天使の牙の爆誕、幼き刺客・勇者襲来‼
どうも皆さんこんにちは‼テンションが高い加具那岐です‼
本日は八咫様に無理を言って私があらすじを担当させていただきました‼
え?なんでテンションが高いのかって?それをこれから話すんですよ‼
前回、カオスの狂宴の後、皆さまは各々の家に帰っていきました、まぁ刀睡様と月巴様は家に帰っても祭りをしたようですが…
狼牙様達の所ではシエル様と狼牙様が少し距離を近づきつつあります、こちらもくっつくとよいですねぇ。
そして我が主・八咫様は‼ついに朧様に思いを打ち明けて永久に傍らにいることを誓いました‼いや~あの光景を間近で見れて私は幸せ者ですねぇ、気を抜いたら転生しちゃいそうです。
そして現在はその夜から時が経ち、朝日が昇ってきています、そろそろ目覚めの時ですね…
八咫サイドでは…
「んぅ…んぁ…」
八咫は目に入る日差しで目を覚ました、腕の中では胸の中では朧がまだ寝むっている。
「すぅ…すぅ…」
「ふふふ、そういえばこんなにしっかりと寝顔見たことなかったな…可愛い…」サラッ…
八咫は胸で寝ている恋人の髪を静かに撫でた。
「んぅ…んぁ…」
「あ、おはよう」
「あぁ、おはよう…」
「ごめん、起こしちゃった?」
「できれば今度からはもう少しかっこよく起こしてくれぬか?」
「口づけで?」
「ふふ、それも良いのぉ…」
こちらは朝から甘い目覚めであった、その様子を見ていた加具那岐さんは…
「あぁぁぁぁぁぁ‼尊っいっ‼」
相変わらずの限界ムーブである…
一方佐助サイドは…
「んぅ…んぁ?あぁもう朝か…」
狼牙が目を覚ました、ふと手に違和感を覚え手の方向を見た、すると、いたはずのシエルさんがいない…
「どこに行ったんだろ…ん?この音は…」
突如、リビングの方向から音が聞こえた、音につられてリビングに向かうとそこには、シエルがいた。
「あ、おはようございます‼狼牙様‼」
「おはようございます、シエルさん、昨夜はよく眠れました?」
「はい、狼牙様のおかげでぐっすりと。」
「それは、良かった…ところで…」
「なんでしょうか?」
「この料理は何ですか?」
テーブルの上には見ため良し、匂い良しの料理が大量に置かれていた。
「はい‼私、力はもうないですけど料理は得意なんです‼なのでこれは一泊の恩返しです‼」
「な、なるほど…」
(それにしても量が多すぎないか?)
「量の事は心配しないでください‼保存期間も長いですから‼」
「それはありがたいです。」
「ふふ、それじゃあお二人を起こしてきてもらえますか?」
「わかりました。」
こちらはこちらでうまくやれているようだ。
一方月巴サイドは…
「ふぁぁ…ぁ」
月巴はいち早く目を覚ました、隣には昨日の勝者の蜃竜が寝ていた。
「よし、準備しよう…」
八咫に布団を作ってもらうため、急いで朝ごはんを食べ、魔王城に行こうと月巴は考えていた。
「おはようございます。」
「あら、おはよう月ちゃん、朝ごはん出来てるから早く食べちゃいなさい。」
「いただきます‼あむ…んぐ…」
「随分急いでるわね…」
「ごちそうさまでした‼先に魔王城に向かってます‼」
「もうっ!?わかったわ、気を付けてね?」
「はい‼行ってきます‼」
こうして、月巴はいち早く魔王城に向かった、その道中…
「おーい、月巴~。」
「ん?あ、狼牙さんにシエルさん‼それと白狼さんと佐助君‼」
朝の準備を整えた狼牙達と合流した。
「あれ?一人か?刀睡さんは?」
「多分同居人の人達の朝の準備をしているところだと思います。」
「相変わらず大変だね、刀睡さんは…」
「それより、魔王城に急ぎましょう。」
「何でそんなに急いでるんすか?」
「私の貞操を守るためよ‼」
「あ~そういうことね…」
「あ~納得…」
「確かにね…」
「え?どういうことでしょうか?」
