人魔連合の第一歩、そして望まぬ再会…
皆さまどうもこんにちは、魔刀衆・第壱刀…魔爪の狼牙だ…
今回は私があらすじを担当させてもらう、何やら朧様はしばらくやりたくないといい、鋼もそんな朧様を慰めているのでな…
前回は、朧様が地下牢にて、フィル・フィア・クルファの三人に人間の王国の事について聞いていたらしい。
どんな事を聞いたのか、詳しい説明などはまだ聞いていないがな。
いずれにせよ、我々魔刀衆は朧様についていくだけだ。
そして今は、皆天守に集まれと召集がかかった。
朧の指笛がヨモツに響き渡った…
鋼「お…召集だ。」
陽炎「えっ?また何か来るの?」
鋼「それは行ったらわかること、ほら行くよ陽炎。」
鋼は募兵所にお辞儀をして、城の方に飛んで行った。
陽炎「えっ⁉ちょっと待ってよ鋼⁉置いてかないでよ~‼」
陽炎は城に向かって走っていった…
佐助「おっ、召集だ、白狼~それ届けたら行くぞ~。」
白狼「うん‼わかった~‼」
佐助と白狼は超高速で荷物を届けて、城へと向かった。
狼牙「むっ?召集か…空蝉の報告は城で聞くとするか…」
狼牙はヨモツの外壁上を走って城へ向かった。
玄秦「むっ、召集か…ちょうど良い…今しがた食べ終えたところだ…食後の運動といこう、モケモケ…」
モケモケ「もけぇ…」
玄秦「まったく…」
玄秦さんは満足そうにとろけてるモケモケを手に乗せて、城へと向かった。
なお代金はちゃんと払っている。
朱桜店員「ありがとうございました~またお越しくださ~い‼」
刀睡「ん?召集か…最近多いねぇ…」
月巴「そうですね、陽炎も向かってるんですかね?」
刀睡「たぶんね、先に城に行って待ってましょ。」
月巴「はい。」
刀睡は月巴と手を繋いで鏡の中に入っていった。
シエル「あ、召集だ…いつもは狼牙さんに乗せてってもらってるけど…今日は少し可能性を広げてみようっと。」
シエルは光を集めて板状にし、それに乗った。
シエル「あとはこれを…」
そしてヴァルロストスを舵のようにすると…
シエル「うわぁああああああ‼」
かなりの速さで城に一直線…
天守では…
朧「…誰かいないと暇じゃのぉ…」
朧が待ちぼうけをくらっていた…
朧「そろそろ刀睡か狼牙…あと鋼が来そうじゃが…」
すると超高速で何かが突っ込んできた…
朧「まったく…慣れないことをするもんではないぞ?シエル…」
シエル「す…すみません…痛たたた…」
羽を使えばいいと思う者もいると思うが、シエルの羽は今や飾りだ…飛ぶことはできるが、もって数分…転生前のように縦横無尽に飛び回れないのだ…
シエル「私が一番手でですか?」
朧「うむ、そろそろ刀睡が来ると思うが…」
刀睡「はい、来ました。」
鏡の中からぬるりと出てきた。
月巴「月巴もいます…」
朧「んっ?陽炎は一緒ではないのか?」
刀睡「陽炎は休憩で外に出てまして。」
朧「なるほどのぉ…」
そして、天守の外から空気を蹴るような、撃つような音が響いた。
朧「鋼じゃな。」
シエル「わかりやすいですね、鋼さんの移動方法。」
天守の外から鋼が転がり込んできた。
鋼「あ、今回は一番に来れたと思ったのに…」
朧「残念じゃったの、今日はシエルが一番乗りじゃ。」
刀睡「何の競争なのそれ?」
すると今度は遠くから風を切るような音が聴こえた。
鋼「佐助と白狼だね、あと狼牙。」
月巴「三人とも早いから、風を切る音がするんだよね。」
そして風と共に三人が入ってきた。
狼牙「朧様…魔刀衆・第壱刀…狼牙…」
白狼「第弐刀…白狼…」
佐助「第陸刀…佐助…召集に応じ参上致しました…」
朧「まったく堅苦しいのぉ…もうその挨拶はせんでよいぞ?」
狼牙「いえ、ですが…」
朧「妾は皆とはよき友でいたいんじゃ…まぁ…鋼とはそれよりも進んだ関係になりたいが…///」
すると加具那岐が失神した状態で出てきた。
佐助「加具那岐ぃぃいい‼」
鋼「なんか久々だな…この感覚…」
そして外から岩がせりあがってきて、玄秦さんとモケモケが入ってきた。
玄秦「朧様…参刀・玄秦…ただいま参りました…」
