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プロローグ
紬は小さい時からお話を読むのが大好きでした。一日で一番好きな時間は、お母さんにおとぎ話を読んでもらうことでした。おとぎ話に出てくるお姫様が大好きで、絵本が擦り切れてしまう程何回も読みました。
紬の身体に異変が現れ出したのは、10歳になった頃からでした。
起きている時間がどんどん短くなり、1日のほとんどを寝て過ごすようになりました。お医者様に見せても原因は分かりませんでした。
学校に通う事が出来なくなってしまった紬に、
友達は少しずつ距離を置くようになりました。
紬の事でお父さんとお母さんは喧嘩するようになっていました。
でも、紬はどんなに辛い事が続いても
夢の中ではお父さんもお母さんも笑ってくれる事に気づいたのです。
辛い現実から逃れるため、紬は夢の世界へ逃げ出した。