魔族なんじゃ、このような鏡面であれば中に入ることはたやすいじゃろう。」

「そして鏡の中で分身して、鏡の中から鏡の外の敵へ槍を突き立てる…」

そして黒獣に向かって鏡面の水面から無数の槍が連続で突き刺された。

「幻影だけど同情するよ…あれじゃあ骨も残らない…」

「八咫‼すごいよこの槍‼」

突如目の間に刀睡さんが出てきた。

「急に目の前に出てこないでください、びっくりしました。」

「あぁごめんごめん、にしてもこの槍はすごいよ‼今まであたしの能力と波長の合う槍がなかったんだけど、こいつはすごい‼あたしの能力とかみ合って刃先の分身から投影がとんでもなくスムーズにできた‼」

「へぇ、それはすごい、これは月狼にも期待しちゃうな。」

「じゃあ次は狼牙が行くのかな?」

「よろしいでしょうか魔王様?」

「構わんぞ。」

「ありがとうございます。」

「それと刀睡…」

「はっ‼」

「後で修練場の水を全部処理しておけ…」

「あぁ…はい…」

先程の鏡面の水面を造る際に修練場全体に水を噴射したので現在修練場は水浸しである。

「じゃあ、俺はこいつするか。」

狼牙が出した相手は全身金属でできた人に似たゴーレムだ。

「ほぉ、“鉄巨人”か…あれは、戦闘態勢に入ると巨大化するからのぉ…影を扱う狼牙にはうってつけの相手じゃな。」

「ただあいつ硬いんですよねぇ…前の前に使ってた槍はあいつに折られましたし…」

「ますます見ものだね…鉄をどうやって斬るのか…」

「ふぅ…殺るか…」

辺り一帯にとんでもない殺気が走った。

「これが…壱刀の殺気…」

「とんでもない殺気だ…」

「狼牙は昔そこらを荒らしてたお尋ね者での、じゃが誰も奴を捕まえられんかった、それどころか捕まえに行った奴が行方不明になってしまうくらいじゃ…」

「まさかそれって…」

「あぁ、行方不明になって見つかったものたちは皆、故人となっていた。」

「見つかってない人は?」

「ん?祖奴らなら今は軍で恩返しをするといって日々鍛えておるぞ?」

「え?」

「狼牙は女・子供は殺さなかった、それどころか女は衣服や化粧などを気遣えと教え、子供には食べ物を与えていた、その女たちは今や呉服屋を営んでいたり化粧屋などを営んでおり、子供はさっきも言ったように軍で日々鍛えておるぞ。」

「殺気とは裏腹の過去ですね…」

「うむ、お、始まるようじゃぞ。」

狼牙は地面に手をつき、四つん這いの体制になった。

「ハァァァ…」

「まさに狼だ、白狼とは大違いだ…」

そして、一瞬のうちに鉄巨人に掌底を叩きこんだ。

「グゥオオオオァァァ‼」

「鉄巨人なのに雄たけび上げるんですね…」

「戦闘態勢に入ったようじゃな。」

鉄巨人はみるみる大きくなり、まさに巨人と呼ぶにふさわしい体躯となった。

「”影縫い”…」

「グ!?」

「動かなくな…あれ?狼牙は?」

動きを封じた瞬間、狼牙は一瞬で消えた。

「”月影・双爪”」

鉄巨人の下の影から狼牙が出たと思ったら、巨大な影と闇で出来た二つの爪が鉄巨人を切り裂いた。

「あの鉄巨人をいとも簡単に切り裂くとは…私でも貫くのに苦労するのに…」

「あれが、魔爪の狼牙…」

「流石は魔刀衆の壱刀じゃの。」

「ふぅ…終わりか…はぁぁ…疲れたぁ…」

「お、いつもの狼牙に戻った。」

「うん、どうしても戦闘になっちゃうと昔の癖が出ちゃうんだよね。」

「昔って言うと、お尋ね者時代?」

「そう、恨みの匂いがする兵士とかを鎧ごと裂いたり、当時最強と謳われていた女兵士は徹底的に負かして、戦う以外の道を授けたりしてた時期。」

「その当時最強と謳われた者が負かされた後にわしの所に来て手合わせを挑んできての。」

「結果は瞬殺…この人には敵わないって本能で悟ったよ…」

「その後わしが下に就かないかと誘って今の狼牙がおる。」

「白狼おいて死ねないので、断る選択肢はなかったですけど…」

「さて、昔話に花を咲かせるのも良いが、そろそろわしの試し斬りと行こうかの。」

「鍛冶師さん手甲の防御魔法強化って出来る?」

(可能です、すぐに行いますか?)