「知らなくて大丈夫です、じゃあ急ぎますか、乗ってきます?」
「すいませんお願いします。」
「それじゃあしっかり捕まっててくださいね…」
ビュンッ‼
八咫サイドはそのころ…
「ん?そろそろみんな集まりそうだね…」
「そのようじゃの、ではいつも通りに戻すかの。」
「そうですね。」
ヒュンッ
「魔王様、狼牙・白狼・佐助・月巴・シエル、到着いたしました…」
「ご苦労…ん?刀睡は?」
「同居人の者たちのお世話をしている最中にございます。」
「なるほどのぉ、あやつも大変じゃのぉ。」
「して、シエル…答えは決まったのか?」
「はい…私は力がない故、あなた様の足を引っ張ってしまうかもしれません…ですが、あなた様に忠誠を誓わせてください…」
「良かろう、主を我が精鋭に迎え入れよう、さて…ではお主にはこれをやろう…」
「マフラー?これは皆さまが付けている者と同じ…」
「お主はこれから…魔刀衆の捌刀・八束のシエルに任命する。」
「えぇ!?でも私には力が…」
「八咫、出来そうか?」
「お任せください‼」
「それでは、仕事を開始しますか。」
「うわっ!?なんか出てきた!?」
「形状は両刃剣、長さは握りこぶし八つ分、硬度や切れ味はいつも通り、能力は、所有者の筋力を5倍に増加する能力、光を集めて斬撃を飛ばす能力、光を集めて物体を形成する能力、光の速度を操る能力を付与、以上。」
「御意、形成開始します…完了しました。」
「ありがとう、お疲れ様。」
「礼には及びません、それでは…」
「出来ました、どうぞこちらを…」
「こ、これは…」
「主の新たな牙じゃ…名は…」
「光剣・ヴァルロストス、戦場に降りる神と時の神、そして鍛冶の神の名を冠した光剣です。」
「光剣・ヴァルロストス…私の新しい…牙…」
「早速試し斬り…と行きたいところじゃが…どうやら客のようじゃな…」
「そのようですね…」
「これが刺客?まだガキだぞ?」
「ガキ!?東の方にそれっぽそうな奴は見えるけど…」
朧様と八咫の未来視、狼牙の嗅覚、月巴の視力を持っていち早く敵の接近に気づけた。
「あれが報告にあった召喚された勇者か?」
「なるほどのぉ、まだまだ青い子供を勇者に仕立て上げたか…しかも、傀儡になり果ててしまっておるのぉ…」
「傀儡?本人の意思とは裏腹にってことですか?」
「いや、その逆じゃ…傀儡になれば力は手に入る…じゃが知能が著しく低下してしまうのじゃ。」
「しかも厄介なことに、この傀儡の呪文は死ぬまで…いや、死んでも解けない…」
「死んでも?」
「一度殺し、蘇生呪文をかけたとしても、傀儡になり果ててしまえば、たとえ蘇生しても、傀儡として襲い掛かってくる。」
「加具那岐さん、解呪は出来る?」
「いえ、傀儡化は呪文でも魔術でもありません、脳や心臓、脊椎に術式を埋め込む、死術と呼ばれるものなのです、そしてその死術は埋め込まれたが最後、人智を超えた術でも解呪できません…」
「弱点は?」
「死術は人間にしか効かないという点と埋め込まれてから15秒ほど馴染むのに時間を有す事…すなわち、その短い時間であれば解呪できるということです。」
「なるほど…じゃああの子はもう…」
「あぁ、救えぬ…現段階ではの…」
「そんな…」
「手をかけたくなければわしが…」
「いや、やります…」
「人間として…」
「彼を弔ってあげなきゃ…」
「わかった、あれの相手は主らに任せる、我々は万が一のために民を避難させるぞ。」
「「「御意‼」」」
こうして、八咫・佐助・月巴の3人は傀儡に堕ちた勇者を止めに行った。
東門にて…
「コロス…コロス…コワス…ケス…」
「お前たち‼ここから先は一歩も入れさせるなっ‼我らだけでは歯が立たんが‼魔刀衆の皆さまが来るまで死んでも耐えろっ‼」
(ウォォォォォォ‼)
「ウルサイウルサイウルサイ…ウルサァァァァァイ‼」ビュンッ
「しまっ‼」
カンッ!!
