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ヨモツの鍛冶場・万工房、お客の中には魔王様!?

やぁやぁ、あたしは魔刀衆の肆刀・鏡海(きょうかい)刀睡(とうすい)だ。

今回は白狼ちゃんにどうしてもやってくれって頼まれちゃったもんだから、今回はあたしがあらすじを話させてもらうよ。

前回、八咫は大量の包丁修繕の依頼をこなして、自身の技術と売り上げを向上させた。そしてその後、白狼ちゃんの提案で八咫は自分の武器を造った。造った武器は八咫が最も得意とする銃器で、この銃がとんでもない性能を持っているんだよ‼属性を変えられて、形状も変えられて、それでいて刀まで付いてるって言うことなしだよね!?そして試し斬りが終わった後、佐助と八咫、私の愛しの白狼ちゃんはあたしの道場で稽古をつけると約束したわ。ちなみにあたしの道場は剣術・槍術・格闘術・魔術・射撃術など色々教えてるわ、戦術の種類はいくらでもあるもの、自分に合ったものを選ばなきゃ損ってもんよ。


八咫サイドでは…

「朧様、ただ今戻りました。」

「おぉお帰り、初の仕事はどうであった?」

「疲れました…」

「そうであったか、夕ご飯の支度はできておるぞ、早く食べてしまおう。」

「はい。」


佐助サイドでは…

「たっだいま~‼」

「ただいま~…でいいんだよな?」

「もう‼いいに決まってるでしょ!?ここは、佐助とお兄ちゃん、そして私の家なんだから‼」

「そっか、そうだよな。」

「おぉお帰り二人とも、ん?二人ともどうしたんだその刀?」

「ああこれ?いいでしょ~。」

「八咫に造ってもらったんだ、それぞれ特殊な魔術が付与されてる。」

「へぇ~今度俺も造ってもらおうかなぁ…」

「いいじゃん‼八咫きっと喜んで受けてくれるよ‼ねっ佐助‼」

「うん、間違いなくね。」

「そうか、じゃあ明日あたり行ってみるか。」

「明日大量に来なければな…」

「それより、ごはん準備できてるから、早く手を洗ってこい。」

「「はーい。」」


こうして一日は終わった。

翌日…八咫サイドでは…


「うーん…んぁ…朝か…」

八咫は布団から体を起こした。

「ん~ん…あぁよく寝た…」

「すぅ…すぅ…」

「ん?寝息?一体誰が…」

寝息が聞こえる方に目をやると…朧様が寝ていてた…

「~~!?」

「すぅ…すぅ…」

あまりの出来事に驚きを隠せないが起こしては失礼だと思い、何とか声を抑えた…

(とりあえず、昨日何があったか思い出そう…えっと昨日は、ごはんを食べて、その後湯浴みして…その後…確か朧様が工房が上手くいったとかなんかでお酒を飲まれてて…僕は未成年だからと断って…それで朧様が寝ちゃって…朧様の部屋に運ぼうとしたけど部屋がわからなくて仕方なく僕の寝室に運んで、布団に寝かせて…袖つかまれて動けなくて…仕方なく隣で寝て…ってこれ悪いの完全僕だぁぁ‼)

