玄秦さんとモケモケ、月巴と…
こんにちは、鋼です。
お久しぶりで忘れられてる方もいらっしゃるかと思いますが…
前回は城にて狼牙と月巴さんと一緒に朝ごはんを作っていたところに、寝起きの朧が登場。
僕は慌てて名前を読んでしまい、二人に名前呼びしてるのがばれてしまいました…
それから、朝ごはんを作り、天守で食べようとしたところに、
愛玩魔物であるモケモケが迷い込んでいました。
今はみんなで朝ご飯を食べています、もちろんモケモケもね。
鋼「ふぅ…ご馳走様でした…」
狼牙「ずいぶん早いな…」
鋼「そろそろみんなを起こさないといけないからね。」
月巴「確かに…そろそろま…朧様の御前に集まる時間ですもんね。」
朧「もうそんな時間か…」
各々朝ごはんを食べ終えていった…
鋼「じゃあ僕は佐助と白狼起こしに行ってくるね。」
狼牙「あ、少し待ってくれ鋼、その前に一緒にシエルさんのところに来てくれないか?」
鋼「ん?別にいいけど…」
月巴「じゃあ…私は刀睡さん起こしに行ってきますね…」
朧「待て月巴、わしも行こう…一人では不安であろう?」
月巴「朧様ぁ…ありがとうございますっ!!」
朧「お、おう…」(ここまで喜ばれるとはの…普段何をされとんじゃ?)
鋼「そうなると玄秦さん誰が起こしに行くの?」
狼牙「確かにな…でも一人だけ暇な奴が…」
狼牙はそう言うと、モケモケを見た…
狼牙「頼めるか?」
モケモケ「うきゅ!!」
そして各々起こしに向かった…
鋼と狼牙・シエルの部屋に向かう途中…
鋼「そういえば、何で僕についてきてほしいって言ったの?言いたくないなら別にいいけど…」
狼牙「いや、言っておくよ…実は魔狼族のオスは、月に一度…発情期のようなものが来るんだ…症状を抑える方法はあるにはあるんだが…」
鋼「それが異性に何かするってことで、それをシエルさんに?」
狼牙「あぁ…異性の血液か体液を摂取し、睡眠すれば症状は抑えられる…」
鋼「ふーん…その症状は完全にはなくならないの?」
狼牙「あるにはあるんだが…」(参ったな…番を作るとその症状がなくなるなんて言えない…)
鋼「あの…狼牙…?」
狼牙「なんだ?」
鋼「僕…朧よりは劣るけど、同じ目を持ってるんだけど…」
狼牙「え…」
狼牙の先ほどの心の声は鋼にはしっかり聞こえていた…
鋼「申し訳ないと思うなら…なっちゃえば?」
狼牙「バ、バカ!!そんな自分勝手な理由で番になれるかっ!!」
鋼「でも…好きなんでしょ?」
狼牙「ぐっ…」(確かに…シエルが来てからというもの…いつもは一人で寝れていたのに…急に眠れなくなった…朝ごはんを作っているときでも…気を抜いたらシエルの事が脳裏に…)
鋼「それが答えだよ…あとは…(トンッ…)ここの問題…」
鋼は狼牙の胸を軽く拳でたたいた。
狼牙「ふっ…(パチンッ)」
鋼「イテっ…」
狼牙は鋼のおでこにデコピンをかました。
狼牙「俺より経験があるからって…図に乗るなよ?若造…」
鋼「ふふ…年寄りは素直じゃないからねぇ。」
狼牙「誰が年寄りだ、俺はまだ23だ。」
鋼「人の年齢で?」
狼牙「どっちでもだ。」
鋼「へぇ~。」
狼牙「長話が過ぎたな…早く起こしに行こう。」
鋼「はいはい。」
一方朧と月巴は…
朧「のう、月巴…」
月巴「なんでしょうか、朧様?」
朧「主は普段刀睡に何をされとるんじゃ?」
月巴「そ、それは…何と言いますか…」(なんて言えばいいんだろう…○○○○や○○○○なんて言えるわけないし…)
朧「あぁ…やはり言わんで良い…」
月巴「あ、ありがとうございます…」
そして、部屋に着いた…
朧「では、開けるかの…」
扉を開けると…(ピシャンッ!!)
