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プロローグ
初投稿です。色々と手探り状態ですので、どうぞお手柔らかにお願いいたします。
19世紀後半。アメリカ西部。
とある思想家は、「運命はひとりの女神である」と説いた。
とある政治家は次のように宣言した。
「西部へ行け若者よ。そしてこの国と共に成長せよ」
この明白なる運命の女神に連れられ、数え切れない男達が西部へ殺到した。
しかし、やがて彼らは年老いた。成長し損ねた者達の最後の行き場は酒場であった。
西部では、全てが酒場の大げさな話である。そこでは、人間は全て縮図となる。まだ見ぬ理想郷を夢見て、まだ無き道を行き、時に互いの存在をぶつけ合う。これを人々は、西部劇と呼んだ。
ここでは何もかもが、大げさに話された真実である。不思議な力に目覚めた少年の話も、歴史には残らなかった争いの話も、真実となり得る。
何故ならこれは西部劇なのだから。