表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小林君は静かな生活を送りたい!  作者: プリンアラモードチョコレートパフェ
8/8


昼休み


俺は食堂で夕陽ヶ丘と会う約束をしているが、水橋に捕まってしまった。

これでは夕陽丘と約束している時間まで間に合わない。


「水橋!もう話は終わりか?!」


「ちょっと!どうしたのそんなに慌てて」


俺は水橋を振り切って教室を飛び出した。

水橋にはこの行動に対しての言い訳を後で説明しなければならないかも知れないが後回した。


「あら、遅かったではありませんか?」

「す、すみません」


外にある机で優雅に白いカップに入った紅茶を飲んだ夕陽丘。


一応、食堂の一部であるが、夕陽丘がいるだけでなんだか別の場所にいるみたいだ。


「まぁいいです。それよりも私とお話をしましょう」


お話・・・・と言うよりも取材だろう。


そう思いながら俺は夕陽丘に勧められたもう一つの席に座った。


「では初めに、貴方と水橋さんとはどのようなご関係を?」


「ただの幼なじみです」

「うふ、私をからかっているのですか」


事実であるが夕陽丘はそんな返答は望んでいないようだ。


例の写真をちらっとみせ脅してくる夕陽ヶ丘。

これは、夕陽丘が求めている回答をしなければならないかも知れない。


「恋人です……」


屈辱的だ。

俺は水橋に告白を受け、一応彼氏となったのだがやはりまだ水橋を彼女として受け入れられない。


「うふふ、そうですか。それで一体どうやってあの御方をいとめたのですか?」


「水橋が好きだと告白してきました……」


「嘘ですよね?」


「いや本当です」と言たいところではあるがやっぱり夕陽丘には信じて貰えるはずがなかった。


まぁ、この質問だけは俺がもし、夕陽丘だったら自分が言っていることは信じることは出来ない。


なにせ、あの美少女 水橋 美樹に告白を受けたなんて誰も信じるはずがない。


これも俺にとっては屈辱的だが嘘をつかなければ……


「俺から告白しました」

「うふふそうですよね……」


微笑む夕陽ヶ丘に「違います!」と言いたい。

そして「えっー違うんですか!」と驚いた顔で言わせたいが現実は厳しいものだ。


「それで水橋さんとどのくらいお付き合いなされていますの?」


「まだ、一ヶ月も経たないです……」


「まぁ!素敵です!ならまだキスやああいうこともお済みではありませんよね?!」


やや興奮気味である夕陽ヶ丘。

なんだろうか?夕陽丘からは嫌な予感が・・・・・・


夕陽丘は一口紅茶を飲んだ後、こう言った。


「なら私に一つ提案があります……」


「どうでしょうか?」


そう聞いてきたところで俺には拒否権はない。

それに水橋もこの計画はきっと喜ぶはずだ。


「分かりました……」


不本意ではあるが夕陽丘の提案に乗ることとなった。


「では、後は私にお任せあれ」


夕陽丘は満足そうに消えた。

するとタイミング良く、水橋がやってきた。


「もう何していたの!」


顔をぷっくり膨らませ睨みつけてくる水橋。

かなりご立腹である。


これは正直に何をしていたのか、答えなければならない所かも知れないが、俺はあえて答えない。

今後の生活は水橋にとってはきっといい生活が待っているに違いないからだ。


「いや、何もしてないよ」


だが、水橋だけ、ハッピーエンドなんて言う事にはさせない。

俺は夕陽丘に脅されようとも抗う。


抗って

抗って

抗って

そして俺が望む、平凡な生活を手に入れてみせる。
















読んでくれてありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