「ふぁあ…おはよう鋼…んえ?なぜ鋼がわしの寝室に…」

「お、朧様!?」

「ん?いや…ここわしの部屋じゃ…昨日の…酒を飲み始めてからの記憶が…あぁぁぁ//」

どうやら事の真相に気づいてしまったようだ…顔から今にも火が出そうなくらい赤くなっている。

「お、朧様!?とと取り合えず落ち着いてください‼まずは落ち着いてください‼」

「そそそうじゃな‼まずは深呼吸を…すぅ…はぁ…すぅ…はぁ…」

「落ち着きましたか?」

「一先ずはの、朝から見苦しい姿を見せてしまいすまないの。」

「いえ、こちらこそすみません…事前に朧様の寝室の場所がわかっていればこのような事には…」

「いやそもそもわしが酔いつぶれていなければこのような事には…」

こちらは朝から大騒ぎであった…


一方佐助サイドは…

「さてと、朝食はこれで準備できたな、あとは二人を起こすか…」

朝から早起きして佐助と白狼の朝食を準備している狼牙、ちなみに彼自身はすでに朝食を済ませている。

ドンドン

「佐助~朝だぞ?起きろ~。」

当然返事が聞こえるわけがない。

「まぁそうだよな…入るぞ~。」ガチャ

「ZZZ…ZZZ…」

「全くよく寝ている…ほら佐助起きろ、朝だぞ?」

「んぁ…?ふぁぁ…おはよぉ…」

「ほら体を起こせ…」

「むにゃむにゃ…」

「え?今の寝息は…」

「んぇ?なんか下の方いるぅ…」

佐助の布団をめくると、そこには白狼がいた…

「白狼がいるぅ…」

「はぁ…寝ぼけてここに来たのか…たまにあるんだよなぁ…とりあえず佐助は下に降りて顔洗って口濯いで朝食食べろ、白狼は俺が起こす。」

「はぁい…」

こちらはたまにあることだったためそこまで騒ぎにならなかった。


戻って八咫サイド…

「それでは、工房の方に行ってまいります。」

「うむ、気を付けていくのじゃぞ、それと、あのことは…」

「はい、他言無用で。」

「よろしい、では行ってまいれ。」

「はっ、行ってまいります。」

「あぁそうじゃこれを渡すのを忘れていた。」

そういって朧様は伍刀と描かれた灰色のマフラーを渡した。

「マフラー…ですか?」

「それは魔刀衆の証じゃ、昨日渡しそびれてしまってのぉ。」

「そうでしたか、ありがたく頂戴いたします。」

「うむ、では気を付けての。」

八咫は工房に歩いて行った。

「ふぅ…まさかわしが酔い潰れるとはの…鋼に気を許して過ぎてしまっておるの…それに…」

ドクン…ドクン…

「鋼の近くにおると…どうも心臓がうるさいのぉ…」

それが恋だと気づくのはまだまだ先の話…


戻って佐助サイド…

「そうだ、佐助、渡さなきゃいけない物がある。」

「なんだこれ?マフラー?」

「それは魔刀衆の証だ、佐助の場合、緑色の布地で陸刀と描かれているな。」

「なるほど、ありがたく受け取っておく。」

「さて、二人とも忘れ物はないな?」

「ない。」

「ないよ。」

「よし、じゃあ行ってらっしゃい。」

「「行ってきまーす。」」

「さて、俺も少ししたら出るか…」


万工房前にて…

「んー‼あぁぁ…さてと、今日もやります…」

「たのも~‼八咫~、いるかい?」

工房前に来るやいなや、早速刀睡さんの高らかな声が響き渡った。

「おはようございます、刀睡さん。」

「おぉ、おはよう、随分早いね。」

「まぁ朝には強い方なので。」

「白狼ちゃんは?まだ来てないのかい?」

「はい、まだ来てないですね、まぁ佐助が朝弱いんでそれ起こすのに苦労してるんじゃ…」

「佐助もなのかい?白狼ちゃんも朝弱いんだよ~。」

「本当ですか?狼牙は苦労しますねぇ…」

「そうなんだよ、まぁそれは置いておこう、んじゃあさっそく…」

「わかってます、どういった武具をご希望ですか?」

「そうだね~あたしは槍使いだから槍をお願いするよ。」

「槍ですか…付与する魔術とかは?」

「鏡だね、それから水、できれば温度とかを操れようにしてほしい。」

「了解です、それじゃあ始めますね…」

(武具錬成の使用申請を確認…承認しました。おはようございます、八咫鋼様。)

(おはよう、今日もよろしく。)

(はい、それでは仕事にかかりましょう。)

