魔刀衆ですが刀を使えとは言われてません
やっほ~!!私は魔刀衆の弐刀、狼双の白狼だよ!!
今回は八咫も佐助も兄さまもいないから、代わりに私があらすじを話すよ!!
前回は、私と佐助、八咫に新たな仕事が課せられて、私と佐助は配達屋、八咫は工房を任されたよ。
それで、八咫の工房を掃除して、八咫に掃除を手伝ったお礼に武器を造ってもらったよ。
そしたら、包丁を直してほしいってお客さんがきたから、八咫はその包丁を一瞬で治しちゃったの!!
その後、お代をもらって、さっき造ってもらった武器の試し斬りいったんだ~。
武器の試し斬りをしてみたらまぁびっくり!!今まで使ったどの刀よりも丈夫で強かった!!
それで試し斬りから帰ってくると工房の前に尋常じゃない数の人の群れがいてびっくりしちゃった。よくあれで包丁刺さらなかったよね?不思議~。
で今八咫は、その大量の包丁を修繕している真っ最中ってとこだよ。
「えーと…切れ味回復が25件…新しく包丁造ってほしいのが14件…今の包丁をよりおしゃれにしてほしいのが5件…全体の修繕が40件…計…えーと…84件かな?」
「初日から随分ハードな量だな…」
「まぁ、やるしかないよ!!」
(武具錬成の使用申請を確認…承認しました…)
(かなり大量にあるけど大丈夫?)
(問題ありません…幾らでもきやがれです…)
(なんか口調かわってない?)
(主である八咫鋼様の技量が上がりましたので、それに伴い、私の人間性や知能が増しました…)
(なるほどね…じゃあ始めるよ…)
(御意…まずはどうしましょう…)
(一番数の多い全体の修繕からやろう…防腐の魔術も付与しておこう。)
(御意…修繕及び付与を開始いたします…………………………………完了しました…続いてどうしましょう…)
(次は切れ味の回復だね…防腐の魔術と…剛刃ってわかる?)
(切れ味がしばらく保たれる刃のことでしょうか?それでしたら可能です…)
(そうそれ、それもつけてもらえる?)
(御意…修繕及び付与を開始いたします……………………完了しました…続いてどうしましょう…)
(今の包丁をよりおしゃれにしてほしいかな…できるかどうか不安だし…)
(御意…ですが、おしゃれというのはどういった物にすればよろしいのでしょうか?)
(それが全く分からないんだよね…こっちの感性に任せるってことでいいのかな?)
(そうなりますね…どういった物にいたしますか?)
(そうだね…刃に和柄を入れるのはどうかな?)
(良き案だと思います…入れる和柄はこちらで決めても構いませんか?)
(構わないよ…)
(御意…塗装を開始いたします……完了しました…)
(最後は新しく包丁を造ってほしいだね…これが一番簡単そう…)
(ですが、一般的な包丁を量産しては信頼と評判に関わるかと…)
(そうだね…それぞれ刃の形状を変えていこうか…)
(御意…刃の形状はこちらで決めてよろしいでしょうか?)