「うらぁっ‼」
「佐助様‼」
「無事かっ!?」
「はい‼何とか‼」
「ジャマスルナァァァ‼」
「皆さんは下がっててください。」
「後は私たちが…」
「月巴様‼八咫鋼様も‼」
「八咫でいいです、あと月巴さん、何で弓兵が前衛に出てるんですか?」
「確かにね、じゃあ前衛お願い、皆さん早く下がって。」
「わかりました‼お前たち早くこっちへ‼」
(ダッダッダッ…)
「あれが傀儡化…」
「もはや魔物だな…」
「オマエタチニンゲン?ナンデ?」
「へぇ、簡単な会話はできんだな。」
「まぁ、元は人間だしね…」
「マゾクノミカタ…オマエタチマゾク…マゾク…コロスゥゥゥァァァァァ‼」
少年が叫ぶとあたりに衝撃波が発生した。
「とんでもねぇなこりゃ‼」
「これが街で放たれたら…」
(なんとかしなきゃね…)
「月巴さん!?どっから…」
(さっき八咫君にトランシーバー渡されたからそれで喋ってる、この世界電波ないのに音がすごいクリアなの。)
「そいつ自体が電波発してますからね、それよりも…」
「そうだな、まずは目の前のこの魔物をどうにかしなきゃな…」
(そうね、ただどうすれば倒せるの?)
「ゴチャゴチャウルサァァァァァイ‼」ビュンッ
少年は高速で突進してきたが…遅い…思考加速を使っているとはいえ遅すぎる…
「重力変更・前方…射出…」バンッ
重力によって加速された弾丸は、少年の頭を打ちぬいた、だが少年は後ろに吹っ飛んだだけだった。
「まぁ、そう簡単にはいかないよね…」
「イタイイタイイタイイタイ‼」
少年の頭の傷は瞬時に塞がった…
「オマエカラコロ…」キンッ
「悪いな…」
いつの間にか佐助が神速で側面から回り込んでいた、そして少年の首を断った…
「流石に堪えるだろこれは…」
「イタイイタイイタイイタイ‼」
少年の首は瞬く間につながった…
「マジか…(ビュンッ)頭打ってもダメ、首切ってもダメ、あとは…」
(心臓だけだねっ‼)パシュッ
月巴さんが放った矢は少年の心臓部を撃ちぬいた…が…
「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ‼イタァァァイ‼」
心臓部もみるみる回復していった…
「心臓打ってもダメって…どうなってんの!?」
「ウアァァァァァ‼」ビュンッ
「チッ‼どうすりゃ…」
(いや、ちょっと待て?こいつは傀儡…人形…死んでも動き続ける…人形は宿主がいてこそ動く…ダメージを受けても回復…つまり埋め込んだものに魔力を流してる本体がいる‼)
「八咫っ伏せろ‼」
「っぶねっ‼避けるの遅れてたら死んでたな…」
「ヨケルナヨォォォォォォ‼」
「そんで?案は思いついたのか?」
「うん、ちょっと待ってて…」
八咫は神眼を使って、少年から伸びている魔力を見た、それは近くの森の入り口近くにいた。
「佐助‼今から炎と水を撃つ‼」
「炎と水?…‼そういうことか‼了解‼任せろ‼」
焔弾と水弾をぶつけ、煙を発生させた。
「ナンダ?コノケムリ…」キンッ
「君の相手は俺だよ、少年…」
「オマエウルサイ…オマエカラコロ…」バシュン‼
(私がいるのも忘れないでもらえる?)
「八咫の奴、トランシーバー置いて行ってたのか。」
「コノヤドコカラ?マァイイ、オマエコロシタアトコロス。」
「早めに終わらせろよ?八咫…」
一方八咫は…
「見つけた…けど…さすがに遠距離は警戒してるよね…」
本体を見つける事には成功したが、周りに魔法反射の結界が貼られている。
「加具那岐さん、結界破る魔術とかない?」
「ございます、バレルに付与しますか?」
「いや、弾丸におねがい。」
「御意。」
ただ一つ疑問に思ったことがある、操っているのは間違いなくあいつだが、結界を貼っているのは誰だろう…と。
付近に結界を貼っている奴がいるはず、結界の魔力を辿ると…木の上に人が居た。
「バレル変形・対物ライフル、サプレッサー装着…魔力充填…発射…」ピチュン‼
結界阻害弾は結界を貼っている者と少年を操っている者の頭を的確に貫いた。
「これで…いいはず…」
一方佐助サイドは…
「チョコマカチョコマカ…ウゴクナァァァァァ‼」
(そろそろきついわよ?)