「お願いします。」

(強化開始します、完了しました。)

「もしもの時のために防壁も張っとこうか…」

「そうだね、魔王様は規格外にもほどがあるからね。」

「何をしておるんじゃ八咫?わしの試し斬りの相手は主じゃぞ?」

「え?」

皆が防御の準備を進めている中、魔王様が衝撃の一言を発した。

「骨は拾っとくよ、八咫…」

「あんたの事は忘れないよ…」

「何で死ぬ前提なの!?てか何で止めてくれないの!?」

「「だって魔王様には勝てないもん…」」

「だからって…ていうかそもそも何で僕なんですか!?」

「幻影で出せる魔物じゃわしの十分の一の力で瞬殺してしまうのでの、試し斬りには不向きなんじゃよ。」

「じゃあ、狼牙とか刀睡さんに頼めば良くないですか!?」

「二人は戦った後じゃし、二人も十分の一の力しか耐えられんかったし、八咫は最初の手合わせの時にそれ以上を耐えてるからの。」

「ちなみにあの時の力っていくらくらい?」

「十分の三じゃの。」

「殺す気か!?」

「まぁ今はあの時より格段に強くなっておるからの、ついでにそれも知っておきたくての。」

「はぁ…そこまで言われちゃ仕方ない…腹くくりましょう。」

「それでこそじゃ、それでは…」

「ふぅ…」

「始めようか‼」「始めようか…」

魔王様は桜無を抜刀し、接合部を分離させ、4刀流で向かってきた。

(桜無の詳しい能力は製作者の僕でもわからない…でも、向かってきたということは中距離でつかう真空刃は使ってこないはず…ただ神速が結構厄介…神眼で読んだとしても間に合うかどうか…)

「ハァァ‼」ブンッ‼

魔王様は下の方に構えていた桜無を投げてきた、投げられた桜無は回転しながら向かってきた。

(投擲物なら撃ち落とせる‼)ババババ

「ふん、"神速"‼」ヒュン

(主なら撃ち落とせると信じておった、じゃがその銃を撃ち落とすのに使えば必然的に下ががら空きじゃ、その隙に神速とわしの速さを掛け合わせた速度で懐に入り込む‼)

(ことは予想してましたよ。)

そういって八咫は下を打ち抜き即席のクレーターをつくった。

「なっ‼」

(足が浮いた‼体制も不安定‼だが油断するな、相手は最強、どんな規格外な事をしてくるかわからない。)

「バレル・ランチャー、"重力弾・波動”‼」ボンッ‼

魔王様に重力弾が命中し、修練場の壁に叩きつけた…はずだった…

「ふはははは‼うれしいぞ八咫よ‼この私が初めて十分の三以上の力を出せるとは‼」

高らかな笑い声が後ろから聞こえてきた。

「マジか…確かに当てたと思ったんですけど…」

「あぁ当たっていたぞ?じゃが壁に当たる寸前に重力から脱出した‼」

「重力に逆らうって…」

「さぁ続きじゃ…今度は”半分”で行くぞ‼」ビュン‼

「消え…!?」

「遅いぞっ‼」ザンッ

「っつ‼」

(なんて速さしてんだよ‼神眼でも追えない‼未来が見えても間に合わない‼これでまだ”半分”!?規格外にもほどがある‼)

「それでは、宴もたけなわであるがこれでしまいとするかのぉ…来い‼桜無‼」

桜無は再び双身刀となり、真空刃と光刃を纏いながら回転している。

(あれをぶつける気か…じゃあこっちも死力を尽くしますか…)

