その2ー1
この物語は、ニコニコ動画にて投稿した動画を小説として書き直したものになります。
朝早く起きて、朝食を食べ、歯を磨き、身支度をして家を出る。
仕事をして、夜遅くに帰路につく。
そして、家に着いたら夕飯を食べ、眠りにつく。
そんなどうでもいい毎日。
そんな毎日に飽き飽きしていた。
だからだろう。
そこは、いつもとは空気が違った。
あやしい風が吹いてきた。
鼻につく、妙な匂いがした。
そこは、闇に包まれていた。
俺の足は、引き寄せられるように、裏路地への狭い道へと歩を進めていた。
表通りを幾度となく通っていたが、こんな道があるとは、夢にも思っていなかった。
一寸先は闇。比喩ではなく、実際にそうだった。
こんなことなら、職場にあったペンライトでも持ってくるべきだっただろうか。
スマートフォンのライトで前方を照らしてみたが、光は闇に吸い込まれるだけだった。
正直、心底恐怖を感じていたが、不思議と足は前に向かっていた。
今なら踵を返して表通りへ逃げ出すことができるかもしれなかった。
けれど、足は前へ進み、ゆっくりだが、止まらなかった。
恐怖心より、不可思議な現状への冒険心と高揚感が勝っていたんだろう。
どれくらいの時間歩いただろう………1時間、30分、もしかしたら、一分も経っていないのかもしれない。
それくらいに、時間感覚か朧げだった。
そして、俺は開けた場所に出た。
路地裏とでも言うべき場所だろうか。
そこには、近くの家屋の室外機であろう機械が数個並んでいたが、使われているのか、破棄されているものなのか、いまいちわからないくらいに古ぼけていた。
そして、一際目を引いたもの。
それは……………………………
人間の死体だった。