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第42話 日本に来て初めての協力戦

「わかった。俺はあの親蜘蛛をやる。だから他の蜘蛛を頼む。ただし無理はするな。邦夫は皆を守ってやってくれ!」

「あんたに言われるまでもないぜ。御主人様は俺が守る!」


 今の邦夫なら杉戸たちもしっかり守ってくれるだろう。俺の相手にこそならなかったがこのダンジョンの中で言えば邦夫のステータスは十分高い。


 後は杉戸たちがどれだけ戦えるかか。何せ杉戸と柔剛はまだ小学生だからな。カブトに関してはカブトムシだし――


「みんなこれを食べて!」


 杉戸が何か丸く柔らかそうな物を三つ取り出した。話を聞くに食べ物らしいな。


「これは一体何だ?」

「パワーフードだよ。これを食べるとステータスが強化されるんだ」

「おお! 御主人様の手作りとはありがてぇ!」


 杉戸のスキルか。なかなか役立ちそうだな。ただスキルで生み出された食べ物を手作りと言えるかは謎だが。


「結構うめぇな」

「ギィ!」

「な、なんてもんをくわせてくれたんだぁああぁ! これに比べたら好きで食べてたハンバーガーなんて食えたもんじゃないぜ!」

「そ、それは大げさかな」


 どうやら食べられる味らしい。邦夫なんて泣いて喜んでるし。


「おお! パワーが湧き上がってくるぜ! すげぇ!」

「ビィイィイ!」

「よっしゃこれなら無敵だぜ!」


 効果はすぐ実感出来たようだな。蜘蛛の群れに先ず邦夫が飛び込んでいきハンマーてなぎ倒していく。柔剛も蜘蛛に投げ技を決めていきカブトも羽を激しく揺さぶらせて発生した音波でダメージを蓄積させていた。


 そして杉戸も鞭を使って蜘蛛にダメージを与えていく。これなら――


「俺はこっちに集中出来るぜ!」


 巨大蜘蛛への動線が開き俺は一気に距離を詰めた。大蜘蛛の赤い瞳が俺を見下ろし、口から網状の糸を吐き出してきた。


「ウィンドカッター!」


 風の刃を放つ魔法だ。初級風魔法だが網を切り裂くにはこれで十分だろう。自慢の糸が切り裂かれたことで大蜘蛛は爪での攻撃に切り替えてきた。


 この手の相手は毒持ちが定番だ。そこは注意しないといけないか。


「強撃!」

 

 取り出したナタで攻撃してきた大蜘蛛の足に振り下ろした。強撃の効果で一撃の威力は上がっている。おかげで足はあっさり切断された。


「――ッ!?」


 悲鳴こそあげないがたじろいているのはわかった。まさかやられるとは思ってなかったか?


 だが残念だな。上には上がいるんだよ。


「強撃! 強撃! 強撃ぃぃぃぃいい!」


 ナタを振り足を更に切り飛ばしバランスを崩した大蜘蛛が傾倒した。こうなればもう勝ちは決まったようなものだな。


「お前の敗因は、そうだな。こっちに頼りになる仲間がいたことだな。あばよ」


 倒れた大蜘蛛の頭に向けて風魔法のエアロハンマーを直撃させた。グシャッ! という鈍い音がし大蜘蛛はそのまま動かなくなり粒子状になって消えた。


「うっし、こっちは終わったぞ」

「こっちも片付きました!」

「流石兄ちゃんやるな。だけど俺等だってなかなかなもんだろう?」

「御主人様! 俺、活躍できましたよね? ね?」

「ギィ~♪」

 

 振り返ると子蜘蛛の群れは消え去っていた。杉戸たちも全員倒したようだな。さてと、後は核だがその前に――やっぱり出てきたな。宝箱が――

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