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2 ゲームの世界のようですが

最初に言っておく。


僕は、悪いかもしれないが悪くないんだ。

受験のための勉強をしてないとかそういうところは棚に上げておこう。


何かしら矛盾してるかもしれないが、もう一度言う。

僕は、悪いかもしれないが悪くないんだ、と。


と、自分が悪くないと自己暗示してみるが、目の前の現実が変わることなんてない。



布団がよく分からない藁になり。その中に入ってた僕とか。

藁を吹っ飛ばした後、起きたらそこは、野原でしたとか。

服が、普段着とか。


これがまさか。いわゆる。

いわゆるPさんが「行きますか、行きませんか?」とか言うあれか?

あるいは、やりますか? やりませんか? とかいう拉致系企画参加ですか?


あ、でもそうだとアイマスクとプロデューサーがいないか。

そもそも、そんな企画に高校生は応募しないぞ。

……親か? いやそんなことする親じゃない、はずだ。


結論。よし、これは夢だ。

とてもリアルな、夢だ。頬をつねる。痛い。


オーケーだ! 夢じゃないな!


じゃあ、バーチャルリアリティ! 寝ている間にお試し開始。

よしログアウト!


……ログアウト! あれ? じゃあムーブとか! ……もしやシフト!


そっち系でもないのか? 自分の判断を、自分の正義を信じろ的なものでもなくてか?


あ、もしかして寝てる間に死んで転生したとか、そんな感じか?

うわ、それなんで死んだのか知りたいね!

隕石? 爆発? 呪い?



結論。分からないけど、僕はここにいるということで。

両親も近くにいないし、仕方ない。


探したいけど、藁の束……は、僕のいたところだけだったからな。

歩きながら、藁の束を見つけたらふっ飛ばしていくことにしよう。


とにかく、ここはどこなんだ? を確認しよう。

日本だと思うけど、いや、1度死んで転生の場合だと異世界になるのか?

まあ、それよりも。


生きろ。


ってことだよね! お腹もすいてきたし、喉もちょっとやばい。

どこぞのアニメ映画みたいだけど、まさか僕がリアルにそうなるとは思わなかった。


多分転生か転移かは知らないが、今時流行ってる異世界へいらっしゃいませ、というやつだろう。


オーソドックスに行けば、町を見つける。

武器防具をそろえる。仲間を見つける。金を稼ぐ。

元の世界に戻るもしくはこの世界で豪遊する、という流れになるかと思うが。


チュートリアルとかもないままいきなり来ると、困るな。


ほら、僕は取扱説明書をじっくり読んでから始めるタイプなんだよ。

いわゆるイメトレしてから頑張ってくタイプ。

参ったなあ。


まさか、人生に取扱説明書なんてない、みたいな。

『ふりーわ』じゃあるまいし。


『ふりーわ』だと、確か、ステータスのチェック方法は……キャラを選択する、だったけど。

よし。おなじみのあのポーズで。


「僕、参じょ……ってキター!」

サムズアップして自分を指してから、両腕を広げようとしたら、目の前に半透明の四角のステータス画面!


ってことは『ふりーわ』かここは!

でも、こんな場所なかったぞ。多分。積んである藁を壊せるとかもなかったし。


とにかくステータスを。


名前:たかまち おさむ

職業:初心者さん

レベル:1

HP(体力):505

MP(魔力):300

攻撃力:18

守備力:20

魔力:15

精神力:21

敏捷力:20


名前が本名なのかよ!

漢字で書くと、鷹待で、修。リリカル方面と思った皆さん、残念でしたっ!

ホークを待つ方です。


じゃなくて。


うーん。どこかで見たようなステータス。

……じゃなくて、レベル以外僕のキャラ、ハヤテ・ムラクモじゃないか!

転生の宝珠のせいだろうな、レベル1は。


待て。ということは、運も据え置きなんだろうね?