(うん、お願い…)
(御意…錬成を開始いたします…………完了しました…全て現像いたします…)
(お疲れ様、ありがとう…)
(礼には及びません、そして、この大量錬成を経て、八咫鋼様の技量が上昇いたしました。)
(どんどん上がっていくね、これも鍛冶師さんのおかげだね。)
(お褒めいただきありがとうございます。それでは…)
「ふぅ…できた~、皆さん持っていてください。」
「おぉ!!わしの包丁が新品同然に!!」
「これが伍刀様が造ってくださった包丁…何という刃の美しさ…!!」
「この包丁…刃に青海波の模様が付いてる!!おしゃれ~。」
「私の包丁がまるで新刀のように切れる!!」
「みんな大興奮だね。」
「当然だろ?なんせ八咫なんだから。」
「ちょー疲れたけどね…」
「「「「ありがとうございます!!伍刀様!!」」」」
「いえいえ~。」
「そういえばおいくらですか?」
「そうだね…切れ味の修繕は1ゴールド、製造は3ゴールド、全体の修繕は2ゴールド、模様は…ゴールドの下って何?」
「シルバーだね、50シルバーで1ゴールドの価値。」
「じゃあ25シルバーで。」
「そんなものでいいんですか!?」
「うん、まぁ結構な量いるし…」
「ありがとうございます!!」
こうして1日で約150ゴールドと25シルバーの儲けをたたき出した。なお材料費はかかっていないためマイナスがない、実質利益の100%を手取りにできる。
「初日からとんでもない売り上げになっちゃった…」
「こりゃ明日から大変だな。」
「今日はもうお開きにしたら?」
「そうしよう。」
こうして万工房営業1日目はこうして幕を閉じた…
「そうだ!!八咫の武器作ってないじゃん!!」
「あ~そういえばそうだな、この際だから造っちまえば?」
「そうだね、明日からまたとんでもない量きそうだし…今のうちに造っちゃおう。」
(武具錬成の使用申請を確認…承認しました。本日はよくいらしますね、八咫鋼様。)
(お、言語能力が上がってるね。)
(八咫鋼様の技量が向上したおかげです。今の八咫鋼様でしたら、武具に魔術を8つ付与できる他、スキルなども付与できるでしょう。)
(スキルの方はつけられる数はどのくらい?)
(スキルの方は、2つほどでしたら付与可能です。)
(そこはまだ数が少ないね。)
(はい。これからも武具を錬成したり、複雑な武器を造るのが技量向上の近道です。)
(うん、そうするよ、早速複雑な武器を造っていこうか。)
(かしこまりました。)
(形状はベレッタM92Fでバレルに連射機構を搭載、マガジンは32発装填型のロングマガジン、グリップ部分に可動ギミックを付けて、アンダーバレル部分に刀身を仕込ませる。)
(可動ギミックを動作させた際に刀身を出すようにしますか?)
(うん、そうして。)
(御意。)
(刀身の切れ味は極限まで鍛えた鋼で造った刀と同等、硬度は極限まで鍛えた鋼と同等、バレル部分に炎・水・雷・風・氷・重力を生み出す魔術とバレル部分を特定のバレルに切り替える魔術を付与、マガジンには物体を創造する魔術で弾丸を高速で創造できる魔術を付与、これを二丁。)
(御意、ですが物体を創造する魔術より武具錬成で弾丸を錬成すればよろしいのでは?)
(そうしようとも思ったけど、流石に鍛冶師さんも疲れるでしょそれ。)
(お気遣い感謝いたします。)
(あと、物体を創造する魔術でバレルに合わせた弾丸を作れるようにしたいんだけど出来る?)
(可能です、そのように魔術の条件も書き換えておきます。)
(ありがとう。)
(それでは、錬成…開始いたします…完了しました…現像します。)
(ありがとう。)
(礼には及びません、それでは。)
「できた!!」
「銃?でもなんか形状変だな?」
「これは銃刀、銃でもあり刀でもある。」
「魔刀衆なのに…銃って…」
「まぁ刀を必ず使えとは言われてないしね、それで名前は?」
「うーん…」
銃に和名を付けるのは中々に難しい…銃刀…弾切れが亡い…八咫烏…亡烏…
「銃刀・亡烏…かな。」
「亡烏…良い名前だな。」
「よし、そうと決まれば早速試し斬り!!もとい試し打ちしに行こう!!」
