平和な一日…不穏な報せ…
皆様こんにちは、魔刀衆・第伍刀の無尽の八咫鋼です。
今回は僕があらすじを担当させていただきます。
前回は、体力がなくなってへとへとの佐助をおぶって、城まで突っ走りました。
狼牙と白狼は、怪我自体は軽いものだったんですが、医務室で休んでもらってます。
まぁ…医務室の回復薬を塗っていたのですぐに治りそうですが…
そしてその後、みんなでお互いの無事を笑い合いました。
今は、各々眠りについて、そろそろ起きる頃ですね。
勇者の進軍の翌日…ヨモツに朝日が昇った。
鋼「んぅ…」
鋼は目に入る朝の光で目覚めた。
鋼「んぅ…あぁ…よく寝た…」
鋼は伸びをして、布団から出ようとした。
ふと隣を見ると…
朧「すぅ…すぅ…んぅ…?」
朧がちょうど目を覚ました。
鋼「おっ、おはよう、朧。」
朧「おはよう…鋼…」
まだ朝のまどろみの中だった…
狼牙と白狼は…
医務室にて目覚めた…
狼牙「んぅ…あぁ…」
狼牙は軽く伸びをして、辺りを見回した。
白狼はまだ幸せそうな表情を浮かべて眠っていた…
すると、二人の医務室をノックする者が現れた。
シエル「狼牙さん?起きてますか?シエルです。」
ノックしてきた者の正体はシエルだった。
狼牙「はい、起きてます。」
狼牙の声を聴いたシエルは医務室の扉を開けて、入ってきた。
シエル「おはようございます、狼牙さん。」
狼牙「おはようございます、シエルさん。」
シエルは狼牙の横に座った。
シエル「具合の方はどうですか?」
狼牙「おかげさまで、傷自体も浅かったし、使った回復薬も効果の高いものだったし、この通り元通りです。」
シエル「そうですか…よかった…」
狼牙「そういえば、佐助は?」
シエル「私が出るときはまだ寝てましたが…」
すると、扉の外から、走ってくる音が…
佐助「おはよう‼狼牙‼シエルさん‼白…狼はまだ寝てたか…」
狼牙「あぁ、おはよう。」
シエル「ふふふ…おはようございます。」
狼牙「朝から騒がしいな…お前は…」
佐助「悪ぃ…」
狼牙「気にするな、むしろそこまで心配してくれてると思うとうれしい…」
佐助「そ、そうか?」
こちらも平和な朝を迎えていた。
月巴たちは…
月巴「ふぅぁあ…あっ…あぁぁ…」
陽炎「んぅぅぅ…あぁぁ…」
二人とも同じタイミングで目が覚めた。
月巴「おはよう、陽炎。」
陽炎「おはよう…月巴…」
なぜか陽炎はそわそわしていた…
月巴「何そわそわしてるの?」
陽炎「いや…初めてだなって…こうやって…お前と一緒に朝迎えるの…」
月巴「ちょっ…ちょっと…やめてよ…恥ずかしくなるじゃん…」
こちらもこちらで平和だった。
刀睡さんは…
刀睡「はぁああ…」
何故か不機嫌だった…
刀睡「月ちゃん…」
髏玄「あぁ…そういえば刀睡さんだけだったね…月ちゃんと寝てなかったの…」
火凛「まぁ、いいんじゃない?月ちゃんはあっちで幸せそうだし?」
蜃竜「しばらくは引きづるだろうね…これ…」
こっちはこっちで大変だった…
そして、鋼の方は…
鋼「それじゃあ、工房に行ってくる。」
朧「うむ、気を付けるのじゃぞ。」
鋼は万工房に向かった。
鋼を見送ると…
シエル「朧様?」
後ろからシエルに話しかけられた。
朧「おぉ、シエルか、どうしたんじゃ?」
シエル「はい、狼牙さんと白狼さんの怪我に使った回復薬、あれ朧様が調合してくれた奴だと聞いたので、そのお礼に…ありがとうございました。」
シエルは深々と頭を下げた。
朧「顔を上げよ、そんな大したことはしておらん。」
シエル「いえ、私の気が済まないので。」
朧「まったく…なら、少し付き合ってくれぬか?」
シエル「はい、何なりと。」
朧「お主は狼牙の家で料理を作っていると聞いての?一緒に作ってみたいと思っておるのじゃが…どうかの?」
シエル「はい‼ぜひ‼」
狼牙と白狼は…
ヨモツ軍医「そうですね…特に傷跡もないので、職務に戻ってもらって構わないです、さすがは魔王様の調合した回復薬ですねぇ…」