えーと隠しステータスのチェックは、確か……、ステータス画面の一番下の真ん中の矢印をクリック。

お。出るじゃん。



運:表示できません

今日の体調:普通

運勢:表示できません


世界からのお知らせ:かみはきたれり



おおおい! ちょ! 何この運!

表示できませんって初めてだよ! いや、運勢の表示できませんは昨日見たから二回目か?

いや、待て違う! 運が! 僕のカンスト運が!

バグよりも酷い! 何? 表示できませんって!

いいのか悪いのかすらも分からないってどんなの! どーなの!


しかも運営からのお知らせが、世界からの情報ってスケールでかいね!

で、そのお知らせがなんで僕のふっかつのじゅもん?


分からない。

分からなさ過ぎる。

強くてニューゲームとかじゃなくて難しくしてニューゲームみたいな感じだな。


とりあえず、だ。

今欲しいのは、食べ物飲み物と、あと靴。

靴下のまま外歩くのは、辛い。

裸足もちょっと長時間は辛い。

藁はあるけど、草鞋なんて作ったことないし。


ああ、そういえば昔そんな野外学習あったけど、受けときゃよかった……っ!


『ふりーわ』だと靴装備はあんまり重宝されてなかったけど、現実だと必要不可欠だよね!

どこかに落ちてないものか。

モンスターのドロップ品とかでもあった気がするけど、それだとモンスターを倒す必要があるわけで。

ただ、武器もなければ、石もない。

そもそも石も適当に拾えると思ったら、周辺に見る限り、手ごろな石が一つもない。


確かに『ふりーわ』でも採取ポイントでしか採取できないから、仕方ないのか?


あるいは僕は持ってないけど、スキル『いつでもどこでもチェックさん』があれば、何もないところでも調べるだけで、ランダムに何かが手に入ることがあるらしいけど。

未修得だったので、どうしようもない。

そういえば、スキルの持ち越しは大丈夫なんだろうか?

調べる方法が、ネトゲの時はキャラをタイミング良く5回クリックだったっけか。


この調べ方、プレイヤー側からものすごく不服はあるが、『ふりーわ』でスキルが増えることは極めてレアであることと、町のギルドに戻ってギルドカウンターでのキャラ確認でも簡単にできるので、仕様として残された、いわば小ネタ化した技である。


確か……えーと。

何かの曲に合わせてやると簡単って、攻略サイトにあった気が

あー、えーと。


確か、あの曲の前奏の入りを……、たらったらったた、たーん。

「た」部分でクリックだったから、両手で行こう。

サムズアップして、右左、二回で最後に両手で自分を指す。


おお成功! さすがあの曲! 覚えてる僕もすごいけどね!


スキル一覧:

『何でも識別団』:道具がなくてもありとあらゆるものの名前、能力、状態など全てを調べることが出来る。裏ステータスが確認できる。

『激運神』:隠された神の名を冠す者。「運」に究極の上昇補正。運だけなら次元を超えてもNo.1。この世、いや全ての次元において運で負けることは決して、ない。

『異世界からの来訪者』:色々な神々様からのエール。頑張ってね。

『無限なるカバン使い』:容量無限、取り出し自由、時間経過なしの無限道具袋の開放・使用可能。


確認完了。よし、いたって僕は冷静だ。そうだ冷静だ。


……さて。この世界の神はどこだ。

一番目と二番目、四番目はまあいいだろう。説明もあるし。

一番目と四番目は『ふりーげ』でも持ってたスキルだし問題ない。

怖いのは二番目だが、まあほっといても問題ないだろう。


だが、三番目えええええええ! お前は駄目だああああああっ!

こんなことするやつ、多分神だろうけど、ゆるさねえぞオオオオオっ!

僕は受験生なんだからなあああああ!!!!

遊んでいいかどうかなんて二の次だ! 勉強は朝やる派なんだよ!

つーわけで神! 許さんっ!

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