(よし、まず形状は槍、硬度は龍の鱗と同等、切れ味は岩盤をぶち抜くくらい、槍を持った者に分身出来る魔術を付与、刃先に複製の魔術と反射の魔術、あと放水の魔術を付与、水の温度を調節する魔術も付与して。)

(かしこまりました、錬成開始いたします…完了しました。現像します。)

(一先ずは終了、お疲れ様、しばらく休んでて。)

(ありがとうございます、それでは。)

「出来ました、名を鏡槍(きょうそう)水蓮(すいれん)とでも名付けましょうか。」

「鏡槍・水蓮…いい名前だね。」

「よかったです。」

「八咫~いるか…げっ‼」

「あれ?狼牙だ、おはよー。」

「ん~?狼牙じゃないかい‼」

「と、刀睡さん…」

刀睡さんと話していると狼牙が来た。

「どうしたの?狼牙も武器作りに?」

「ん?あ、あぁそのつもりだ…」

「ん?何かあった?」

「いや、さっきまで何ともなかったんだが…」

「ごめんねぇ八咫~狼牙はあたしを見ると無意識に距離を置きたくなるんですってぇ。」

「あぁ、白狼関係ですね。」

「ご名答…会うたび会うたび白狼の事聞いてくるからいつしか苦手意識をもってな…」

「なるほど…」

「それはそうと、白狼と佐助見なかったか?俺より先に出たはずなんだが?」

「いや見てないけど…」

「多分道で民の皆様に絡まれてるんでしょ?魔刀衆が二人街中歩いているんだもの。」

「そういえばここ来る途中、やけにでかい人だかりがあったが…それか…」

「これはしばらくかかるわね…」

「それはそうとして、狼牙、何か武具の要望ある?」

「そうだな、俺はこの鉤爪で戦っているからな、鉤爪は造れるか?」

「鉤爪ね、まかせて、付与する魔術とかの要望は?」

「影か闇の魔術かな、魔爪という二つ名をいただいてるしな、まぁ魔刀衆なのに刀を使わないのとよく小さい子から突っ込まれるが…」

「そこは安心して、ここにいる3人、全員刀使わないから。」

「そうなのか?八咫は何を使うんだ?」

「銃刀だよ、刀の要素あんまないけど…」

「そういえばあたしも槍だから刀ではないね。」

「今度町歩くときは一緒に歩いてくれるか?」

「うん、僕もそのつもり、それじゃあ始めようか…」

(申請確認、承認しました。)

(ごめんね、休憩中に…)

(ご心配なく、私は鍛冶師です、物を造ることが最上の喜びです。)

(それはよかった、それじゃあ始めよう…)

(御意。)

(形状は鉤爪、刃渡りは10センチ、刃の硬度は龍の鱗と同等、切れ味は岩盤を切り裂くくらい、装着者に影渡りの魔術と影分身の魔術、あと影纏いの魔術を付与。)

(それはもはや忍術では…)

(それは思ったけど魔術に分類されてるから…)

(なるほど。)

(よし、続けるよ、刃先に闇纏いの魔術を付与、これで以上だね。)

(かしこまりました、錬成開始します…完了しました、現像します。)

(ありがとう、少し休んでて。)

(ありがとうございます、では…)