モケモケ「もけもけ…もけもけもけもけけ…」
鋼「もふ刀ってなんだよ?(神眼使用)」
モケモケ「もけぇえ⁉」
朧「あぁ、わかるぞ?(真・神眼使用)」
佐助「ちなみに俺もな?(心眼使用)」
モケモケ「もけぇぇ…」
月巴「そういえば陽炎は?」
鋼「置いてきた。」
月巴「はぁあ!?」
すると、天守の扉の方から足音が聴こえてきた。
陽炎「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
佐助「呼吸浅いな…大丈夫か?」
陽炎「大…丈夫…な…わけ…ぜぇ…ない…でしょ…ぜぇ…」
朧「みな、よう集まってくれた。」
朧の一声で全員スイッチが切り替わったように真面目な顔になる…一人を除いて…
朧「集まってもらったのは…先日の勇者の側近…フィル・フィア・クルファから得た情報についてだ。」
狼牙「人間たちの王国についてですか?」
朧「その通りだ、奴らは教会というところで勇者たちを召喚しているらしい。」
鋼「あぁ…なんとなく覚えが…」
佐助「確かにな、もう随分前だけどな…」
月巴「そっか、二人は召喚でこっちに来たんだったよね。」
朧は気にせず話を進める。
朧「そして、この召喚魔法は、神官と呼ばれる者しか会得していないという情報だ。」
白狼「つまりそいつだけでも叩ければ‼」
朧「あぁ、もう勇者は来なくなる。」
鋼「でも…人魔連合の世を作るには…」
朧「あぁ、それだけでは足らん…根本的な、"人間の持つ魔族の先入観"を取り除いていかねばなるまい…だが神官を殺せば、魔族は悪という思想がさらに深く根付いてしまう…」
シエル「困りましたね…」
朧「そこでじゃ、妾はあの三人にある条件の元、話をしてもらったんじゃ。」
玄秦「ある条件?」
モケモケ「もけもけ?」
朧「あぁ、人間の王国にいる、奴らの大事な人たちをヨモツに迎え入れることじゃ。」
刀睡「なるほど…それに付随して、魔族に対しての先入観が深く根付いていない人間たちも一緒にヨモツに迎え入れると…」
朧「その通りじゃ。」
狼牙「であれば、彼女たちにも協力を仰ぎましょう、空蝉たちの協力も仰げば、かなり迎え入れやすいと思います。」
朧「そうじゃな。」
鋼「いよいよ、本格的に始まるんだね…人魔連合の世作りが…」
朧「あぁ…この一歩を踏み出すのに…苦労した…皆のおかげだ、ありがとう…」
朧はみんなに深々と頭を下げた…
狼牙「そ、そんな…」
白狼「朧様‼頭を上げてください‼」
鋼「まぁまぁ…」
しかし…安心しきっていたところに…突如人ひとりが入れるくらいの水の球体が現れた。
鋼「なんだ⁉この水…いったいどこから…」
全員臨戦態勢に入った…
佐助「水って言ったら白狼と刀睡さんだけど…どっちも武器出してねぇよな?」
白狼「うん、出してない…」
刀睡「出す理由もないしね…」
陽炎「というか…あの水…中に誰かいない?」
朧「何?」
月巴「確かに…よく見たら…」
すると水の球体は突然はじけた。
狼牙「今度ははじけたか…なんなんだ一体…」
玄秦「むっ?誰か倒れているぞ?」
鋼「おぉホントだ…うつ伏せの状態はまずいな、ひっくり返すぞ。」
そして…突如現れた人物をひっくり返すと…
月巴「えっ…」
陽炎「なっ⁉」
佐助「嘘…だろ…」
転生組は驚いていたが…誰よりも驚いていたのは…鋼だった…
鋼「なんで…なんで来ちまったんだよ…海月…」
続く…
この度は、オタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方します、を読んでいただきまして誠にありがとうございます。
作者の妖峰輪廻です。
はい、ということでついに登場しました…鋼君の妹にして新たな転生者・影裏 海月‼結構無理やり感あってごめんなさい…
第35話で名前が出てきてようやくの登場です、まだセリフはありませんが…
鋼君の中でもとっても重要な立ち位置なキャラクターなので必見です‼
それでは、また次のお話でお会いできるのを楽しみにしております。
毎度毎度終わり方が謎すぎてごめんなさい…