【出席番号21番】背戸山 萌(せとやま もえ)
「ひこり~ん! 萌え萌えきゅぅううううううううん♥」
「えー、今日は皆さんにお知らせがあります」
校長の挨拶で朝礼が始まった。朝礼と言っても全校生徒が集まって校長のクソ長い話を聞かされるヤツ……ではなく、教職員の朝の打ち合わせのことだ。
普段、この打ち合わせに校長が参加することは滅多にない。今日は何か特別なことでも……あれ?
校長の隣に誰か立っている。あれは先日、校長室の前で見かけた人だ。
「えー、皆さんもご存じの通り国語科の宇野尾先生が産休に入られました。で、今月から雁坂先生が産休代替教員として入られます。先生にはそのまま育休代替教員として継続して勤務していただきますのでよろしくお願いします。それでは雁坂先生、ご挨拶を……」
校長に促されて雁坂とかいう教師が挨拶をした。背が低く、声が小さいので校長から遠いこの場所では挨拶は聞こえないが、見た目は大学卒業したての可愛らしい女の子といった印象だ。それにしても……産休の代替教員は以前にもいたが、すでに育休の代替まで確約されているのは珍しい。こんな若そうな先生が臨時で長期間採用されるなんて、何か強力なコネクションでもあるのだろうか?
「――n生、不逢先生!」
「えっ? あぁはいっ!」
この先生が何者なのかと考えていたら、いつの間にか校長とその雁坂とかいう教師が目の前に立っていた。
「不逢先生、雁坂先生が同じ国語科ということで不逢先生に校舎内を案内していただきたいのですが……」
「え? あぁ、いいですけど……」
朝のショートホームルーム後にこの新人先生の案内をすることになった。
※※※※※※※
「こちらが国語準備室です。授業で使う資料はこちらに置いてください。机はどこでも自由に使って構いませんが、無人のときも施錠しませんので私物はできるだけ職員室に置くようにしてください」
「はい、わかりました」
「じゃあ次は教室棟の方に行きましょうか」
「え、えぇ……あの、不逢先生」
「はい?」
「もう1時間目ですけど……今日、先生の授業は?」
「ははっ、今日は授業ありませんよ」
「え?」
「周りの様子……おかしくないですか?」
「そ、そういえば生徒さんが大勢廊下を歩いていますけど」
「明日から、学園祭があるんですよ。今日は、準備作業の日です」
そう、この学園の高等部で最大のイベント、学園祭「虻高祭」が2日間にかけて行われるのだ。今日は朝から生徒総出で設営作業に追われている。
この学園では中等部と大学、それぞれ別の日に学園祭が行われていて、今年のメインイベントはローカルアイドル『忍野 萌海』のライブだ。ちなみに忍野萌海は養護教諭の《鳥居地 新名》の従妹でオレも大学時代から面識がある。
教室棟に移動中、気になることがあったので聞いてみた。
「雁坂先生は……下のお名前何と読むんですか? さっき出勤ボードの名札を見たんですが読めなくて……」
「え? 私、自己紹介で言いましたけど」
「すみません、あの場所だと聞き取りにくくて……〈良〉と〈夢〉ですよね?」
すると雁坂先生は少し顔を赤らめながら……
「あぁ、あれで『らむ』って読みます。《雁坂 良夢》って言います」
「えぇ? ラム……ですか?」
――これは珍し……
「珍しい名前だと思っていますよね?」
えっ!? あっ……めっちゃ思っている。正直、どういう理由で両親が名付けたのか知りたいわ。
「両親が『うる星や●ら』の大ファンだったそうです。それで……です」
なるほど、それで主人公の名前を……彼女の両親は、真人間として教師になった娘に敬意を払うべきだと思う。
――それにしても……
身長は160センチくらいだろうか? 小柄でショートカット、ノーネクタイのスーツ姿……そして良夢と自分の名前を恥ずかしそうに名乗ったときの表情……
――メチャクチャかわいいじゃねぇか。
オレはH組副担任の《御坂 月美》先生のような年上お姉様タイプが好みなのだが……このラムちゃんこと雁坂先生の年下妹タイプも悪くないな。
あ、そういえば案内に集中していてトイレに行くのを忘れていた。教室棟には職員用トイレはない。そもそも女子高だから教室棟に男子トイレ自体ないのだ。
「あぁ雁坂先生、ちょっとお待ちいただけますか? すみません、教室棟に行く前にトイレ寄っていきますので……」
「あっ、それじゃあ私も今のうちに……」
――え?