「亡烏、バレル・レールガン+ショットガン、付与魔術・全属性、レールガン・充電開始・10億ボルト…充電完了…」

「”真光刃(しんこうじん)双桜無(そうおうむ)”‼」

「”虹彩(こうさい)雷散砲(らいさんほう)”‼」

ドゴーン‼

互いの死力を尽くした大技がぶつかり合い、しばらくの間、静寂が走った。

「ゴホッエホッゴホッ…あぁ…なんて大技…」

「二人は?」

煙の中に見えたのは、立っている魔王様と、寝っ転がり上を見上げている八咫だった。

「フハハハハ、見事な一品だ八咫よ‼この桜無、切れ味や能力、耐久力は文句なしじゃ‼」

「はぁ…はぁ…それは…はぁ…よかった…です…はぁ…はぁ…」

「それに、強くなったの八咫、初めて来たときとは見違えるほどじゃ…久方ぶりよのぉ…わしに傷がつくのは…」

そういうと魔王様は左手を見せてきた…左手には、弾丸ほどの穴が空いていた。

「魔王様に傷を!?」

「なんてこったい…」

「はぁ…」

「ふふ、じゃがわしの命にはまだまだ遠いのぉ。」

魔王様はそう言うと、自身の手に空いた穴をふさいだ。

「治癒…魔術も…心得ていたん…ですね…」

「そうじゃな、ほれ、お主も癒してやろう。」

魔王様は八咫を一瞬で癒した。

「はぁぁ…死ぬかと思いました…」

「むしろあの傷でよう生きておったの?肩の切り傷は深く、腕はズタズタ、血管や神経はかなり刻まれておったのに…」

「当たる寸前に亡烏に防御魔術を付与しておいたんです、それでもあの傷でしたけど…」

「逆にあれだけで済んでよかったよ、下手したら跡形もなく消し飛んでたかも…」

「魔王様、今後は控えてください…」

「善処しよう…」

「ぉーぃ…」

突然遠くから声が聞こえた、このパターン…そしてこの声は…

「「佐助だ…」」

「何があったんだ?突然爆発音みたいな音と竜巻が…」

「魔王様と八咫の試し斬りの影響だ、それよりも佐助、何でこんなに遅れた?というか白狼は?」

「白狼は配達屋にいる、で遅れたのは…」

(キャー‼陸刀様‼握手してください‼)

(陸刀様‼サインください‼)

(陸刀様…陸刀様…)

「というわけで、遅れた…」

「人気はこっちでも健在だね…」

「ようやく解放されると思ったんだけどな…」

「兄さ~ん、八咫~、刀睡さ~ん、佐助~、魔王様…魔王様!?」キキィ

白狼は走ってきたが魔王様の存在に気付き、急ブレーキした。

「爪大丈夫?」

「心配するのそこか?」

「それより、どうしたんだ白狼そんな慌てて…」

「あ、そうだった‼とにかくみんな上見て‼」

「「「「上?」」」」

白狼に言われた通り上を見ると…空に亀裂が入っていた…

「これは…わしと八咫の大技によってかの?」

「空に亀裂入るってどんな威力を衝突させたんだよ…」

「それよりも魔王様‼空に亀裂が入ったということは‼」

「そうじゃな、皆迎え入れる準備をせい‼」

「何が始まるんですか?」

「それはそのうちわかる、戦闘ではないから安心せい、むしろその逆じゃ…」

「逆…ってまさか‼」

「そのまさかじゃ…」

すると亀裂のそばに人が見えた。

「転生者の人命救助じゃ‼」


続く…

この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方します、を読んでいただきまして、誠にありがとうございます。

作者の妖峰輪廻です。

今回はキャラクター紹介で個人的に深堀していきたいと思います。

今回深堀するキャラは、主人公・八咫鋼君です‼

主人公というだけあって今回の話では朧様の半分の力に耐えられる実力を有した八咫君、そんな彼にはある弱点があります、それは…彼は虫が苦手という中々に致命的な弱点があります。

どのくらい苦手かというと、姿がちらっと見えただけできゅうりを見た猫の如く飛び上がるほどです。

なぜ苦手なのかというと…彼が幼いころに、黒光りするヤツが顔に飛んできてしまったことによりそこから虫全般がトラウマになってしまったようです、まぁヤツが顔に飛んで来たら誰でもそうなりますよね…

今では虫を見つけ次第撃ち殺しているのだとか…

なおこれから虫の魔物も出す予定です、良かったね八咫君‼

ということで初めてのキャラの深堀はここまで、次回から深堀やっていくのでお楽しみに‼

感想などもお待ちしています。

それでは、また次のお話でお会いしましょう。

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