「あと少し…あと少しで…」
「ナンダ?ナニカガオカシイ…」
「ん?何か傷の治りが遅いような…」
(いや、傷の治りが遅いどころじゃない‼傷が治ってない‼)
「向こうは終わったみたいだな!!」
(じゃあ解放してあげましょう…)
「オレハ…コロス…マゾク…コロス…ゼンブ…コワス‼」ドゴーン‼
「やべっ‼」
「コワレロォォォォォ‼」
(佐助君‼)
(ピンッ)
「ウワッ‼」
「今の…ワイヤー?」
「佐助っ‼無事!?」
(八咫君‼)
「おかげさまでな、助かった。」
「ウッ‼ウーウ‼」
「まだ子供なのに…大人たちに利用されて…」
「せめて、時を戻す魔術があればな…」
(八咫君…何とかならない?)
「…残念ながら…加具那岐さんの記憶の中にも時を戻す魔術の記載はなかった…」
(じゃあ…)
「ウーウーウ‼」
「せめて…安らかに眠ってくれ…」
(バンッ)
悲痛な発砲音が響いた後、静寂が続いた…
「この借りは高くつくぞ…」
(八咫君…奥に見張り役っぽい奴がいるけど…どうする?)
「ちょっと脅しに使います…」
(了解…)
(ちっ‼使えないガキが‼まぁいい、また召喚をして…)
「ちょっと面貸せ…」
「なっ‼んっ‼」
……
「だっ‼くそっ‼貴様ら…(バンッバンッ)あぁぁぁ‼」
「喋るな…お前は僕たちの要件に答えればいい…いいか?あんたのとこのドぐされ野郎にこう伝えろ…
今後一切、俺たちに干渉するな、でなければお前の喉を裂くと…」
「わっわかった‼わかったから‼」
「ならとっとと消えろ…」
「はいっ‼」
そういって人間の犬は帰っていった、無論ただで返すわけがないが…
一方人間の王国では…
「さて、今頃は暴れまわっている頃かの…」
「国王様‼」
「おぉ戻ってきたか、してどうじゃった?」
「それが、あの勇者は…敗れました…」
「そうか…まぁ良い、また召喚しなおせばいいだけじゃ。」
「それともう一つ…」
「なんじゃ?」
「二度と我々に干渉するな、でなければ王を殺すと…」
「ふん、下らん…第一どうやって…」
「ウッ…ウ…ウゥ…」
「ん?どうし…」
「ウァァァァァァ‼」ザザザザザン‼
「な、なんじゃ…と…」
実は、八咫はあの兵士にとある魔術を施した魔具を仕込んでいた、それは…こちらの要望に対し、了承の意を示さなければ、無数の剣が飛びだし、突き刺さるという魔術である。
戻って八咫サイドは…
「よくぞあのドぐされ王を葬ってくれた‼」
「あの子の仇を取ったまでです。」
「そうだね…」
「でも、まだあの王の息がかかった奴がいる。」
「それを断つまで止まれないね…」
「断った後も大変だ、魔族と人間の信頼も取り戻していかなきゃならないからね。」
「その通りじゃ、さて今日は皆疲れたであろう、明日また、シエルについて話をするからの。」
「「「「「「「御意」」」」」」」
「では、解散‼」
こうして、今日の業務は終わった、少年を傀儡にした王は死んだ、だがその息がかかった残党はまだまだいる、次の襲撃を警戒しながらも皆は家に帰り体を休めようとしていた。
続く…
この度はオタク学生が異世界で勇者として転生したけど魔族達に味方しますを読んでいただきまして誠にありがとうございます。
作者の妖峰輪廻です。
今回は番外編での次回予告は無しでやっております。
さて、今回は最初に出てきて以来の登場だった人間の王様が葬られましたね、まぁ彼…というかある一人を除いた大臣とかの重要人物たちは特にめぼしい活躍もさせずに殺すつもりですけど、本当の敵たちはまだ出てきていませんからね。
まぁその本当の敵たちを予想してみてください、その敵との戦いは物語の最終局面で行う予定ですので、お楽しみに。
最後に、本編では語れない場面やキャラクターのプロフィールをまとめた番外編も現在同時に制作しているので良ければそちらも覗いて行ってもらえると幸いです。
それでは、また次のお話でお会いしましょう。