ラムちゃんが一緒にトイレに入ってきた。
「ちょっと雁坂先生……ここ、男子トイレですよ」
「え? 不逢先生……何言ってるんですか?」
「え?」
「私……男ですよ」
――えぇえええええええええええええっ!?
※※※※※※※
「いやーすみません、よく間違えられるんですよー」
ニコニコ笑う雁坂良夢クンと教室棟に向かう渡り廊下を歩いていた。そっか、コイツはいわゆる「オトコの娘」ってヤツだったのか。一瞬でもときめいてしまった自分が情けない。
「ところで、雁坂クンは宇野尾先生の代わりに来られたってことは古典を担当されるんですよね?」
「はい、大学でも万葉集を研究していましたので……えぇっと、確か不逢先生は現文を担当されていますよね」
「えぇ、そうです。時々代理で古典を教えることもありますけど……あっそれと、さっきから気になっていたんですが」
「はい?」
「私のことは〈不逢〉ではなく〈若彦〉でいいですよ。不逢なんて呼ぶのは理事長か校長ぐらいですから……ほかの先生や生徒からは若彦と呼ばれています」
――まぁごくまれに「ひこりん」とか馴れ馴れしく呼ぶヤツもいるけど。
「そ……そうですか、わかりました。あ、でもそういえば〈不逢〉って〈不逢〉とも読めますよね? 確か万葉集の中にもありましたよ……えーっと、確か十五巻の三千七……」
「あぁそうなんですか? すみません、私はそこまで万葉集に詳しくないものですから……」
えっおいおいおい、やべぇな……オレが学園に内緒にしている裏の顔、ラノベ作家のペンネーム『粟津まに』は、その万葉集にある歌「ぬばたまの夜見し君を明くる朝不逢まにして今そ悔しき」から取ったんだよ! オレの名前とペンネームの関係性に気付いたのは今のところH組のクラス委員長《愛宕 星》だけだ。これ以上このことに気が付く人間は増やしたくない。
「こちらの階が3年の教室になります。手前からA組、BCDEFときて私が受け持つH組と続きます」
「え? 変ですね……G組って無いんですか?」
まぁその疑問は誰でも持つだろうな。
「あぁー、正直私も知らないんですよねぇ……何でそうなったのか」
「あっはは、そうなんですかぁー」
雁坂先生はニコリとほほ笑んだと思ったらすぐに真顔になって
「……でも何でですかね? これはきっと何か深いワケでもあるんでしょうね」
「え?」
「あぁ、すみません余計なことを……な、何でもないです」
――何なんだコイツ、さっきの「不逢」といい……何か知っているのか?