「そうだね、行こうか。」
そういって修練場に向かった。
「あれ?誰かいる?」
「先客か?」
「あ!!刀睡さんだ!!」
「ん?その声は!!白狼ちゃん!!」
修練場にいた先客は、同じく魔刀衆の肆刀、道場の師範・刀睡だった、意外にも女性だったようだ。
「ん?そこの二人は?」
「あぁこの二人は伍刀の八咫と陸刀の佐助、二人とも私を助けてくれた人たちだよ。」
「へぇ~あんたらが…」
刀睡はゆっくりと近づいてきた。妙な緊張感が走る…
「一つ聞きたい…あんたら…」
(ゴクッ)
「白狼ちゃんのことをどう思ってる?」
「「え?」」
「どう思ってるか聞いてんの。」
予想だにしない質問に呆気に取られていた。
「可愛いと思ってます。」
「元気で活気があって一緒にいると楽しいといいますか…」
「あんた達…」
何か気に障ることを言ってしまったのだろうか。
「わかってるわねぇ!!」
「「え?」」
「そう!!それが白狼ちゃんの魅力!!元気で活気があってまるで妹のようなあの立ち振る舞い・言動、それら全てが可愛い!!まさに天使っ!!」
まさかの白狼ガチ恋税であった…
「ごめんね二人とも…刀睡さん何故か私のことになっちゃうとこうなっちゃうの…」
「気にしないで、僕もこういうときあったから…」
「そういやあったな、銃器の写真集持ってきて延々と好きな銃器について語られてたこと…」
「その節はごめん…」
「ところであなたたちは何しに来たの?」
「あぁそうだった、八咫が造った武器の試し斬りもとい試し打ちしに来たんだった。」
「造った武器?あんた武器作れんの?」
「まぁそんなところです。」
「へぇ、今度あたしの武器も造ってよ。」
「いいですけど、要望は工房で受けてますので。」
「わかったわ、じゃあ明日あたり伺うわ。」
「かしこまりました、お待ちしてますね。」
「ところでどんな武器を造ったの?」
「これです、名前は銃刀・亡烏。」
「へぇ、どんなことが出来るの?」
「それを試すためにここに来たんです。」
「相手はどうする~?」
「そうだな、中堅どころを10体くらいかな。」
「へぇ、随分と強気だねぇ…」
「性能を試すのに足軽相手に試しますか?」
「それもそうね、んじゃあ見せてもらおうじゃない。」
「じゃあこの子で行こうか。」
白狼が操作をすると色鮮やかな鳥が出てきた。
「随分色鮮やかな鳥だな~。」
「その子は"七星鳥"と"石孔雀"、七星鳥は色によっていろんな属性があるよ、石孔雀は体表や羽が石みたいに固いよ~。」
「ちょうどいい相手だね、それじゃあ…お披露目と行こうかっ!!」
八咫は亡烏を引き抜き構えた。
(赤い奴は水が弱点、青い奴は電気、黄色い奴は風、緑の奴は電気、紫は…炎、白と黒はそれぞれ光と闇…それぞれの弱点に合わせて属性変えてくか…)
赤い鳥が八咫に向かってきた。
「流水弾!!」
赤い鳥の眉間を的確に打ち抜き撃破した。
「へぇ、あの銃…水を発射出来るのか~。」
「でもそれじゃあ他の鳥に対して有効打が…」
つづいて青い鳥と紫の鳥が飛びかかってきた。
「雷弾!!焔弾!!」
こちらは心臓と眉間を的確に打ち抜いた。
「何!?炎と雷まで撃てるのかい!?」
「何つうもん造りだしてんだよ…」
「属性変更は問題ないね、それじゃあ次は…」
銃のバレルが通常のハンドガンのバレルから、対物ライフルのバレルに変形した。
「こっちも問題ないね、動作の方は…(ズギャン!!)うん、しっかり対物ライフルとして撃てる。」
対物ライフルのバレルで石孔雀の一体を貫通した。
「銃身が変形した!?」
「あれってアンチマテリアルライフルのバレルじゃ…」
「アンチマテ…なんて?というか何あの威力…さっきまでの弾丸と比較にならないんだけど…」
「石孔雀の体表は、研磨された槍でも貫くのは困難なのに…」
「さて、銃の方はこんな感じか…じゃあ最後は刀の方を試したいけど…こいつは石孔雀で試そうか…」
残りの4体の七星鳥は四方から一気に飛びかかってきた。
「鳥の癖に頭使ったね、でも…」
再びバレルを変形させた。
「君たちは邪魔。」
