かわいらしい来訪者‼襲い来るモフコロの誘惑‼
みんな~‼こんにちは~‼白狼だよ~‼
今回は私があらすじを担当するよ~‼
前回は皆で魔王様のお城に泊まったよ、そこでみんなでおしゃべりしたり、傷を癒したり、背中のどこかの骨が折れたり、料理を食べたりして、それぞれのお部屋に行って眠ったよ。
お部屋から見るお月様綺麗だったなぁ…そういえば、兄さん大丈夫かなぁ?満月の日はたまに苦しそうにしてるけど…
ちなみに今はもう朝だよ~。
チュンチュン…
八咫と朧は…
「んぁ…朝か…んぅ…ん、あぁ…」
八咫は相変わらず早くに目を覚ました。
「すぅ…すぅ…」
「朧は…まだ寝てるな…」
隣では朧が自分の服の袖をつかんでいた。
「さて…(スルッ)たまには僕が朝の準備してあげるか…」
八咫は上に羽織っていた服を脱ぎ、厨房に向かった。
厨房に着くと…月巴と狼牙がいた。
「お、おはよう、八咫。」
「おはよう、八咫君。」
「おはよう、狼牙、月巴さん。」
「ほう、八咫は朝に強いのか。」
「まぁね、これでも昔は佐助の朝の世話を佐助のお母さんに任されてた時あったから。」
「佐助君そんなに朝弱かったんだ…」
「あぁ、普段の姿からは想像もできないような抜け具合だぞ。」
「確かにね、そういえば二人はどうしてここに?」
「あぁ、一泊の恩で朝食を作ろうと思ってな。」
「私もそんな感じ。」
「別に気にしなくてもいいのに、元はと言えばあの手合わせが原因なのに…」
「まぁそう言うな、私たちのわがままに付き合ってくれ。」
「じゃあ僕も手伝うよ、これは僕のわがまま。」
「わかった、じゃあ三人で作ろう。」
こうして三人で朝食を作る事にした。
「それにしてもこの包丁切りやすいなぁ、刃が抵抗なく入っていく。」
「それ僕が作ったやつ、防腐・剛刃が付与してあって切れ味も調理する分には快適だよ。」
「なるほど、あっそうだ思い出した。」
「ん?どうしたの?」
「白狼が最近料理を始めてな…」
「それ大丈夫なんですか?」
「予想通りダメだ、包丁を武器を持つ癖で逆手に持つ始末だ…」
「なるほど、つまり逆手で使える包丁を作ってほしいってこと?」
「察しが良くて助かる、頼めるか?」
「良いけど、何か対価はもらうよ?」
「えんがわで作った丼物・特盛で一杯。」
「乗った、最高の包丁作ってあげるから待ってて。」
「それでいいんだ…」
「加具那岐さん…仕事です。」
「かしこまりました、どういった仕事でしょうか。」
「逆手持ち用の包丁を造ります。」
「わかりました、では包丁に付与する魔術と硬度はいつも通りでいいですか?」
「はい、それと体に傷がつかない魔術も付与しよう。」
「御意、錬成します…完了しました。」
「いつもありがとうございます。」
「私の方こ…いえ、礼には及びません、それでは…」
「出来たよ。」
「変わった形状だな、逆手で突き刺すようにして使うのか。」
「そう、これなら逆手でも使えるでしょ?」
「考えたね、八咫君。」
「じゃあ今度ごちそうしてもらうからね?」
「あぁ二言はない。」
一方朧は…
「んぅ…ん?」
朧は手探りで鋼を探している、だが探せど探せど鋼がいない…
「鋼…?どこじゃ?」
目を開けると、鋼の衣服だけ置かれていた…
「どこに行ったんじゃ…?」
そのままの状態で探しに行ってしまった、ふと厨房から音が聞こえた…
「鋼ぇ…おるかぁ…?」
「「ま、魔王様!?」」「朧ぉっ!?」
「ああ‼鋼いたぁぁ‼」
朧はそのままの状態で鋼に抱き着いてきた、まるでご主人に甘えてくる猫のよう…
「い、今鋼って…というか八咫今…」
「え?あっ‼」
先程抜けすぎている朧を見たばっかりに思わず名前で呼んでしまったことに気が付いた八咫。
「まずった…」
「んお?なんじゃぁ?狼牙と月巴もいたんか……え?いつから?」
「「最初からです…」」
「あ、あぁぁぁぁぁぁ…///」
ようやく意識が覚醒したようだ…
「というか…二人って名前呼び合うまで進んでたんだね…」
「私は昨日、魔王様から名前で呼び合ってるとは聞きましたけど…」
((それにしても…この八咫にデレデレな魔王様可愛いな…))
「そうでしょぉ!?」
「「うわぁ‼加具那岐さん!?」」
「ってそっか、加具那岐さんは二人のあの様子をずっと見てるのか…」
「はい‼もう…毎回毎回失神と鼻血のオンパレードです…」
「あぁ、なんかわかる気がします、見てるだけで癒されますもんこれ。」
「うぅぅ…///」
「とりあえず、着替えてきて?流石にみんなにその恰好あんまり見せたくないから。」
「うん…」トボトボ…
「ふぅ…ホント珍しいなぁ、いつもはあんな抜けてないのに…」
「昨日何か言ったんじゃないのか?魔王様が惚けちゃうこと、言ってました?加具那岐さん?」
「ばっちり言ってましたね、昨日満月を見ながら朧様に…」
「ああぁぁぁ‼言わないでぇぇぇ‼」