H組に向かってしばらく進むと
「あっ若彦ぉー」
廊下で作業をしていたB組の生徒が声を掛けてきた。
「若彦ぉー、準備遅れているから手伝ってー」
「バカッ! 何でオレが他のクラスを手伝わなきゃならないんだよ」
「えぇー、だってぇ……って、若彦ぉ!! 一緒にいる美少年は誰っ?」
「え? あぁ……今日から宇野尾先生の代わりに入られた雁坂先生だ」
すると付近にいたB組や他のクラスの生徒が一斉に集まってきた。
「キャー!」
「カワイイー」
「王子様だぁー」
「え? ウノちゃんの代理ってことは古典だよね? キャー、古典が楽しみぃー」
「えぇー! A組理系だから古典ないじゃん!」
「若彦っ! 現文と古典チェーンジ!」
「できるか!」
すごい人気だ、雁坂先生も生徒に囲まれて赤面している……っていうか、コイツら一発で男って見破っていたな……ある意味スゴイ。
途中、何度も多くの生徒に囲まれて(もちろん雁坂先生が)なかなか進めなかったが、ようやくH組にやってきた。
「おーい、準備は進んでるかー!?」
H組もクラスの出し物の準備に追われている。H組の出し物は予想通り……
「「お帰りなさいませ、御主人様ー!!」」
メイド喫茶だ。クラスの出し物は他クラスと被らないように調整する。メイド喫茶は何クラスか申請があったらしいが、美少女率が高い3年H組が勝ち取った。
「……いやそれは明日やれ」
「あれ? 御主人様がもう1名いらっしゃいましたー」
「いや、だから接客は明日だ」
「ではいってらっしゃいませー」
「帰すな! あ、オマエら誰も聞こうとしないな……はい、集合ー!」
見慣れない顔がいても誰も興味を示さなかったのでH組の生徒を集めた。
「えー、今月から宇野尾先生の代わりに古典を教える雁坂先生だ。授業は学園祭が終わって来週からになるがよろしく頼むぞ」
「「よろしくお願いしまーす」」
「……」
「ええっと……先生、もういいですか?」
「え? あぁ……じゃあ解散!」
するとH組の生徒たちは準備作業を再開した。
――あれ? さっきのB組の子たちと反応が全然違う。
「あ、あぁ若彦先生、それじゃあ私はこれで……」
ラム先生はバツが悪そうに職員室に戻っていった。他のクラスの生徒たちはキャーキャー言って喜んでいたがH組の生徒は皆、無反応だ。それどころかラム先生と目を合わせようともしなかった。
やっぱH組の生徒は変わっている……。
※※※※※※※
「ていうかオマエら、何でもうその格好してんだよ」
前日だというのに生徒たちはメイドの衣装を着ている。気が早いだろ。
「え? さっき衣装が届いたんで試着しているっスよ……先生、惜しかったっスね、さっきまでみんなここで着替えてたっスよ」
「惜しくねぇわ! 更衣室で着替えろ」
――あぶねぇあぶねぇ……学園祭前日にトラブル起こしたら大変だ。
クラス委員長の愛宕をはじめ、全員がメイド服を着ていた……調理担当の裏方もかよ。いくら予算が豊富とはいえ全員分作ったんかぃ。
「うにゃー! ひこりーん、どぉーカワイイでしょー」
メイド服を着て浮かれている生徒がいた。《神戸 魅》だ。この生徒は私服がゴスロリだ。学園祭の企画はできる限り生徒の自主性に任せるという方針なので、メイド喫茶の企画を誰が発案したのかはわからないが、おそらく神戸だろう。
「なんだよ、オマエは普段と変わらないじゃないか」
「うにゃっ、ぴっくるー! ひこりーん! メイドとゴスロリは違うんだにゃー! 魅ちゃんはメイドには興味ないんだじょー、ただ、今回はゴスロリ系のメイド服だから納得したんだにゃ」
「え? そうなの? オレはてっきりこの企画はオマエが発案したのかと思っていたが……」
「発案は萌ちゃんだにゃー」
「お帰りなさいませ、ひこりん様……萌え萌えキューン!」