月巴「お⁉朧様っ⁉」
朧「月巴…刀睡は起きなかったと言おう…」
月巴「え…」
朧「良いな?」
月巴「は!!はいっ!!」
戻って狼牙と鋼…
狼牙「ふぅぅぅぅ…」
鋼「開けないの?」
狼牙「今開ける…」
狼牙は部屋の扉を恐る恐る開けた…シエルはまだ寝ていた。
狼牙「起こすときって…どうするんだ…って⁉」
狼牙が後ろを向いたときには鋼はいなかった…
狼牙「あいつ…気を使ってなのか、おちょくってるのか…」
すると…
シエル「狼牙様?」
狼牙「シ⁉シエルさん⁉お⁉おはようございます⁉」
シエル「えっ…お、おはようございます…」
シエルは狼牙の様子に違和感を覚えた…
狼牙「そ、それで…お体の方は…」
シエル「は、はい…特に大事なく…(ドクンッ…ドクンッ…)」
狼牙「シエルさん?心臓の鼓動が早いですが…本当に大丈夫ですか?(ドクンッドクンッドクンッドクンッ)」
シエル「それは狼牙様も同じです!!」
狼牙「いえ…これは…」
シエル「………」
何とももどかしい空気が流れた…
狼牙「魔王様が上で待っておりますので向かいましょう…」
シエル「わかりました…」
すると…狼牙はシエルに手を差し伸べた…
シエル「え…」
狼牙「この城…階段が多いので…よろしかったら…」
シエル「はい…///」
シエルは頬を赤らめながら手を取った…
一方佐助と白狼のもとに向かった鋼は…
鋼「とりあえずあの二人だけにしておいておこう。」
足早に佐助と白狼の元へ向かった。
部屋の前に着き、扉を開けると相変わらず二人は寝ていた。
鋼「今は効くかわからないけど…この手を使うか…」
鋼は佐助の耳に顔を近づけて…
鋼「ゲコッ(超高音質)」
クオリティの高いカエルの鳴きまねをした。
佐助「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
佐助は悲鳴を上げて飛び起きた。
鋼「おはよう佐助。」
佐助「へ?あ、おはよう…」
佐助は先ほどのカエルの声が鋼が出したものだと気づくと安心した。
鋼「相変わらず苦手なんだ、カエル。」
佐助「当たり前だろ…小さい頃に飛んできたでかいカエルが顔面に張り付いてみろ…」
鋼「まぁ僕も虫未だに無理だからね…」
白狼「ん~?何?」
佐助の悲鳴を聞き、白狼も起きたようだ。
佐助「お、おはよう白狼。」
鋼「おはよう。」
白狼「おはよ…さすけ…はがね…」
鋼「全く…準備できたら二人とも天守に来てね。」
佐助「わかった。」
白狼「はぁーい…」
一方モケモケは…
モケモケ「………うきゅ…」
扉の位置が高すぎるため開けられずにいた…
モケモケ「うきゅっ!!(ポフッ)」
体当たりしたが、アリが象に突進するような効果しかない…
すると…
玄秦「うん?もうこんな時間であったか…起きねばな…」
玄秦は自力で起きてきた、そして扉を開けると…
玄秦「うん?」
モケモケ「う…うきゅぅ…」
小さなモケモケが目に留まった、そしてしゃがみ込んで…
玄秦「小さきものよ、ほれ…ここにお乗り?下に居ては危ういぞ?」
玄秦は手を差し出し、手に乗るようにモケモケに話した。
モケモケ「う…うきゅきゅ…」
モケモケが乗ったことを確認すると、玄秦はそのまま天守に向かった…
天守では…
朧「月巴…わしから鋼に言ってみる…月巴の家を作れぬかと。」
月巴「いやいや!!流石に恐れ多いです!!それに…一人は寂しいですし…」
朧「そうじゃの…せめて同居人の一人はいてくれるとよかったなじゃが…」
二人が話していると…
狼牙「魔王様、シエルと狼牙、参りました。」
朧「ご苦ろ…」
狼牙とシエルが手を繋いでる光景が目に入ってしまった朧…
朧(まさか…二人もなのか⁉いや…じゃがこの感じ…まだお互いの気持ちを理解してないじれったいあれじゃの。)
月巴(いやなんでそれで気づかないの⁉おかしいじゃん⁉もう諸じゃん⁉)
