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『オタク文化』とは、4番目の世界宗教である

挿絵(By みてみん)


人生で2作目のエッセイ作品です(* ̄∇ ̄*)

マンガ、アニメ、ゲーム、特撮、ライトノベル………日本発祥のいわゆる『オタク文化』は、今や世界中で大人気を博している。


『アニメやマンガを見て日本語を学び、日本の文化に興味を持った』という理由で日本を訪れる外国人は数知れず。


『ポケモン』や『スーパーマリオ』は世界的な人気者。


フィリピンでは『超電磁マシーンボルテスV』、ブラジルでは『巨獣特捜ジャスピオン』……といった感じで日本で制作されたテレビヒーローが国民的英雄となっている国も存在している。


ハリウッドの映画監督の中には『ゴジラ』や『ウルトラマン』の大ファンを公言している人もいるし、『攻殻機動隊』や『ゴジラ』等の日本のアニメ・特撮作品をアメリカ流にリメイクした映画も製作・公開されている。


『スーパー戦隊』シリーズをアメリカナイズした『パワーレンジャーシリーズ』は大人気となり、

『ドラゴンボール』に登場する必殺技・かめはめ波のモノマネを競う国際大会が開催され、

スーパーマンやアベンジャーズといったアメリカン・コミックすらも、日本のマンガやゲームから大なり小なり影響を受けている程だ。


まさしく、世界的な人気と知名度を持った一大コンテンツへと成長した日本のオタク文化だが、ほんの30~40年前まではそうではなかった。


40代・50代の方々ならご存知かもしれないが、かつてはオタク……特に『アニメやマンガを好むタイプのオタク』というのは周囲から白い目で見られるような人種だった。


かの悪名高き宮崎勤を筆頭に、オタクというのは『犯罪者予備軍』や『身なりや言動が気持ち悪い人』という扱いをされていた。

何より、世間一般では『マンガやゲームは子供のものであり、大の大人が楽しむものではない』と思われていたし、ウルトラマンや仮面ライダーといった特撮ヒーロー番組も、テレビ業界の人達からは『子供騙し』と馬鹿にされていたらしい。


ところが今はどうだろう。


2023年の現在、『マンガやアニメを全く見ない人』の方が少数派だし、

子供がいるお母さん方が仮面ライダーやスーパー戦隊のヒーロー達にキャーキャー言っているし、

そこまでディープにアニメやマンガに詳しくない人でも、『ポケモン』や『スパイファミリー』や『鬼滅の刃』のグッズを持ち歩いている………。


世の中、変われば変わるものだ。


しかし、ある時ふと思った。


現在の『オタク文化』と同じように、かつては周囲から差別や偏見を向けられながら、世界的な知名度と信者を有する存在となったコンテンツが存在している、ということに。


それは

仏教・キリスト教・イスラム教のいわゆる『世界三大宗教』だ。


これら3つの宗教は、その教えや神様を熱心に信じる人々が世界中に何億人も存在し、そこまで信心深くない人であっても、その教えに基づいた習慣や文化を意識する/しないに関係無く当たり前にその文化を前提とした生活を送っている。


だが、3宗教の開祖達が存命だった頃………その教えを信じる人々は周囲からの差別や迫害を受けていた。


仏教の開祖たるお釈迦様は、年長の僧侶達から『伝統ある身分制度をないがしろにしている』と咎められ、

キリスト教の開祖たるイエス様は『救世主を騙る大罪人』として公開処刑され、

イスラム教の開祖たる預言者マホメットは、住んでいたメッカの街の有力者達から石を投げつけられながら追放された………。


しかし、

お釈迦様は自分の悟りの知恵を熱心に、かつ丁寧に人々に語りかけて弟子を増やし、

イエス様の死後に残された弟子達は『師の教えを絶やしてはならぬ』と、命懸けで布教活動を続け、

預言者マホメットは追放された先の街の人々を信者として、大軍団を率いてメッカへと戻った。


開祖達の死後、

その教えは聖典としてまとめられ、

後継者や弟子達によって広く様々な土地へと伝えられ、

いくつかのグループに分かれたりもしながら、

世界中にその教えを信じるor守る人々が生まれていった……。


これはまさしく、『オタク文化』の歴史とはほとんど同じだ。


最初は周囲からの無理解や偏見による差別や迫害を受けるも、

少しずつ理解者や賛同者が増えていき、

いつしか世界的知名度を持つブランドへと成長………。


『娯楽の為』か『救いの為』かという違いはあれど、歩んできた歴史や過程という点で見れば、『三大宗教』と『オタク文化』はよく似ている。


そして、『三大宗教』も『オタク文化』も人々に伝えようとするテーマは同じだ。

『家族や友達を大切にしろ』

『人を騙したり、意味も無く暴力をふるったり、遊び半分に命を奪ったりするのは悪だ』

『平和が一番』………


いわば、『オタク文化』とは『教祖や指導者のいない宗教』と言えるのだ。


こういう事を言うと、一部の熱心過ぎる信者の人々から『一緒にするな!』と怒られるかもしれない。


だからこれは、

専門的知識に乏しい『僕』という一個人の、

個人的意見であり感想だ。


『オタク文化』とは、世界三大宗教と並ぶ4番目の世界宗教なのだ。




(終わり)

これらはあくまでも『作者の個人的意見』です。

熱心な信者の方々、怒らないで下さいね。

m(_ _)m

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― 新着の感想 ―
「オタク=キモい」とされてきた悲しき世代の者です(必死にオタクを隠してヒッソリとオタ活していました) そう考えると隠れキリシタン状態ですね。 なんだか納得です。 面白い着眼点で最後まで楽しく拝読させ…
[一言] では、そこにいる神が誰なのか、と言う点が気になりますね。作品なのか、キャラなのか、はたまた作者なのか。 日本教は、開祖も経典もない特殊な宗教ですが、その八百万の神々のなかでも最高神はいます。…
[良い点] すごい! なんか圧倒されるし、そんな気にされる!
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