そういえば……このクラスには神戸以外にオレのことを「ひこりん」と呼ぶ生徒がいた。《背戸山 萌》だ。おっとりした性格でカワイイもの好き、クラスメイトから『癒し系キャラ』として慕われている。
「ひこりん様~、ど~ですかぁ~萌のメイド服……カワイイでしょ?」
――返答に困る。
顔面偏差値が高いH組、背戸山もご多分に漏れず美少女顔ではあるが、カワイイか? と聞かれると正直首を縦に振れない。なぜなら彼女には致命的な「欠陥」があるのだ……それは、
この生徒、めちゃくちゃデカいのだ。
身長はH組で一番高く、180センチ近くある。175センチのオレより背が高い。太っているワケではないが、全体的に身長に見合った体形で、胸もクラスでは《グリーンヒル 結》に次ぐサイズだと《宇の岬 知》が言っていた……何でアイツはそういう情報だけは詳しいんだろうか。「癒し系キャラ」というのは小動物系ではなく着ぐるみの類だろう。
このような大女に対して「カワイイ」という形容詞を使ってもいいのだろうか? なので返答に困っているのだ。
「萌は~、本当はピンクの甘ロリ風のメイド服着たかったんだけどぉ~、魅ちゃんの意見を取り入れてゴスロリ風に決まったの! でも、これはこれでカワイイでしょぉ~!? ねぇ、ひこり~ん、萌カワイイ?」
ぷぷっ! コイツがピンクのロリータファッションなんか着たら完全にギャグじゃないか。ウチのクラスの《鴨狩 紬》や《下瀬口 輪》くらいの低身長ならカワイイという言葉が似合うが……まだ黒のゴスロリ風の衣装でよかったと思う。
「あ……あぁ、パリコレモデルみたいだな……その……前衛的というか」
すると、オレの言葉を聞いた背戸山が呆然と立ち尽くした。
「えっ? パリコレモデルって……絶対カワイイって意味じゃないですよね? そうですよね……モデルさんって身長ありますもんね……それに前衛的って……グスッ……一般的じゃないって意味じゃないですか……ひどいっ! 萌が大きいからカワイイって言ってくれないんですか? うぅっ……」
真顔になった背戸山の目から大粒の涙がこぼれた。
「あっ、べっ別にそういうつもりじゃ……」
「ふっ、ふえぇえええええええん!!」
背戸山はその場に座り込み、人目をはばからず大泣きした。
「あーひこりん泣かしたー! ぴっくるぷぅ!」
「ひっどーい」
「センセェ、今のはアカンわ」
「それってセクハラでございますわよ」
周りにいた生徒たちから大ブーイングを受けた。うわっ! マズいっ。
「すっすすすすまん背戸山、わっ悪かった」
「じゃあ~萌の言うこと何でも聞いてくれますかぁ~?」
「わっわかった、何でも聞く……え?」
背戸山をなだめようとしたら、どさくさに紛れて何かとんでもないことを……あれ? 今まで大泣きしていた背戸山はニヤリと勝ち誇ったような顔をしていた。
「ひこり~ん、何でも言うこと聞くって言ったよねぇ~」
えっ、コイツもしかしてだましてたのか? 怖い怖い、何を要求するつもりだ?
「みんなぁ~! ひこりんがメイド服着て手伝ってくれるってぇ~」
「きゃー!」
「イエーイ!」
――はぁ!? 何だって?
「おっおい、何でオレがメイド服着るんだよ!?」
「え~だってぇ、ここを手伝うなら制服を着てもらわないと……それに」
「……それに?」
「カワイイじゃないですかぁ~! うふっ♪」
「いやかわいくねぇよ!」
野郎のメイド服に需要はねぇだろ!?
「え~! 約束破る気ですかぁ~」
「いっいや、手伝ってはやるが……コスプレは……」
「大丈夫ですよぉ~、絶対カワイイですよぉ~」
「かわいいワケねぇだろ、そ……それに、オレの分の衣装なんてないだろ?」
「あ、ご心配なく! 試作品を萌のサイズで作ってありますから! ただ……」
ただ? すると背戸山はそばにあった段ボール箱から何かを取り出した。
「こっちは甘ロリ仕様だから色がピンクなんですよねぇ~」
――ハードル上がったぁああああああああああ!!