緑の鳥と黄色の鳥の弱点にあわせ、胴体をぶち抜いた。
「おっと…君たちは弱点付けないからなぁ…弾丸に重力を付けて…左は右向きに、右は左向きに…」
弾丸に重力を付与し、白と黒の鳥をお互いにぶつけた。
「うん、重力動作も問題なし‼」
「ショットガンのバレルに重力!?なんでもありだな…」
「なぜあんなに形状を変えられるんだ!?」
「そういえばさっき、銃器についてずっと語ってたことがあったって…」
「だからあんなに形状を変えられるのか…」
「うんうん、やっぱ近距離はショットガンだな~、弾丸もバレルに合わせたものに変更できるし、じゃあそろそろ…」
石孔雀は並列に並び、突進を仕掛けてきた。
「お、また頭脳戦?変わった鳥がいるもんだ…」カチャン…シャキン
「変形して刀になった!?」
(刀身に重力を付与…この重力は…外に広がる…)
「突き刺されェェェ!!」ザクッ
刀身は2体の石孔雀に突き刺さった、そして先程付与した重力で、石孔雀は内部から破裂した。
「うんうん、刀の方も異常なし、問題なく使えるね。」
「なんて奴だい…」
「八咫は頭が回るし、前の世界で培った銃器の知識、そして武具を造るっていう相性のいいスキルのおかげで、あそこまでの戦闘能力を生み出してるんだな。」
「佐助もそうでしょ?神速と格闘技術を合わせれば強いでしょ。」
「あそこまで行けるかどうか…」
「修練あるのみさ、暇の時があったら私が稽古つけてやろうか?」
「いいんですか?」
「あ!!ずるい‼私も刀睡さんに稽古つけてもらいたい‼」
「ハイハイ、二人とも稽古つけてやるから。」
「いいな、二人とも…」
「あんたもつけてやろうか?」
「本当ですか‼ぜひお願いします‼」
「ビシバシ行くから覚悟するんだよ?」
「はい‼あ、そういえば刀睡さんって魔刀衆の二つ名は何ですか?」
「私の二つ名かい?私は鏡海の刀睡って呼ばれてるよ‼」
「鏡海の刀睡…鏡の海…」
「あ、早速どんな魔術つけようか考えてる…」
「こうなると満足するまで戻ってこないんだよな…」
「へぇ、さて今日はもう遅いから帰んな。」
「あ、はい、ではまた。」
「わかりました、んじゃあまた。」
「はぁい、またね~刀睡さん。」
「またねぇ‼白狼ちゃん‼」
こうして八咫・佐助・白狼の三人は非番の時に肆刀・鏡海の刀睡に稽古をつけてもらう約束をしてもらい、八咫は自身の牙となる銃刀・亡烏を手に入れた。
続く…
この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
作者の妖峰輪廻です。
本日3回目の更新です。
今回は元気‼寝坊助‼可愛い‼の三拍子妹キャラ・狼双の白狼についてお話していきます。
白狼は、初めから洗脳されて、刺客として登場させる予定でした。
その洗脳の仕方をどうするか悩みましたが、常に意識を蝕まれる苦痛を与えるようなものではなく、術を刻めば即座に洗脳できるようなものにしています、そんなことしたらかわいそうですからね。
性格は、とにかく元気な活発系の女の子‼と思いきや戦闘になれば一変、獲物を冷酷に狩る…まさに狼のような性格になる、二重人格のような性格になっています。
初期段階では、ただの元気で活発な女の子という設定でしたが、魔王様が選んだ精鋭部隊・魔刀衆に所属しているという設定上、やはり戦闘面も強くなければということになりましたが、元気で活発な女の子が笑いながら戦ってたらそれはそれで需要があるかもしれませんが、絵面がとんでもなく怖いので冷酷な狼に変わるという性格にいたしました、なおこの戦闘時に性格が変わる性格は、兄にあたる狼牙も同様です。
白狼についてお話しできることは現段階では以上です、これからもっと可愛くなっていくので楽しみに待っていてください。
最後に、本作品について何か思うことがございましたらコメントなどをいただけると嬉しいです、ですがアンチコメントは傷ついてしまうのでお控えください。
1話から読んでくださっている方や、この話から読み始めたという方は是非、この物語の完結までお付き合いいただけると幸いです。
それでは、また次のお話でお会いしましょう。