二人が心の中で熱くなっていると…
鋼「魔王様、八咫鋼…参りました。」
朧「ご苦労…ん?佐助と白狼は?」
鋼「はっ、もうすぐこちらに来るかと…」
佐助「魔王様、佐助と白狼…参りました…」
朧「ご苦労、かけておれ…」
佐助「はっ…」
しばらく待っていると…
玄秦「魔王様、玄秦…参りました…」
朧「ご苦労…これで全員か…」
鋼「あれ?刀睡がまだですが…」
朧「よい、寝かせておれ…さて…今日は皆に伝えることがあっての…」
その場にいる皆(鋼と狼牙、月巴以外)は息を飲んだ。
朧「貴様らに、我が名を伝えようと思う…」
佐助「え…」
白狼「ん?」
シエル「え?」
玄秦「なんと?」
4人の反応を気にも留めずに…
朧「我が名は…朧…白鉄朧…」
佐助「白鉄…」
白狼「朧…」
シエル「なぜ…」
玄秦「今になって…」
朧「それはの…」
朧は鋼の方を見て…
朧「鋼が狼牙と月巴の前で言ってしまったからじゃ。」
鋼「二人が合わせるの厳しそうという理由からだそうです…」
朧「ということで、これから魔王ではなく朧と呼ぶことを許す…そして鋼はいつも通りの話し方を魔刀衆の皆の前でだけ許す。」
鋼「わかった、ありがとう。」
朧「別によい、もとはといえばわしが寝起きで向かわなければ…」
((((何この空間…))))
佐助「まぁ…いいか…」
朧「とまぁ、皆も気づいていただろうが、わしと鋼はすでにそういう関係なんじゃ…」
鋼「はぁ…ようやくいつも通りでき…」(キィィィィ…)
突然朧と鋼の未来視が反応した…その見た未来は…
鋼「ここ穴開けるだけで良さそうだな…」
朧「そうじゃな…」
鋼はそう言って天守の天井に穴をあけた。
佐助「何してんだ鋼?」
鋼「ちょっと見えてね…」
白狼「何が?」
朧&鋼「転生者が来る…」
月巴「え⁉」
狼牙「それがちょうどここに⁉」
鋼「うん、ただ今回は見えてる分だいぶ楽…」
朧「顔は見えなかったがな…」
佐助「知人が来たりしてな…」
月巴「さすがに…」
鋼「そんなこと言ってたら来たよ…」
鋼の視界の先には真っ逆さまに落ちてくる男が一人映っていた。
鋼「非殺傷弾…弾着後…ゆっくりと降下…」
鋼は亡烏をスナイパーライフルバレルに切り替え、スコープを除いて構えた…そして…
鋼「(ズバァン!!)………弾着…」
そしてゆっくりと転生者は落下してきた、非殺傷弾なので傷はない。
月巴「はぁっ⁉」
朧「ん?どうしたんじゃ月巴?」
鋼「またか…」
狼牙「また?ってこの服⁉」
白狼「鋼と佐助、月ちゃんたちと同じ服⁉」
佐助「しかも…生徒会副会長ですよね…この人…確か名前は…」
月巴「零双 業…私の…数少ない…心の内を明かせられる友達だった…」
鋼「あいつが無関係…な訳ないよね…」
鋼たちはまたもや転生者を迎えることになった。
続く…
この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますを読んでいただきまして誠にありがとうございます。
作者の妖峰輪廻です。
2か月と4日ぶりの投稿でございます…
ここ最近は本業と別のシナリオも並行して進めていたり、この物語の最終決戦や結末を考えていて、あまり時間がとれずにいました…
ですが、前回よりかは内容は濃いと思っています!!
さて、今回は新キャラ:零双 業くんが登場しました。
彼は当初予定していた転生者の一人ですね、これで人間の転生者は全部出た…と思ったんですが…物語を考えてる段階で、もう一人いてもいいんじゃないかと思い、もう一人も登場させる予定です!!
どんなキャラがやってくるのか楽しみにしていてください!!
また、本編では語られていない、過激な部分や裏側などを記載してある番外編をノクターンノベルズの方で載せているのでそちらも見ていただけると幸いです。
それでは、また次のお話でお会いしましょう。