「こっこんなもん着れるワケないだろぉおお!!」
黒のゴスロリ仕様メイド服でもアウトだが、ビニール袋に入った状態でもわかるフリフリ仕様のピンクの服なんか着たらいろいろ終わる。それと多方面に不快な思いをさせてしまう。これは断固拒否しなければ……。
「ひこり~ん」
すると背戸山はオレに近付いて、耳元でささやいた。
「わたし、裸で《つむつむ》を膝の上に乗せたことはないんですけど……」
その言葉を聞いて血の気が引いた。つむつむとは鴨狩紬のことだ。以前、最も身長差のあるこの2人をモチーフに「校庭の二人」という百合小説を書いたことがある。鴨狩からもこのネタで脅されたことがあるが、背戸山からもかよ。
「わかりました着てきます(棒読み)」
すると視姦趣味のある神戸が
「ひこりーん、着替えるの? じゃあ魅ちゃんがずっと見て……」
「オマエは黙ってろ」
オレは怒りの矛先を神戸に向け、両手でヤツの頬をつねった。
「ぴぴぴ、ぴっくりゅ……いひゃいいひゃいやめれ」
※※※※※※※
生徒の前で着替えるワケにはいかないが、かと言って教室の外で着替えたら他のクラスに見つかって大騒ぎになる。すでに内装の準備ができていたので、段ボールで作られた仕切りの一角を借りて着替えた。
背戸山から借りた手鏡を見る……うわぁああああ! めっちゃハズいしキモい。
「ひこり~ん、着替えたぁ?」
と言って背戸山や他の生徒も見に来た。ちょっと待て! オマエら確認と同時に見に来たよな? 着替え中でもお構いなしって考えだな?
「きゃーーー!」
「うわっ……キモいっス」
「あっはっは……えぇやん! めっちゃオモロいわぁー」
まぁそういう反応だと予想してたよ。完全な罰ゲームだわ。だが、約1名だけ反応が違った……背戸山だ。
「はぅ……はぁああああ~ひこり~ん、カワイイ! 萌えぇ~! 尊いわぁ~」
「……どこがだよ(怒)」
「萌はぁ~、カワイイコスプレをすると萌えるけどぉ~、コスプレしてる人を見るともっと萌えるのぉ~、特にぃ~男の人がカワイイコスプレをすると超萌えるのぉ~……だっだからぁひこりんの甘ロリメイド姿……はぁああ萌えぇええええ!!」
――あーあ、コイツも【変態】だったか。
「でもひこりん、それじゃあまだ完璧にカワイイとは言えないよぉ~」
――言えなくていいし言いたくもないわ!
「やっぱメイクまでしなきゃ~」
背戸山はバッグからメイク道具を取り出した。え? まさか……?
「みんなぁ~! 今からひこりんにロリータメイクするから協力して~」
何だって!? 冗談じゃない、早くこの場から逃げなければ!
「わぁー面白そう! 私もメイクしてあげるね」
「あっ! センセエどこ行くんですかぁぁぁ」
「こらー! 逃がさへんでぇー」
オレは逃げ出そうとしたが、この格好で教室から出たらもっと恥ずかしい思いをすることになる。どうしようかと躊躇していたら誰かがオレの腕を〝ガツッ〟と掴んだ。柔道部の《大石 夢》だ。クソッ! めちゃくちゃ力強い。
「捕まえました! この後どうします?」
「イスに座らせてくだサーイ! ワタシが縛りつけマース!」
「先生、逃げようとしたらスタンガンで気絶させるっスよ」
万事休す。オレはグリーンヒルによって椅子に縛りつけられ身動きができない状態になった。下地クリームらしきものを持った背戸山は
「ひこり~ん、今からカワイイ甘ロリメイドさんになりましょうね~」
「ねぇ知ってる? これってオトコの娘って言うんだよ! よかったねー若彦……じゃなかったワカヒ子ちゃーん(笑)」
――よくねぇよ宇の岬!
「じゃあみんなぁ、ひこりんがカワイくなるようにぃ~、おまじないを掛けましょぉ~……せぇの」
「「カワイくなぁれ! 萌え萌えキューーーン!!」」
……もう勝手にしろ! と半ばあきらめかけたそのとき、
「あなたたち……何してるの!?」
突然、何者かがこちらに向かって声を掛けた。
《次回に続くよぉ~萌え萌えっ!》
ご主人様~最後まで読んでありがとう! では次回に行ってらっしゃいませ~♥