狼牙「そうか、感謝する。」
ヨモツ軍医「いえ、私はただ処置をしただけですよ。」
白狼「それだけでも十分ありがたいです、ありがとうございます。」
二人はそのまま、医務室を後にした。
月巴達は…
月巴「刀睡さーん、いますかぁ?」
刀睡が師範をしている道場に来ていた。
刀睡「あら、月ちゃん‼…と…」
陽炎「初めまして…ではないですけど…陽炎です。」
刀睡「ふーん…あ、もしかして月ちゃんがあの時言ってた相手って…」
月巴「わぁああ⁉それ言わないください‼」
陽炎「ん?どうしたんだ?」
刀睡「お、その反応…やっぱりね。」「(にやにや)」
月巴「もぉおおお‼」
刀睡「陽炎。」
陽炎「はい?」
刀睡「月ちゃんのこと…お願いね。」
陽炎「は、はい‼」
玄秦さんは…
玄秦「うーむ…やはり人がいると違うのぉ…」
モケモケ「うきゅきゅ~‼」
モケモケと一緒に門番をしていた。
今までずっと一人で門番をしていたので、寂しかったようだ。
玄秦「寒くないか?」
モケモケ「うきゅ‼」
玄秦「そうか、大丈夫か。」
なぜか言っていることがわかる玄秦さん…
一方鋼は…
鋼「えーと…刃物の修繕が13件…道具の製造が3件か…うしっ‼始めるぞ加具那岐‼」
加具那岐「かしこまりました、修繕・製造、開始いたします。」
鋼が頭の中で考え、加具那岐がそれを形にする…
錆びた刃物はみるみるうちに輝きを取り戻し、子供の道楽や農作業に使う道具、釣り道具なども製造されていく。
加具那岐「創造…完了しました、やはり鋼様の想像力は見事なものですね…」
鋼「ありがとう、加具那岐もいつも完璧だよ。」
加具那岐「いえいえ…ではまた御用があればお呼びください。」
鋼「うん、それまで休んでて。」
一方狼牙は…
ヨモツの門の上で私設部隊の空蝉と話していた。
狼牙「また勇者が?」
空蝉隊員「はい、今回は勇者の情報も持ち帰っております…こちらを…」
空蝉の隊員は狼牙に巻物を渡した。
狼牙「異性に対して効く魅了の能力か…」
空蝉隊員「はい、異性に何らかの光を浴びせて従えている姿を確認済みです。」
狼牙「ヨモツまでどのくらいで着きそうだ?おおよそでいい。」
空蝉隊員「はい、おおよそ…五日でヨモツに到達するかと…」
狼牙「わかった、このことは私から朧様に伝えておく、お前たちは…魅了の勇者に何か動きがあれば都度知らせろ。」
空蝉隊員「御意に…」
空蝉の隊員はスっと消えた…
狼牙「影烏…これを朧様のところへ…」
影烏は巻物をもって朧のところに…
一方朧は…
シエル「朧様とのお料理たのしいです‼」
朧「私もだ、よもや料理がこんなに楽しいとはな…つい作りすぎてしまった…」
シエル「お昼に皆さんを呼んで食べましょう‼」
朧「そうするかの‼」
すると、影烏が入ってきた。
シエル「何ですか?この鳥…」
朧「狼牙の影烏じゃ、偵察や情報を渡すときによく用いるのじゃ。」
朧は影烏が持っている巻物を見た…
朧「これは…ちょうどよい、昼時に呼ぼうかと思っていたが、手間が省ける。」
シエル「どうしたんですか?」
朧「それは天守にて話す、皆を呼ぶぞ。」
シエル「はいっ‼」
朧とシエルは天守に向かった。
続く…
この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますを読んでいただきまして誠にありがとうございます。
作者の妖峰輪廻です。
3日連続投稿です‼この調子で連続投稿頑張っていきたいと思います‼
あと、もう一つの作品の"転生学生・乙女百合ゲーム世界で愛されてきます‼"なんですが、こちらは更新がかなり遅れてしまいます…
同時進行で進めてはいますが、この物語が終わるまで更新は厳しいかもしれないです…楽しみにしてくださっている方々…本当に申し訳ございません…
この物語が終わるその時まで、首を長くして待っていただけると幸いです。
それでは、また次のお話でお会いできるのを楽しみにしております。