「できたよ、名前は…影爪(えいそう)月狼(げつろう)と名付けようか。」

「影爪・月狼…良い名だ…」

「それはよかった。」

「にしても中々白狼ちゃんたち来ないわねぇ…」

「まぁ佐助もいたらなおさらでしょう、あいつ顔は文句なしですから。」

「確かに…」

「ほぉ…随分と賑わっておるのぉ…」

3人で話をしていると、朧様がお越しになった、3人で即座に跪いた。

「おはようございます、魔王様。」

「良い、面を上げい。」

「「「はっ‼」」」

そう言われ面を上げた。

「ふぅ…八咫、狼牙、刀睡…一つ聞く…」

「「「何なりと…」」」

「この喋り方を魔刀衆の皆の前で解禁しても良いかの?」

「「え?」」

「その…わしとしては魔刀衆の皆とはもっと話したいし、何よりあの喋り方疲れるんじゃよ‼」

「「は、はぁ…」」

「良いかの?」

「「え‼いやぁそれは…」」

「僕は良いと思います。」

「「!?」」

刀睡さんと狼牙ではおそらく遠慮して話し方を継続させてしまうだろう、八咫はそう思い、自ら口を開いた。

「そ、そうかの。」

「はい、我々としても魔王様としてもその方がより接しやすくなると思われます。」

「そ、そうか‼その方が接しやすいか‼うむ、ではこれからは魔刀衆の皆の前ではこの喋り方で話すことにする、か、構わんかの?。」

「「「はい‼」」」

こうして朧様は魔刀衆に限定ではあるが、普段八咫にしている話し方に定着することになった。

「あ、そうじゃ八咫。」

「はい、なんでしょう?」

「わしにも二振り、双身刀を打ってくれんかの?」

「魔王様にですか…これは腕がなりますね、どういった物をご希望で?」

ここで武具錬成を発動し、内容を聞くのと同時に錬成を開始する。

「持ち手部分は分けることが出来る物が良い、鞘は4つほしい、硬度は岩盤と極限まで鍛えた鋼を合わせた硬度、切れ味は硬度と同等の物を斬れるほど、能力は神速と真空刃、それと光を纏わせる魔術と投げると回転しながら飛んでいく魔術、そして使用者から取らない限り使用者の周りを回り続ける魔術を付与してほしい。」

「かしこまりました、それでは始めていきます。」

(お話は聞こえておりました、ただ今錬成中です。)

(仕事が早いですね、流石鍛冶師さん。)

(ですが、スキルを付与するのは少し時間がかかってしまうんです。)

(でもいいものが出来ると信じていますよ、鍛冶師さん。)

(はい、ご期待に応えて見せます‼……完了しました、現像します。)

(ありがとうございます、少し休んでてください。)

(お気遣いありがとうございます、ここで八咫鋼様にお知らせがあります。)

(何ですか?)

(次に同程度の武具を錬成した際にある一つの条件を満たすことで武具錬成の技量が向上します。)

(その条件というのは?)

(その際にお話しいたします。)

(わかりました。)

(それでは、少し休憩させていただきます。)

「ふぅ…出来ました…」

「これが私の新たな武器…名は何という?」

「そうですね…妖刀(ようとう)桜無(おうむ)と名付けましょう。」

「妖刀・桜無…見事な一品じゃ。」

「恐悦至極にございます。」

「早速試し斬りと行きたいのぉ。」

「私もしてみたいです、試し斬り‼」

「私も、新しい牙の味を知りたいです。」

「では修練場に行くとするか‼」

「「「おー‼」」」

こうして、魔族の国・ヨモツの鍛冶場、万工房は魔刀衆と魔王の武具も造ってしまうほどの活躍をした。


続く…

この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますをよんでいただきまして、誠にありがとうございます。

作者の妖峰輪廻です。

今回は頼れる姉御・鏡海の刀睡について紹介いたします。

刀睡さんは最初の設定では、歴戦の猛者感が漂う強面の女性を予定していましたが、それだけですと、刀睡さんと会う場面で八咫君がびくびくしてしまうのではないかと思い、白狼ガチ恋勢という設定を加えました。

名前の由来は、魔刀衆であることから刀、鏡の能力を使った戦い方をしてほしかったので、鏡と入れようとしましたが、安直すぎるので止めました。

それから、水は鏡面反射をするため、水と入れようとしましたが、これを更に捻って、同じ読み方の睡蓮の睡を入れて、刀睡と名付けました。

刀睡さんに関してお話できるのはここまで、これからは刀睡さんの日常回も出す予定なので、その回だけ少しの百合展開があるのでご注意ください。

最後に、本作についての感想をお待ちしております。

それでは、また次のお話でお会いしましょう。

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