「月が綺麗とか言ったんじゃないの?その返しに朧様が瞳に映った月を見ているとかなんとか…」
「何でわかったんですかっ!?」
「だって私、恋愛小説と文学小説好きだもん。」
「そして朧様の返しに…僕もあなたの瞳に映った月を見るとしますと返す八咫様…はぁぁ‼思い出すだけで鼻血がぁ‼」
「はぁ…まぁいいや…嘘偽りはないし…」
「あぁ、恥ずべきことではない、むしろかっこいいぞ、そんな言葉を真っ向からいえるなんて、好きなものには嫌われたくないから発言を控える奴が多いからな。」
「うん、それでもう後悔しないように…真っ向から思いを伝えるようにしてる…」
「うん‼良いことだと思うよ‼なんせ私と八咫君一回死んでるもん‼二回目の人生、後悔なく生きていきたいもん‼」
「笑顔で重い事いうのやめてくれます?」
「はぁ…迷惑をかけたの、お主ら…」
「あ、魔王様…」
「もう朧で良い、鋼が言ってしまったからの…」
「ご…すみません…」
「それもなしで良い、あと魔刀衆の皆の前でだけ二人の時の話し方で良い。」
「わかった、ありがとう。」
「では、これから朝食を準備するので朧様は上に…」
「いや、わしも手伝う、皆に迷惑かけてしまったからの。」
「いえ‼迷惑なんてそんな‼むしろありがとうございます‼」
「はい、目の保養になりました。」
「そ、そうか…じゃが、何か手伝わなければ性に合わん‼わしも手伝う‼」
「はいはい、じゃあ早いとこ準備しちゃおう。」
「あぁ。」「はい。」「うむ。」
こうして4人で朝食の準備を始めた。
一方他の寝惚けてるみんなは…
まずは刀睡さん…
「んへへへ…月ちゃぁぁん…すぅ…」
どうやら夢の中で月巴と何かやっているようだ…
白狼と佐助は…
「んぅ…すぅ…」
「むにゃ…むにゃ…」
二人とも抱き合いながら眠っている…
玄秦さんは…
「……………」
寝息すらかかない…
シエルさんは…
「んぅ…んっんぅ…」
昨日狼牙に首筋を噛まれてか、少しうなされている…
一方料理組は…
「ふぅ…出来たぁ。」
今回の朝食は鮭の塩焼きと炊き込みご飯、そして味噌汁。
「いつも通りの朝食だね。」
「そういえば…朝食はどっちがいつも作ってるんですか?」
「いつもは朧の方が先に起きてるから朧だね。」
「へぇ…妻みたいですね。」
「つっ!?つつつつつつつ妻っ!?」
「朧、落ち着いて…」
「おおお落ち着いてられるかぁっ!?初めてなんじゃぞ!?妻みたいって言われたのぉ!?」
「いや、僕としては慣れてもらわなきゃ困るんだけど…僕を夫にするんだし…」
「なっ!?夫ぉ!?」
「何この純粋すぎる朧様…」
「これ毎日見てる加具那岐さんうらやま…って加具那岐さんっ!?」
ご察しである…
「まさかいつもこうなってるってこと?」
「確かになりそうだけど…」
「とととともかく!!早く上に持っていくぞ!!」
「「はっ!!」」
上に着くと、何やら気配を感じた。
「みんな…」
「わかっておる…」
「何かいるな…」
「でも…何か…小さい?」
みんなが警戒していると、桐ダンスの物陰から何かが見えた。
「そこか…」
「気をつけろ、八咫…」
八咫が恐る恐る近づくと、出てきたのは…
「キュイ?」
かわいらしい毛玉だった。
「「かわいいぃぃぃ‼」」
「なんだ?この毛玉…」
八咫は神眼で毛玉を見た。
(モケモケ・ふわふわな毛が特徴、敵意はなく、愛玩動物として重宝している。)
どうやら狂暴な魔物ではないようだ。
「何この毛‼ふわふわなのに手に吸い付く‼」
「あっ‼ずるい‼」
すっかり女子二人はモケモケに誘惑されてしまっている。
「これは…かなり重大な問題だな…」
「そうだね…あのモフっとしててコロッとしてるあいつに誘惑されてしまう…」
「これでは争奪戦が起きるな…」
「僕も触りたいけど…我慢我慢…」
「ほら二人とも、朝食にしますよ、モケモケを愛でるのはそこまで。」
「うぅ…仕方ない…このままではモケモケの思うつぼか…」
「危うく支配されるところでした…なんて凶悪な魔物…」
「ウキュゥ…」
「腹が減っているのか?ならこれを食べろ。」
狼牙はそう言うと、モケモケ用の餌を取り出した。
「なんでそんなもの持ってるの?」
「こう見えて愛玩動物大好きだからね。」
「そうなんだ…」
そして、4人と一匹は朝食を食べ始めた。
この度はオタク学生が勇者として異世界に転生したけど魔族たちに味方しますを読んでいただきまして誠にありがとうございます。作者の妖峰輪廻です。
お久しぶりの投稿になります‼
最近は物語の構成があまりにも思いつかず、更新ができずじまいでした…今回の話も自分の中ではかなり内容が薄いと感じています…
これからは、投稿頻度がかなり遅くなってしまいますがこの物語の最後までお付き合いいただければ幸いです。
それでは、また次のお話でお会いいたしましょう…